2023年、位置情報ゲームに2つの大きな新規タイトルが登場しました。『モンスターハンターNow(モンハンNow)』と『信長の野望 出陣』です。元々、複数の位置情報ゲームをプレイしていたライター岡安はどのようなプレイスタイルで遊んでいるのでしょう。新タイトルについて、編集安川と振り返ります。

『信長の野望 出陣』はソロプレイヤー向き位置情報ゲーム

安川:あけましておめでとうございます。

岡安:今年もよろしくお願いします。

安川:いやあ、2024年になりました。今年はどんなゲーミングライフを過ごそうかなあ。そういえば、2023年って、いくつか新しい位置情報ゲームがリリースされましたよね。岡安さんは、今、いくつプレイしているんですか?

岡安:日常的にやっているのは、『Pokémon GO(ポケモン GO)』と『ドラゴンクエストウォーク(ドラクエウォーク)』と『Pikmin Bloom(ピクミンブルーム)』と『信長の野望 出陣』と『モンハンNow』ですね。

安川:それって同時にできるものですか?

岡安:それぞれをフルフルにやっている人にしてみれば、どれも中途半端な感じになるかもしれませんが、とりあえずイベントをこなすことを中心にプレイしていますね。『ピクミンブルーム』は1回行動設定しておけば、しばらく放置してもいいので、同時進行はそこまで難しくないですよ。ただ、「外に出ている時間=ゲームをプレイしている時間」にはなりました。

安川:なるほど。で、2023年にリリースされた『信長の野望 出陣』と『モンハンNow』の感想を教えてください。

岡安:『信長の野望 出陣』は、コーエーテクモゲームスがリリースした初の位置情報ゲームですね。戦国時代のいち武将となって、全国制覇を目指します。『信長の野望』シリーズのように、既存の武将や大名になってほかの勢力を倒すのではなく、位置情報ゲームとして整理されています。

安川:例えば、どんなところが特徴ですか。

岡安:まず、イベントや登用(いわゆるガチャ)をすることで、武将をゲットできるんですけど、これは有名無名あまたの武将が対象になっており、勢力とか地位とか関係なくゲットできます。例えば、武田信玄と上杉謙信を両方とも配下として編成することもできます。

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    現状は最高ランクがSSR。織田信長ですら配下として使用できます

安川:なるほど、そこらへんはカードゲームライクというかソシャゲライクというか、特にキャラクターとして関わりを持つのではないんですね。

岡安:ストーリー的には木下秀吉が関わってくるのですが、位置情報ゲームのシステム的にはあまり関係ありません。

安川:全国制覇を目指すというと、プレイヤー同士の領地を奪い合うのでしょうか?

岡安:いえ、そこはそれぞれの世界で領地を獲得していくイメージです。日本全国がものすごく細かいエリアに分かれていて、その場所に訪れるか、隣国に遠征することで攻めることができるようになります。以前あった位置情報ゲーム『テクテクテクテク』のような感じですね。

安川:ああ、なるほど。ソロプレイで自分の領土を記録していくんですね。

岡安:『テクテクテクテク』は行ったことのある場所を塗れるのが楽しかったんですが、同じ場所にしか行かない人への救済措置として「となりぬり」があったんです。しかし、それがもともとの行ったことのある場所を塗る行動をないがしろにする結果になってしまいました。

『信長の野望 出陣』も同様の懸念があったんですけど、いざプレイしていみると、行ったことがあるかどうかではなく、隣接したエリアを征服していくのは戦国時代らしいというか『信長の野望』的というか、その理由付けによって特に問題はないように思えました。

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    訪れた場所では、その領地を巡って合戦を行うことができます。勝利すればその領地は自分のものになります

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    領地は細かく区分されています。市や区が50個くらいのエリアに分かれており、すべて自分の領地にするとボーナスがもらえます

安川:なるほど、隣国への戦のすべてに大名が行くわけではないですもんね。

岡安:そうなんですよね。で、遠征は本拠地から行うのですが、遠い場所は遠征に時間がかかります。本拠地の周りを制圧し尽くしたら、遠い場所に遠征に行かなくてはならないので、1回の遠征にすごく時間がかかるんです。そこで本拠地を移転したり、支城を作って2カ所から攻め込めるようにしたりもできます。

