デノンは、上位機譲りのパワーアンプを搭載し、“9.4ch最高峰モデル”をうたうAVアンプ新製品「AVR-X4800H」を1月27日に発売する。生産工場を福島・白河オーディオワークスに移して品質を高めているのも特徴。価格は31万3,500円。カラーはブラック。

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    AVR-X4800H

デノンAVアンプのミドルクラスに位置づけられる、“4000番台”の最新機種。現行機種の「AVR-X4700H」(2020年発売)との大きな違いはパワーアンプの構成で、白河工場の同じラインで生産している上位機「AVC-X6700H」(同年発売)と同じモノリス・コンストラクション・パワーアンプへとアップグレード。フラッグシップに肉薄する機能性を備え、「パフォーマンスにおいても飛躍的な進化を遂げた」とアピールしている。

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    AVR-X4800H

アンプ部については、現行のX4700Hではパワーアンプ基板を5chと4chの2枚で構成し、計9chアンプとしている。新機種のX4800Hはこれに対して、上位のX6700Hなどと同様に“チャンネル毎に独立したパワーアンプ基板”を採用。これによって全チャンネル同一のサウンドクオリティを追求し、各チャンネル間のクロストークや微細な振動の影響も抑え込む造りに刷新した。

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    内部構造

また、オーディオ基板とパワーアンプ基板の間をケーブルでつなぐ(ワイヤリングする)方式から、基板同士を接続する方式に変更したり、信号経路の最短化(ミニマムシグナルパス)を追求するなど、細かい作り込みの変更で音質のブラッシュアップを図っているのも特徴だ。

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    新しいX4800Hのパワーアンプ基板をまとめたユニット

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    チャンネル毎に独立したパワーアンプ基板を搭載する

デジタル回路も強化。X4800Hには9chのパワーアンプを内蔵しているが、上位機で搭載しているDSPを超える「Griffin Lite XP」を採用し、演算処理能力を大幅に高めたことで11.4chプロセッシングに対応。これにより、11.4ch分のデコードやアップミックス、音場補正など、高負荷な処理も余裕をもって同時に行えるようになっている。Griffin Lite XPは現行の下位機種「AVR-X3800H」(2022年発売)などで既に採用しているもので、今回4000番台のAVアンプにも入ったかたちだ。

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    中央の銀色のチップが「Griffin Lite XP」

なお、11.4chプロセッシングに対応することで、サブウーファーを最大4台まで接続可能になっている。それぞれのサブウーファーに近くのスピーカーの低域成分を割り当てることで、低音の指向性や移動感も正確に再現できるようになった。

他にも、デノンのAVアンプ上位機で採用している「D.D.S.C.-HD32」や、「AL32 Processing Multi Channel」、「クロック・ジッターリデューサー」といった技術を搭載している。

X4800Hの音作りについては、デノン製品の音質チューニングを手がけるサウンドマスター山内慎一氏が現行機種同様に担当。音質担当エンジニアと共に、長年にわたって培ってきた知見とカスタムメイドの高音質パーツ、回路設計技術を最大限に活用。「クラスを超えたクオリティにまで引き上げ、Hi-Fiオーディオに肉薄する忠実性を実現する」としている。

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    設置イメージ

8K/60pと4K/120Hzまでの映像信号に対応するHDMI入出力を装備。オブジェクトオーディオのDolby AtmosやDTS:X、IMAX EnhancedやAuro-3D、MPEG-H 3D Audio(360 Reality Audio)といった高品位フォーマットに対応。新4K/8K衛星放送の最大5.1chまでのMPEG-4 AACもサポートするなど、主要なオーディオフォーマットはほぼ網羅している。

その他、仕様面の詳細は追って更新する。

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    背面