ディーアンドエムホールディングスは、デノンの11.4ch AVアンプ「AVC-X6800H」を3月15日に発売する。価格は52万8,000円。カラーはブラック。
デノンのAVアンプのミドルクラスである“6000番台”の新機種。その開発においては、“モンスター”と称されたかつての最上位機「AVC-X8500H」(2018年発売/52万8,000円)を越える性能を、ミドルクラス(現行のAVC-X3800H)の本体サイズで実現することも目標にしており、「11.4chのAVアンプとしては世界最小クラス」としている。
Dolby AtmosやDTS:X Pro、IMAX Enhanced、AURO-3D、MPEG-H(360 Reality Audio)といった最新の3Dオーディオ規格に対応。新4K/8K衛星放送で使われるMPEG-4 AAC(最大5.1ch)にも対応する。本体のみで11.4chのサラウンド再生ができ、パワーアンプを追加すれば最大13.4chのプロセッシングも可能。使用しないパワーアンプをチャンネルごとにオン/オフ設定でき、高品位なプリアンプとして使用できるプリアンプモードも搭載する。
HDMI入力はすべて8K/60pや4K/120pの映像信号に対応しており、HDR 10+やHDCP 2.3といった、最新の映像コンテンツを楽しむための規格もサポートする。
最上位AVアンプ「A1H」の高音質技術を継承
AVC-X6800Hには、デノンの最上位機「AVC-A1H」から受け継いだ高音質技術を投入。パワーアンプ回路はハイエンド機のみに搭載されてきたモノリス・コントラクションで構成。全11チャンネルのディスクリート・パワーアンプをそれぞれ独立した基板にマウントし、電源供給もチャンネルごとに独立させることで、チャンネル間の干渉やクロストークを排除している。
さらに、AVC-A1Hが採用するカスタムパワートランジスタ「DHCT」と同様に、4年かけて共同開発した大容量のカスタムパワーアンプトランジスタを搭載。パワートランジスタとヒートシンクのあいだには1mm厚の銅板を追加しており、放熱効率を高め、大音量再生時でも安定したスピーカー駆動を行う。実用最大出力は250W(6Ω/1kHz/THD 10%/1ch駆動)。
DAC回路も一新しており、AVC-A1Hと同じく電流出力型のDACチップを搭載した最新世代の32bit対応D/Aコンバータを採用。映像回路やネットワーク回路から独立した専用基板にマウントすることにより、周辺回路との相互干渉を排除し理想的な信号ラインおよび電源ラインのレイアウトを実現している。
電源回路には、クリーンかつ安定した電源供給を行うために、同機専用のEIコアトランスを開発。また専用にチューニングが施された大容量1万5000μFのカスタムコンデンサを2個装備し、アクション映画のクライマックスシーンのような大音量を再生する場面でも、余裕のある電源供給が行え、重厚な低音と雄大なスケール感のあるサウンドを実現する。
このほか、サラウンド音声信号処理を32bitプロセッシングで行う「D.D.S.C.-HD32」や、16bit/24bitのマルチチャンネル信号を32bitに拡張する「AL 32 Processing Multi Channel」など、デノン独自の高音質化技術を搭載。チューニングはすべてのデノン製品の音質を管理するサウンドマスター山内慎一氏が担当している。
無線LAN機能を搭載し、独自の「HEOS」テクノロジーによるネットワークオーディオに対応。Amazon Music HDやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスや、インターネットラジオを再生できる。LAN上のミュージックサーバー(NAS/PC/Macなど)やUSBメモリーに保存した5.6MHzまでのDSD音源や、192kHz/24bitまでのPCMファイルも再生可能。他にも、iPhone/iPadやMacからApple Musicなどの音声を手軽にワイヤレス再生できるAirPlay 2や、Bluetooth機能もサポートする。
本体の操作や設定は、iOS/Androidアプリ「Denon AVR Remote」からコントロール可能。。消費電力は最大750W。アンテナを寝かせた状態の本体サイズは434×389×167mm(幅×奥行き×高さ)、重さは15.6㎏。