安川:そこらへんは位置情報の距離感が生きているんですね。

岡安:『信長の野望』なので、戦いだけをしていれば良いわけではなく、内政も大事。街にいる農民や商人、武将などに声をかけたり、野盗や敵武将を倒したりと移動中もいろいろやることがあります。しばらく移動できないときのために、商人や農民に会いに行く派遣も行えます。

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    フィールド上にある米俵やお金に近づくと、商人や農民に話しかけることができます。遠い場所には遠征で対応できます

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    合戦は最大5部隊同士で戦います。左上のアイコンが示すように、騎馬と弓と足軽(槍)は三すくみになっており、相性の良い相手と戦わせると勝ちやすくなります。鉄砲隊のみ、それ以外の部隊とすべて互角になっています

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    歩いた距離によって東海道のどの宿場まで来たかがわかる「歴史紀行」も搭載。宿場に着くたびに報酬がもらえます

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    武将はレベルアップ可能。武将の友好度を上げると一気に強くなる覚醒をすることも

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    領地に武将を派遣したりレベルをアップしたりすると、効果がアップします

安川:システムの話をするとキリがないと思うので、ここらで総括的な話を。

岡安:そうですね。位置情報ゲームとしては、ほかのタイトルと違ったアプローチをしています。今のところ、コレクティブアイテムのようなものもあまりないですし、結構自分のペースで遊べます。

ほかのプレイヤーとの関わりは一応あるんですが、これは結構薄いのでソロプレイヤー向きだと言えますね。歴史好きや『信長の野望』シリーズが好きな人はオススメですよ。

気軽に協力マルチで一狩りいける『モンハンNow』

安川:じゃあ、次は『モンハンNow』について感想をお願いします。

岡安:『モンハンNow』は、基本的には本当に『モンスターハンター』ですね。違うところはプレイヤーを操作して探索するのではなく、自分で街を歩いて探索するという、まさに位置情報ゲームであることです。

安川:街中にモンスターがいて、それに近づいてバトルする感じですか?

岡安:そうですね。ずっと同じところにいても、大型モンスターはなかなかやってこないので、マップを見て、大型モンスターのいる場所に移動して戦うのが基本です。バトルは『モンハン』シリーズと同様でさまざまな武器を使って戦うアクションゲームです。これまでの位置情報ゲームと比べると、ゲーム操作の腕前の差が出るかもしれません。

安川:操作があまりうまくないとプレイするのは難しいんですか?

岡安:いえ、そこまでではありません。大型モンスターは「☆」の数でランク付けされていて、同じモンスターでもそれぞれ強さが違いますが、しっかり敵の強さに見合った武器を作成できていれば、操作があまりうまくない人でも倒せますよ。

安川:それは安心しました。

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    モンスターは攻撃の前に赤く光るので、タイミングを合わせて回避できます。こちらの攻撃は、タップや長押しなど、武器種によって操作性が異なります

岡安:大型モンスターの狩りは、近くにいるほかのハンターと一緒に挑戦できます。近くというのは、周囲200メートル以内で、画面上ではどの人が参加するかはわかりません。ほかのハンターからの協力要請があると、画面に「一狩りいこうぜ」が表示されます。

安川:なるほど、気軽に協力マルチプレイができるのは、『モンハン』の集会所みたいでおもしろいですね。

岡安:そうなんですよ。明らかに自分1人で倒せそうにない大型モンスターでも、近くにいる強いハンターが参加してくれたら倒せることもあります。また、大型モンスターは一定の範囲内でなければ狩れませんが、ほかのハンターの要請に応えれば、ちょっと離れているモンスターと戦うこともできるんです。もちろん、『モンハン』ですから、モンスターを倒すと、素材をゲットできるんですけど、参加人数が多くなっても、獲得する素材の数は変わらないので、複数人数で狩るデメリットはないんですよ。

安川:そのへんもしっかり『モンハン』なんですね。

岡安:さらに、知り合いどうしでグループを組んで行動すれば、必ずそのグループでの狩りになります。3人グループだと、周囲から参加する人は1人になります。

安川:おお、友だちとリアル狩猟に行っている感覚が味わえておもしろそう。

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    モンスターに対して装備が弱いと注意勧告してくれます。近くにハンターがいたら、手伝ってもらうのも1つの手です

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    「一狩りいこうぜ」の表示が出ていれば、誰かが参加要請しているサイン。自分も報酬がもらえるので、余裕があれば参加しておきたいところです

