米Microsoftのエグゼクティブバイスプレジデントであるパノス・パネイ(Panos Panay)氏が19年間勤めた同社を去ることを明らかにした。同氏は2018年に最高プロダクト責任者(Chief Product Officer)に就任してSurfaceデバイスなどを開発するデバイス・チームを指揮。さらに2020年の組織再編から、Windowとデバイスを統合したグループの統率を担っていた。

パネイ氏は2012年からSurfaceデバイスの発表会に登場し始め、その魅力的なプレゼンテーションで聴衆の新製品への期待を高め、Surfaceデバイスの成長に大いに貢献した。

聴衆と会話するようなカジュアルな語り口、驚きのある瞬間を作り出す演出、ビジュアル効果を重んじたスライド、共感を生む個人的な話など、そのスピーチはAppleのスティーブ・ジョブズ氏のキーノートとも比べられた。2012年にThe Vergeのヴラド・サボフ氏は「Microsoft史上で最高のプレゼンターだ。すべての基調講演を担当すべきだ」とコメント、TIMEのハリー・マクラケン氏は「他の一般的な製品担当者に比べて、10,000%以上の情熱が伝わってくる」と評価した。

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パネイ氏は退社に際し、「ページをめくり、新しい章を書くことを決断しました。Microsoftで過ごした時間と、共に製品を手掛けてきた素晴らしい人たちに心から感謝しています」とXに投稿した。Bloombergによれば、パネイ氏は新たなページとしてAmazonを選び、同社でAlexaおよびハードウェア製品を統括するという。

米国の報道によると、Microsoftが米国時間の9月21日に開催するスペシャルイベントにパネイ氏は登壇しない。パネイ氏のリーダーシップが強かっただけに後任に関する人事は注目されており、報道によると最高プロダクト責任者は置かずに、モダンライフ、検索&デバイス担当のコーポレートバイスプレジデントであるユセフ・メディ(Yusuf Mehdi)氏がWindowsとSurface事業の責任を担うという。