11月27日週もわずかだがWindows 11に動きがあった。CanaryチャネルのWindows 11 Insider Previewで「設定」の「システム/電源とバッテリー」に「省電力」が加わり、バッテリーセーバーに関する機能を集約させている。

モバイルデバイスでWindows 11を利用しているユーザーには珍しくもない設定だが、対象をデスクトップPCに拡大した。以前から電力消費とコンピューター性能を制御する設定が並んでいた「電源モード」から、新たにバッテリーセーバーモードのオン・オフ、実行のしきい値、ディスプレイの輝度設定やオン・オフを行えるようになった。

  • 新たな「省電力」設定

上図は2in1 PCのWindows 11 Insider Previewだが、仮想マシンで確認すると、「常に省電力を使用する」の設定項目のみ現れた。デスクトップPCで省電力を有効にすると、おそらくCPU性能やプロセスの抑止が働くため、省エネにつながるのだろう。「アイデアが浮かんだら即座にアウトプット」できるデバイスの応答性を落とすことにもなるが、そこはトレードオフだ。

ここからは筆者の主観。そもそも、PC本体やディスプレイなど消費電力が大きいデスクトップPCに、どこまでの省エネ機能が必要だろうか。消費電力ベースで見れば、ノートPCや2in1 PCを使うほうが賢い。筆者はGPU性能やメモリー容量の関係からモバイルデバイスを主軸としていないが、ノートPCや2in1 PCが持つ作業スペースの簡潔性に引かれつつも、モバイルディスプレイを何枚も購入する未来が見える。省エネとはほど遠い。

古い話を出すと、東京電力も省エネ活動をうながしている。正直、東日本大震災における経営層の判断や現在の電気代高騰を踏まえると、とても同意できるものではない。国も省エネルギー庁を設けて啓蒙活動を続けているが、PCを日ごろから何百台、何千台、何万台と利用している企業はともかく、個人や家庭の消費は微々たるもの。これはあくまで「使った分は払う」の観点だが、筆者は新しい省電力設定がデスクトップPCの安定版Windows 11に実装されても使うことはないだろう。

  • 仮想マシン(デスクトップPC環境)の「省電力」

CPUやGPU、HDDなどストレージ類も、自身またはOSのサスペンドモードを備えている。一連の省電力設定を1カ所で制御可能になるのであれば、PC管理という意味では有用だ。もちろんデスクトップPCの用途だと様子は異なり、前述のように思い立ったらすぐ使いたい筆者のようなユーザーは、省電力モードから復帰する待ち時間という我慢が発生する(まったくの余談だが、いま使用中のBluetoothキーボードはスリープ復帰に1~2秒の遅延が発生し、使い勝手の悪さを日々感じている。それよりも、ケーブルレスかつポジションレスの利便性を選んでいるわけだ)。

Microsoftは2022年3月に年次サステナビリティレポートを発表し、2030年までにカーボンネガティブやウオーターポジティブ、廃棄物ゼロの企業を目指している。そうした背景から、Windows 11に省エネ機能を盛り込んだと思われる。歓迎するユーザーも多いだろう。忘れてはならないのは、同時にPCのパフォーマンス低下を招くこと。デスクトップPCにも拡大したWindows 11の省電力機能もまた、ユーザーの環境や使い方によってがらりと評価の変わる機能だ。