Xperi傘下のDTSは7月7日、オブジェクトオーディオ技術の「DTS:X」を導入した映画館(DTS:Xスクリーン)のうち3劇場が、相互運用可能な音声規格IABに対応したと発表。邦画作品初のIAB DCP対応作品として、スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』のDTS:X上映が決定している。

IAB(Immersive Audio Bitstream:イマーシブ・オーディオ・ビットストリーム)は、SMPTE(米国映画テレビ技術者協会)によって定められた音声規格。DTS:Xやドルビーアトモスといった、立体的な音響効果が楽しめるイマーシブサウンドシステムはシアターによって異なる仕組みが導入されているが、IABはそれらのシステムでの相互運用を可能にするとしている。

DTSは今回、日本国内の対象となるDTS:Xスクリーンに設置されているGDC製DTS:Xシネマサーバー「SX-4000」をソフトウェアアップデートすることによって、IABフォーマットで提供される映画作品のDCP(Digital Cinema Package)の上映を可能にした。

IAB DCPによる最初のDTS:X上映は、宮﨑駿監督の10年ぶりとなるスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』(7月14日劇場公開)に決定しており、イオンシネマ徳島、TOHOシネマズ熊本サクラマチ、シネマサンシャインららぽーと沼津の3劇場でDTS:X上映が行われる予定だ。

Xperiのバイスプレジデントであり、コンテンツ&ストラテジーを担当するローレン・ニールセン(Loren Nielsen)氏は「今回のIAB対応で上映できる劇場や作品が増え、映画の世界に浸って楽しめる、より多くの機会を日本の映画ファンの皆様に提供できるようになると考えており、今回のIAB対応はその重要な足掛かりとなる」とコメントしている。