米Amazonは11月29日(現地時間)、国際カンファレンス「AWS re:Invent 2023」の中で、同社が展開するクラウドサービス「Amazon Web Services」向けの新プロセッサ「Graviton4」や、AI向けチップ「Trainium2」を発表した。Graviton4はR8gインスタンスで今後数カ月中に提供が予定されているが、Trainium2を含むTrn2インスタンスの提供時期は今のところ未定。

  • コア数1.5倍の新プロセッサ「Graviton4」とAI向けチップ「Trainium2」をAmazonが投入

Graviton4は前世代比でコア数が1.5倍になり、メモリ帯域は75%も広がるという新プロセッサ。Amazon EC2上で実行される幅広いワークロードをサポートするとしており、優れたコストパフォーマンスとエネルギー効率を実現。すでに搭載したR8gインスタンスがプレビュー版として利用できるようになっており、数カ月中の一般提供も予定する。

また、AIトレーニング向けのチップとして「Trainium2」を発表した。第2世代となる同チップは前世代より最大4倍も高速なAIトレーニングが行えるとしており、最大で100,000個で構成されたEC2 UltraClusterにデプロイ可能。基礎モデルと大規模言語モデルを1つの環境でトレーニングでき、エネルギー効率を2倍高められるとしている。

発表の中で、AIを開発するAnthropicやセキュリティプラットフォームの開発会社Datadog、Fortniteを運営するEpicなどが採用すると声明。Amazonは発表に寄せて、「シリコンはあらゆる顧客のワークロードを支えており、AWS にとってイノベーションの重要な分野となっています」と述べている。