市場調査会社・矢野経済研究所は7月25日、国内VTuber市場に関する調査結果を発表した。それによると、2023年度のVTuberの市場規模は、800億円に拡大する見込みで、この規模は同様にオタク・サブカルチャー市場と見られる「同人誌」や、「トレーディングカードゲーム(TCG)」とほぼ同等だという。これがネットで「まだまだでかくなるだろうな」「ゆっくりより見やすい」などと話題となっている。

  • 23年度のVTuber市場規模は800億円!「同人誌」「TGC」と同程度 - ネット「まだでかくなる」「バブルだろう」

    23年度の国内VTuber市場規模が800億円になる見込みで、「同人誌」や「TGC」と肩を並べるほどに

本調査は、VTuberをマネジメントする事務所/プロジェクトを運営する企業などを対象に、今年2月から6月にかけてアンケート調査などを実施した。

結果、2022年度のVTuber市場は、VTuber事務所を運営する企業の売上高ベースで前年度比167.7%の520億円に拡大したという。その売上の内訳をみると、グッズが全体の51.3%を占める267億円、ライブストリーミングが全体の26.0%を占める135億円、BtoBが全体の15.0%を占める78億円、イベントが全体の7.7%を占める40億円となっている。

  • 23年度の国内VTuberの市場規模は、800億円になる見込み(矢野経済研究所調べ)

  • 売上の半数がグッズ販売(矢野経済研究所調べ)

同社は「伸び率は落ち着いてきているものの、VTuber市場は成長を続けており、2023年度の同市場は同153.8%の800億円になる見込み」と分析している。VTuber市場と同規模のオタク・サブカルチャーとして、「同人誌」(2021年度の小売金額ベースで800億円)や「トレーディングカードゲーム」(2021年度のメーカー出荷金額ベースで792億円)が挙げられた。

また、同社は「VTuberは、アニメルックなキャラクター(アバター)で活動しているため、そのキャラクターデザインを用いたグッズ販売のほか、ゲームやアニメのキャラクターとしての作品出演などのIPライセンスビジネスの展開が見られる。また、視聴者と生の掛け合いを行ったり、演者本人の身近な出来事について語るなど、演者のオリジナリティが反映されたキャラクターは、アニメキャラクターのような魅力的な見た目を備えつつも、その人らしい『生の声』として情報を発信するインフルエンサーとして、企業とのタイアップ広告などでの活躍も期待される」としている。

2022年以降、VTuber事務所を運営するANYCOLORやカバーが相次いで東京証券取引所グロース市場に上場。また近年「VTuberの人気は海外にも広がっており、大手事務所を中心に海外ファンの獲得を進めているほか、海外でもVTuber事務所設立の動きが見られる」として、同社は「VTuberは新興コンテンツとしての地位を確立してきている」と考察した。

なお、本調査におけるVTuberは、演者(中の人)がアバターをまといロールプレイを行うことで、演者でもアバターのキャラクターでもない新たなキャラクターとして成立し、インフルエンサーとIPの特性を有するものと定義されている。なお、「IRIAM」や「REALITY」をはじめとするライブ配信アプリで活動する「ライバー」は対象外だが、AIの言語生成により活動する「AITuber(アイチューバー)」や、CV(声を担当している人物の名前)が明記されているVTuberは対象としている。

ネット上では「バブルだろうな。数年後には誰も見てなさそう」「24年は2000億円は行くよ」「まだまだ市場でかくなるだろうな。株久々にかなりぶっこんだ」「ゆっくりよりはvtuberの方が見やすい聞きやすいから見てしまう」などの声が寄せられた。