「ストーム」ブランドでPCを販売するアイティーシーとMSIは7月19日、都内某所でメディア向けに内覧会を実施し、コラボモデル新発売について発表を行いました。BTOパソコンで発表会があることはやや珍しく、いぶかしみつつ参加して話を聞いたところ、確かにかなりユニークな製品に仕上がっていることがわかりました。

忙しい方向けにまとめておくと、今回発表されたのは背面に端子類を集約した特殊なマザーボードを搭載したモデル。ホワイトを基調にしたパーツでまとめ上げられ、ピラーレスケースの採用で開放感を実現。性能とデザイン性を強力に両立した製品になっていました。

  • MSIが“裏配線仕様”マザーボードをBTOパソコンで実用化! ストームから発売へ

採用されたマザーボードは「B760M PROJECT ZERO」

今回ストームブランドから展開されるBTOパソコンは、「幻界」「新界」の2モデル。いずれも白いパーツを多数搭載してクリーンな印象に仕上げられている点が特徴で、MSIパーツも数多く搭載。最近はやりの“ピラーレス”なMSI製ケース「MAG VAMPIRIC PROJECT ZERO」を採用しており、フロント~側面にわたって内部を見通せる大きな視野を確保します。光るファンや液晶搭載水冷クーラー、白いパーツをしっかりディスプレイできるというわけ。

  • 今回採用されたマザーボード「B760M PROJECT ZERO」

  • 実はCOMPUTEX 2023ですでに登場しています(筆者撮影)

  • コネクタが全部背面に! 裏面配線へと集約することで魅せます

  • 普通のケースでは配線できないので、専用ケースを採用

  • 「幻界」「新界」

COMPUTEX 2023でMSIやASUSが参考出展していた、裏配線仕様のマザーボード。自作PC用の単体販売ではケース等との相性もあってややこしいところですが、BTO PCメーカーとのコラボレーションによって製品化。裏配線仕様のマザーボードの市場投入はMSIとストームが初めてとのことです。

  • これがそのマザーボード。MicroATXサイズで、PROJECT ZEROは仮名なのかと思いきや製品名らしいです

  • 裏側。極太電源ケーブルに加え、USBやオーディオ用の内部コネクタも裏側に搭載しています

  • MicroATXながらM.2 SSDスロットは2つ搭載

会場内にあったデモ機もチェック。フロントとサイドパネルの間で天面を支えていた柱(ピラー)がなくなるだけで、こんなに中身がすっきり見えるものかと驚きました。ファンの白い輝きも相まってとてもクリーンな印象。GPUの補助電源と水冷クーラーのチューブも白く統一されており、製品としての完成度が高められています。

  • 空冷モデル。ケーブルがなく、ケース内がかなりスッキリしています

  • オーディオやUSB、ケース接続の配線も裏に回す芸の細かさ

  • 水冷モデルも。チューブをこんな風に取りまわしているところを初めて見ましたが、アルビノのヘビみたいで印象的でした

  • こっちは普通にケーブルが表面に出ているモデル。液晶ディスプレイ搭載クーラーがトレンドになっているそう

ちなみに「床置きではなくデスクに設置しても使える」とストームの担当者が話していましたが、ケースの端子が脚部に搭載されていることもあり、床置きだと逆にすこし不便かもしれません。

  • 端子が脚にある