8月23日からケルンで開催されているgamescon 2023において、AMDはRadeon RX 7700 XT及びRadeon RX 7800 XTを発表した。これに関して事前説明会の内容を元にご紹介したい。
Radeon RX 7700 XT及び7800 XTはどちらも1440P Gaming向けのGPUとなっている(Photo01)。利用しているのはNavi 32コアであり、これはNavi 31のShader Engineを4つに減らし、またMCDも3つないし4つに減らしたバージョンである。Navi 31の構成は以前こちらでまとめたが、Shader EngineあたりのCU数はNavi 31と同じようで、ただしNavi 31はShader Unitが最大4つ、CU数で言えば64になり、MCDも4つになる。ここから4CUを無効化したのがRadeon RX 7800 XT、10CUを無効化すると共にMCDも1つに減らしたのがRadeon RX 7700 XTという訳だ。
このRadeon RX 7700 XT&7800 XTは、共に1440P Gamingに向けた製品という事になっているが、1440P Gaming向けの製品は結構幅がある。今回のターゲットは、Radeon RX 5700 XTとかGeForce RTX 2070 Superあたりを利用しているユーザーのUpgrade、ということだそうで(Photo02)、まぁそういう目的であれば今回の構成も理解できる。
GeForce RTX 4070 vs Radeon RX 7800 XTの比較がこちら(Photo03)で、負けているものもあるが、同等以上の性能としても差し支えない結果だと思う。またRadeon RX 7700 XT vs GeForce RTX 4060 Tiとの比較がこちら(Photo04)で、このあたりがRadeon RX 7700 XTの仮想敵になっている模様だ。ちなみにそのメモリ回りの比較がこちら(Photo05)で、容量はともかくメモリ帯域は競合製品よりも大きい点をアピールポイントにしているのが判る。まぁこの辺に関しては、実際に製品を使って比較して見ないと何ともいえないところではあるのだが。
ソフトウェア周りで言えば、以前予告のあったFSR 3(Photo06,07)や、HYPR-RX(Photo08~10)の実装、Navi 3シリーズに搭載されたAV1エンコーダを利用してのストリーミング機能(Photo11)、ストリーミングに関係してAIを利用したノイズサプレッサーの実装(Photo12)などの特徴が挙げられている。
さて、そのRadeon RX 7700 XTと7800 XT、発売日は9月6日で公開されているのだが、価格が今時点でも不明なままである(Photo13)。どういうこっちゃ、という感じではあるのだが。ちなみに競合製品として名前の挙がっているGeForce RTX 4060 Ti/4070だが、この原稿執筆時点での米国Amazonでの最安値は
- GeForce RTX 4060 Ti 8GB :$369(https://www.amazon.com/dp/B0C8JB1X43/)
- GeForce RTX 4060 Ti 16GB:$499(https://www.amazon.com/dp/B0CBVXZDDL/)
- GeForce RTX 4070 12GB :$599(https://www.amazon.com/dp/B0BZTF7LFK/)
といったところで、ここから考えるとRadeon RX 7700 XTが$500未満、Radeon RX 7800 XTが$600未満あたりであろうか? AIBパートナー9社からは合計19製品が予定されているそうだ。
2023年8月27日追記:公式にプレスリリースが出て価格が判明した。Radeon RX 7700 XTは$449、Radeon RX 7800 XTは$499と非常に意欲的な価格である。あとは性能次第、という訳だ。ちなみに日本での販売価格はまだ判明していない。