Windows 11 バージョン23H2の更新プログラムは素直に、配信される環境の差が大きいようだ。同業の先輩はメーカー製PCに降ってきたとSNSに投稿し、元担当編集者の一人は「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオフにしたら降ってきたという。

後者は海外の掲示板でも話題になっており、投稿を目にした筆者も試したが、結果は変わらず。少々気になったので「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」の状態をProcess Monitorで観察すると、レジストリの「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsUpdate\UXキー」にあるDWORD値「IsContinuousInnovationOptedIn」と「CIOptinModified」を書き換えている。

  • 実行中のProcess Monitor

値名をそのまま和訳にすると、IsContinuousInnovationOptedInは「継続的イノベーションのオプトイン」となる。後者のCIOptinModifiedはあくまで推察だが、変更状況を格納しているのだろう。前述の現象では機能の有無が逆転しているし、海外の掲示板でも同様の指摘があったのだが、IsContinuousInnovationOptedInの値を見る限り問題はなさそうだ。

  • 左がスイッチオフ、右がスイッチオンの状態

急いでWindows 11 バージョン23H2に更新するつもりはないが、ひとつ気になるのはEnablement Package(有効化パッケージ)を有効にするKB5027397がインストールされていない点だ。リンク先の説明を読むとWindows 11 バージョン23H2の機能を有効化する「マスタースイッチ」らしく、なくて当然なのだが、無理やりインストールするとバージョン23H2の更新プログラムが降ってきたとの投稿も見かけた。冷静になったつもりが、あれこれと振り回されている筆者である。

現在、Windows 11の「回復」を用いた初期化だけでなく、PCのリプレースも計画中だが、さらに惑わせるのがWindows 12(仮)の影だ。techosaurusrex氏がX(旧Twitter)に投稿したMicrosoft Office LTSC(Long-Term Servicing Channel)2024のリーク画像に対して、Windows Insider Programのアカウントは「The future is bright indeed(確かに未来は明るい)」とコメントを返している。

techosaurusrex氏は最初の投稿で「New Windows Client」と述べており、Intelの幹部が口を滑らせた「Windows Refresh」と呼ばれるMicrosoftのWindows刷新計画を踏まえると、2024年にWindows 12(仮)が登場する可能性も。個人的には、PCを新しくするのは新OSの登場タイミングが望ましいと思っている。円安や税制のゆらぎを目にしていると、年内のPCリプレースは延期したほうがよさそうだ。