iOSに標準装備の翻訳アプリは、iOS 16.5の時点で日本語や英語など17の言語に対応しています(イギリスとアメリカの英語、中国本土と台湾の中国語は別カウント)。テキストはもちろんマイクから入力した話し言葉も対象になるため、精度はさておき翻訳機のように使うことも可能です。

その翻訳アプリは、対象言語間を翻訳するときクラウド上のデータを活用しますが、あらかじめダウンロードしておいた言語データだけを利用して翻訳することもできます。それが「オンデバイスモード」で、前述した17の言語すべてが対応しています。

オンデバイスモードで翻訳アプリを使う最大のメリットは、インターネット接続なしでも翻訳できることです。飛行機で移動中など物理的にインターネット接続が困難なとき、通信状態が不安定なとき、モバイル通信費をできるだけ節約したいときに役立ちます。

しかし、それ以外のメリットは期待しないほうがいいでしょう。翻訳時のインターネット接続は大量のデータを送受信するわけではなく、翻訳結果を得るまでにそれほど時間はかかりません。翻訳精度はオンデバイスモードのほうが低いこともあり、通信環境に問題があるときを除けば積極的に選ぶ理由に欠けます。

それでもSiriやSafariのページ翻訳で役立ちそう...と考えてしまいそうですが、残念ながらオンデバイスモードの出番はありません。SiriとSafariはつねにオンラインで翻訳が処理されるため、言語データを事前にダウンロードしているかどうかは関係なく、翻訳アプリをオンデバイスモードにしているかどうかにさえ影響を受けません。

  • 翻訳アプリを「オンデバイスモード」で使うメリットは?