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    グループを組んでいると、フィールド上には仲間の姿も表示されます

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    仲間との狩りは、自分のレベルでは獲得できないような素材を獲得できるチャンスでもあります。また、レアなアイテムが出現した場合はジェム(ゲーム内通過)を使って、獲得アイテムを2倍にすることもできます

岡安:『モンハンNow』にはハンターランクがあるんですけど、これが上がってもプレイヤー自身が強くなるわけではありません。これもシリーズと同じですね。基本的には武器や防具と行った装備を強化してハンターを強くします。初心者でもベテランハンターと一緒に狩りに出かけて、高いランクの大型モンスターを狩れば、強い装備を作るための素材をゲットできるんです。

安川:初心者を助けてくれるベテランハンターは『モンハンNow』にもいるんですね。

岡安:ただ、装備はグレードが10まであって、強いグレードにするには当然強い大型モンスターの素材が必要なんです。ですが、強いモンスターに立ち向かうためには強い武器が必要という矛盾が発生します。

安川:それも『モンハン』あるあるですね。クエストの制限時間が30分や50分なら立ち回りでカバーできますが、75秒しかないと装備の性能がダイレクトに反映されそうです。

岡安:位置情報ゲームの宿命というか、プレイヤー人口に依存するので、大都市圏はいいんですけど、地方だと協力マルチは難しいかもしれません。

安川:周りにプレイヤーがいない状況だと、ソロプレイにならざるを得ないでしょうね。たくましくなりそう。

岡安:しかも、レア素材は本当にドロップ率が低くて、大型モンスターのランクがしばらく停滞することもあります。まあ、ゆったりやっていくしかないかなと。

安川:狩りだけだと単調になりそうですけど、クエスト的なものもあるんですよね。

岡安:全体を通してのストーリーと、毎日変わるデイリー、そして期間限定のものがありますね。ストーリーは13のチャプターが用意されており、1つのチャプターに3~5のクエストがあります。全部クリアするとチャプター1に戻り、より強い大型モンスターのランクが解放されます。

安川:なるほど、装備を鍛えつつ、ストーリーを進めるのがメインですか。

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    周回すると大型モンスターの強さが解放されるので、レア素材をゲットするには、とにかくストーリーを進めるのが一番

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    序盤は、ストーリーを進めていくと、使用できる武器が増えていきます

岡安:あとは新しい大型モンスターが出現するとスペシャルイベントが発生し、そのイベントで新モンスターを倒すと、フィールド上に出現するようになります。今のところ、ディアブロス亜種、リオレイア亜種、ジンオウガ、ラドバルキン、バフバロ、ベリオロスの6体が追加されました。

安川:リリースしてまだ3カ月ちょっとなのに、結構なペースで新モンスターが追加されているじゃないですか。

岡安:そうですね。その点は結構良い感じす。ただ、『モンハンNow』って、砂漠、沼地、森林が時間によって切り替わって、そのフィールドにあったモンスターが出現するようになっているんですよね。出現する大型モンスターの数はあまり変わらないので、種類が多くなると、目的のモンスターに会いにくくなってしまう弊害もあります。

安川:まあ、それは仕方ないですよ。たくさん歩くしかないですね。

岡安:武器も、最初は片手剣、大剣、太刀、ハンマー、ライトボウガン、弓でしたが、12月に双剣、ランスが追加されました。『モンハン』は武器種が多いので、この先も追加を期待したいですね。すでにある武器種でも新モンスターが追加されると、その素材で作る武器が増えるので、そのへんも楽しみです。

安川:では、とりあえず『モンハンNow』もここら辺で総括的な話を。

岡安:ストーリーやランクがあっても、期間限定のイベントは現時点でハロウィンイベントだけで、それ以外は自分のペースでできるのがいいですね。レアな素材をゲットするために、繁華街に出かけて、強いハンターに手伝ってもらうとか、ほかのプレイヤーと気軽に関われるのもおもしろいポイントです。『モンハン』の魅力が損なわれず、位置情報ゲームとしても確立しているので、どちらのファンも楽しめると思います。

安川:じゃあ、今度一狩り行きましょう。

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    『モンハンNow』にはNianticの位置情報ゲームでお馴染みのAR撮影機能も搭載。こちらが撮影したAR写真。モンスターが街に溶け込んでおり、かなりの大迫力です