米YouTubeは8月15日(現地時間)、「YouTube Music」アプリ(Android、iOS)で「サンプル(Samples)」という新しい音楽フィード機能の提供を開始した。TikTokを彷彿させる縦型のスクロールフィードで、短い"サンプル"バージョンの音楽を次々に楽しめる。

サンプルは利用できるようになると、新たなタブとして、ホーム、ライブラリ、探索セクションと並んでアプリの下部に表示される。タップすると、曲の雰囲気を伝える30秒程度の音楽ビデオクリップの再生が自動的に始まり、上下のスワイプで次々に前後の曲に切り替えられる。サンプルのフィードはユーザーの好みやプロフィールに基づいてパーソナライズされる。YouTube Musicは「おすすめのプレイリスト」などユーザーの発見を促す機能をすでに提供しているが、サンプルの選曲はユーザーが好きなアーティストを掘り下げたり、今まで聴いたことがないアーティストの作品を紹介するなど、未知の発見につながるようにより幅広く提供する。

再生ビューにはオーバーフローメニューが表示され、フルバージョンの再生、高く評価、再生リストへの追加、ラジオを開始、共有などを素早く行える。その曲を使って自分のショートを作成する「ショート」ボタンも用意されている。これら全てを一つのアプリで行えるのがYouTubeの利点であり、音楽ストリーミングサービスの林立で数百万曲を聴けることがサービスのアドバンテージではなくなる中で、発見、共有と交流のプラットフォームとしてサービスを強化している。

TikTokが7月にインドネシア、ブラジル、オーストラリア、メキシコ、シンガポールなど一部の国で音楽ストリーミングサービス「TikTok Music」のベータ版の提供を開始した。TikTokの大規模かつ若年層中心のユーザーベースを活かし、TikTok内でバイラルになっている楽曲のフルバージョンを再生したり、他のユーザーとの交流から新たな音楽の楽しみ方を作り出そうとしている。YouTubeは本格的な音楽サービスという異なる起点から、同じような新たな体験を目指す。「パーソナライズされるフィードは、奥深く、そして幅広いYouTube Musicライブラリを活かして、それが新進気鋭のアーティストの最新リリースでも、またはレガシーなアーティストのディープ・カットであっても、常に新しい音楽を聴けるようにします」とアピールしている。