米Microsoftが7月25日(現地時間)に発表した同社2023年度第4四半期(2023年4〜6月)決算は増収増益、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回ったが、時間外取引で株価が下落した。PC市場は厳しい状況にあり、クラウド事業の成長も鈍化している。7〜9月期のガイダンスがアナリストの予想を下回った。

4〜6月期の売上高は前年同期比8%増の561億8900万ドル。純利益は同20%増の200億8100万ドルだった。1株利益は2.69ドル。市場予想は売上高498億6000万ドル、1株利益2.29ドルだった。以下は部門別の売上高。

More Personal Computing

売上高139億ドルで、前年同期比4%減だった。Windows OEMは前年同期比12%減。Surfaceを含むデバイスの売上高は前年同期比20%減だった。7〜9月期はさらに悪化する可能性があるという。

ただし、市場の縮小は緩和してきている。11日にGartnerが発表した4〜6月期の世界PC出荷台数(推定値)は前年同期比16.6%減の5965万2000台だった。下落率が前期(30%減)から鈍化し、出荷台数が最低水準に達して安定化の兆しを見せている。Microsoftの決算でも、新学年の開始(9月)に備えた早期の在庫構築によって、4〜6月期のWindows OEMの減少が緩和された。PC需要は依然として低迷したままだが、年末までにPC市場が改善に向かう可能性がある。

Xboxハードウェアを含むゲーミング事業の売上高は前年同期比1%増。Xboxハードウェアは同13%減。Xboxコンテンツ/サービスは、サードパーティのタイトルとXbox Game Passサブスクリプションの伸びから同5%増だった。ゲーミングはPCが好調であるのに対して、ゲーム機の成長が停滞している。

Productivity and Business Processes

売上高182億9000万ドルで前年同期比10%増だった。

コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高が同12%増。Office 365のコマーシャルシート数が11%増加し、売上高が同15%増だった。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同3%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は6700万人、前期から160万人の増加。

Dynamics製品およびクラウドサービスは売上高が前年同期比19%増。Dynamics 365は同26%増だった。

LinkedInの売上高は前年同期比5%増。LinkedInセッションは同12%の増加、エンゲージメントが過去最高だった。

Intelligent Cloud

売上高239億9000万ドルで前年同期比15%増。サーバー製品およびクラウドサービスは同17%増だった。Azureおよび他のクラウドサービスは同26%増。使用量ベースのサービスに対する強い需要が継続している。