アメリカ・ラスベガスで開催中の大型IT展示会「CES 2024」の会期2日前にスタートアップ関連イベント「CES Unveiled」が開催されました。ペット向けにAIを活用した製品や、家庭やオフィスの空気環境を改善するグリーンテック製品が展示されていたので紹介します。

飼い主に「ねずみのプレゼント」を持ってくるネコの問題をAIが解決

日本では家の中でネコを飼っていることが多いでしょうが、時々庭に出ては「獲物」を口にくわえて帰ってくる、なんてこともありますよね。海外でもこれは同様で、家と外を自由に行き来できるような飼い方をしている家庭では、ねずみや昆虫、ちいさな蛇などをネコが加えて飼い主にもってくるケースも多いようです。これはネコにとって自然な行動ですが、朝起きたら枕元にネコからのギフトが置いてあったら飼い主は驚いてしまうでしょう。

  • ネコからの不必要なギフトを家に持ち込めないようにするドアだ

スイスのFlappieが開発中のネコ用の小型ドア「Flappie」は、カメラとAIを使ってネコからの「不要な」プレゼントを防ぐことができます。ネコの出入りするところにFlappieを設置、通常は透明なドアをネコが押すことで自由に室内を出入りできます。しかしネコが何かをくわえてドアを押そうとすると、ドアの上にあるカメラを通してAIがそのくわえているものを確認し、ねずみなどの場合はドアが固定され押せなくなります。つまりネコはくわえたものを口から離さなければ家に入れないのです。何度も出入りを繰り返せば、いずれは「ねずみは家に持ってきちゃだめななんだ」なんてネコが学習してくれるかもしれません。

  • ドアの上にあるカメラとAIがネコがくわえたものを判別してドアをロックする

ペットが寝るだけで健康状態がわかる「魔法のベッド」

イタリアのDomethics s.r.lが開発した「Carepet」はセンサーを内蔵したカーペットが敷かれた犬、ネコ用のベッドです。ペットが毎晩Carepetの上で寝ることで、睡眠中の心拍数、呼吸、睡眠状態を計測。また室内の気温と湿度も同時に記録することで、ペットの生活習慣を把握することが可能になります。

  • サンプルではカーペットだけだが、実製品はベッド型になるという

ペットの日々の状態がわかれば、「夜中に急にからだをかきむしる」「呼吸が不規則」など普段とは異なる状態をアプリが判断して飼い主に通知するだけではなく、直接獣医さんへ連絡する機能も持っています。ペットの生活の質も判断できるので、不健康と判断された場合は獣医に見せるだけではなく自宅の部屋の環境を変えるきっかけ作りにもなるでしょう。

  • ペットが寝るだけで心拍数や睡眠状態、呼吸数を記録

飼い犬専用の贅沢な飼育ロボット

Ogmen Roboticsは飼い犬のための専用ロボット「Oro」を開発中です。Oroはロボット本体、自動餌やり機、充電台の3つのセットになっています。ロボットは2時間の充電で5時間の走行などが可能ですが、電池切れの時は自動的に充電台に戻って充電します。ディスプレイには様々な表情の顔を写せるできるほか、カメラを搭載しておりペットを認識し、自動運転システムでペットの後を追いかけることもできます。また飼い主が外出先からロボットのカメラを通してペットや室内を監視したり、カメラが定期的にペットの写真も撮影してくれます。

  • 飼い犬用のロボットとは贅沢な製品だ

ロボットの胴体に開いている穴からは、本体にセットしたボールを放出させることが可能。ロボットが飼い犬の遊び相手にもなってくれるのです。また自動餌やり機は餌だけではなく薬のセットも可能で、定期的な投薬もできます。そして運動量や餌・薬を摂取した時間などはすべてアプリに記録され、飼い犬の健康を常に確認することができるのです。

  • 自動餌やり機とロボットの充電台

首輪の形をしたペット版スマートウォッチ

Invoxiaの「Minitailz」はペット用の活動量計です。首輪の形で犬やネコに取り付けることが可能で、運動量、心拍数、呼吸数を測定します。心房細動 (AFib) も測定可能でペットの不整脈の早期発見にも役立てられるとのこと。本体には消費電力の少ないLTE-Mモデムが内蔵されており、SIMカードにより単体でネットワークに接続することも可能、GPSによりペットが行方不明になったときにも探し出すことができます。また常にペットの活動データをアプリに記録できます。

  • ペットのための活動量計

価格は99ドルですでに海外で販売中です。追跡サービスを使う場合は別途サブスクリプションが必要とのこと。本体質量は36gと軽量のため、ペットの負担も少ないとのことです。

  • ペットの健康状態をいつでも監視できる

苔とミストで空気も心も清浄する

人間の生活の質を高める製品も展示されていました。韓国Mosslabの「Moss Air」は苔を使って空気を清浄してくれます。苔を生やしたプレートを本体に装着し、水タンクに水をいれればセットは完了。本体は充電式で8時間動作します。本体上部には本体からのミストをふさぐ穴があり、強力なマグネットの玉で塞がれます。玉を塞いだ状態では本体内に水蒸気が噴霧され、苔に散水すると共に本体内を漂う水蒸気がインテリアとなり心を落ち着かせてくれます。

  • 苔の入った本体。見ているだけでも心が落ち着く

本体上部の玉をずらすと、今度は内部の水蒸気がミストとなって空気中に放出され、室内の湿度を高めながら埃などを取り除くとのこと。これにより空気が清浄され健康的な生活を送ることができるといいます。苔プレートの寿命は6カ月。クラウドファンディングで資金調達に成功し、現在出荷に向けて清算中とのこと。本体価格は99ドルの予定だそうです。

  • 本体から水蒸気を噴霧もできる

家屋内の有害な化学物質を植物が除去してくれる

家庭内の空気には人体に危険な4つのVOC(ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレン)が含まれることがあります。これは新しく買った家具や、クリーニング製品から発生することがあるとのこと。neoplantsの「Neo P1」はVOCを効率よく吸収するように改良された植物で、観葉植物のように室内に置くだけでVOCレベルを下げてくれます。価格は179ドルから。工業製品ではないため生産に時間がかかり、また希望者の数も多いためこれから購入する場合は、ウェイティングリストに名前を入れる必要があるとのことです。

  • VOCを吸収するNeo P1

Neo P1の効力を維持させる「Power Drop」と呼ぶ粉末微生物も販売しており、こちらは水に溶かしてNeo P1に与えればよいとのこと。月に1度程度与えれば十分な性能を発揮できるとのことです。

  • Neo P1の効力を維持させるPower Drop