高機能トースターの元祖ともいえるバルミューダの「BALMUDA The Toaster」には、通常モデルとプロシリーズの2ラインがあります。後者のプロシリーズ「BALMUDA The Toaster Pro」(K11A-SEシリーズ)は、11月16日からリニューアルされました。
新モデルではパンのリベイクがより美味しくなり、庫内サイズと焼き網サイズも大きくなっています。今回のリニューアルにあわせてバルミューダは、BALMUDA The Toaster Proだけの機能「サラマンダー」を使ったプレス向け試食会を開催。プロシリーズならではの料理を披露しました。スタンダードモデルとプロシリーズ、どちらにするか迷っている人の参考になれば幸いです。
スタンダードモデルの「BALMUDA The Toaster」は10月にリニューアル済み!
BALMUDA The Toasterシリーズは発売以来、「普通のトースターで焼くよりパンが美味しい」と評価の高い製品。引っ越し祝いなどの贈り物に選ばれることも多いそうです。
パンを美味しく焼ける理由は大きく2つ。ひとつは独自のスチームテクノロジーです。BALMUDA The Toasterはパンを焼くときに「5cc水を補給する」という一手間を必要としますが、庫内に水蒸気を充満させてパンの水分と香りを閉じ込め、表面はサクっと中はモチモチに仕上げます。
もうひとつの理由は、パンにあわせて上下のヒーターを別々にコントロールする1秒単位の温度制御。BALMUDA The Toasterはスチームテクノロジーが注目されがちですが、美味しさの大部分を担っているのはこの温度制御なのです。
ところで、プロシリーズのリニューアルに先駆けて、スタンダードモデルのBALMUDA The Toasterも10月にリニューアルしています(K11Aシリーズ)。このK11Aシリーズと、新BALMUDA The Toaster Proのリニューアル点は同じです。
まずは温度制御を見直し、従来モデルよりも「外カリ・中モチ」な食感をより強く引き出すようになりました。加えて庫内サイズが広くなり、両シリーズともに従来モデルと比べて庫内と焼き網の奥行きを2cm拡張。奥行きが増したことで、市販の直径19cmピザをそのままリベイクできるようになりました。
焼き網の形状も変わっています。従来は真っ直ぐなストレート形状の焼き網でしたが、新シリーズは波形に。従来モデルで食パンを焼くと裏側の焼き目が薄い印象がありましたが、網を波状にすることで熱が効率的にパン裏側に届くようになったとのこと。
新型で焼いたトーストを試食してみると、温度制御の変更のおかげか、表面はサクッと軽い食感で、中のモチモチフワフワ感がアップ。裏面の焼き色が強くなったこともあり、従来モデルで焼いたトーストよりも香ばしさを強く感じました。
新型に触れてみてちょっと気になったのは、焼き網のセット方法です。従来モデルは焼き網を庫内のフレームに乗せるだけでよく、取り出すのも簡単でした。
一方でリニューアル後の新型は、焼き網をセットするとき「焼き網のフックを庫内奥のフレームに引っかけ、バネを伸ばしつつ焼き網の反対側を扉のフックに引っかける」――と、少々面倒。網が大きくなったのはうれしい点ですが、メンテナンス性は落ちた印象です。
プロシリーズならではの「サラマンダー」、真価を実感した試食会
と、ここまで紹介したきたとおり、今回のリニューアルはBALMUDA The Toasterシリーズ共通のもの。スタンダードモデルとプロシリーズの違いは「サラマンダー」モードの有無ですが、サラマンダーモードは従来のままで変わっていません。
「サラマンダー」とは、レストランなどが備えている業務用の調理器具。食材の表面だけを高温で炙って、「焼き」をいれる器具です。BALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードでは、庫内上側のヒーターのみで食材を一気に高温加熱。「自分好みの焼き色」や「食材の香ばしさ」といった演出ができます。
試食会では「サラマンダーモードがあれば、こういった使い方ができるのか!」というコース料理が提供されました。
たとえば、前菜は薄切りにしたライ麦パンに、クリームチーズやラペをはじめとした野菜を乗せた一品。薄切りライ麦パンはパサパサになりやすい食材ですが、サラマンダーモードの高火力で表面だけを短く炙ることでパンの香ばしさを引き出しつつ、薄切りパン特有の乾燥を抑えています。
フライパンで調理した白身魚のソテーは、調理後にサラマンダーモードで皮を炙ってカリカリに仕上げています。これはまさにレストランのサラマンダーと同じ使い方です。
サラマンダーモードはこういった「表面だけ短時間で焼き付け、食材はみずみずしいまま仕上げる」ことが得意。牡蠣の炙りなど、香ばしさとジューシーさを両立させたい料理にはぜひ使ってみたい機能です。
最後のデザートは京都らしくほうじ茶のクレーム・ブリュレ。クレーム・ブリュレは仕上げにグラニュー糖をかけ、砂糖をバーナーで炙ってキャラメリゼします。これで「表面が薄くほろ苦くカリカリ」という独特の食感と味を作り出すわけです。BALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードなら、高火力なのでバーナーがなくてもこのカラメル層を作れます。
以上、サラマンダーモードを活用したBALMUDA The Toaster Proのコース料理でした。スタンダードなBALMUDA The Toasterは「難しいことを考えずにパンを美味しく食べられる」トースターですが、サラマンダーモードを使った調理は「試行錯誤しながら自分が気に入る料理を作る」という印象。これ1台で料理のバリエーションがグンと増えそうです。上手に使うにはそれなりの経験と一手間が必要なのですが、料理好きにとっては、作る課程も仕上がりも一層楽しくしてくれる1台です。