ロジクールから、MXシリーズの最新モデル「MX ANYWHERE 3S」と「MX KEYS S」が6月8日に発売されました。
マウスやキーボードなどは使い慣れたものからなかなか変更しないものかもしれませんが、今回は両機種ともに人気モデルの後継機種。すでに従来モデルをお使いの方も購入を検討されているかもしれません。もちろん、新たにマウスやキーボードをお探しの人や、前モデルが気になっていたという人も注目したい製品です。
今回はそんな新製品のうち、キーボード製品「MX KEYS S」の実機をお借りして、その使い勝手をチェックしていきます!
高機能の薄型キーボードが久々のリニューアル!
MX KEYS Sは、ロジクールのフラッグシップモデルとなる「MX」シリーズの新製品。前モデル「MX KEYS」は2019年9月に発売されており、2021年にはテンキー部分を省略した「MX KEYS MINI」が登場していましたが、満を持してフルサイズのニューモデルが登場したというわけです。
基本的なスペックは前モデルに準ずるところですが、それも含めて全体を見ていきましょう。
キー配列はテンキー上部にもプログラマブルキーを備えた113キーの日本語レイアウト。パンタグラフ方式で薄型のキーを採用していることもあり、デザインとしても非常にスリムにまとまっています。
ちなみにカラーバリエーションは、グラファイトとペイルグレーの2色。デスクトップのカラーリングに揃えたり、Apple製品に合わせたりと、環境に応じて選べるのが嬉しいところ。
サイズは132.63×430.2×20.5mm。重量も810gと、前モデルと全く同一。買い替えて移行する場合でも全く違和感なく馴染むことができるでしょう。
逆に初めて手にする人はやや重め、ちょっとしたタブレットPCぐらいの重さに感じるかもしれませんが、この重さが程よく入力を安定させてくれるため、本体がズレるなど、タイピング中不安定に感じることは一切ありませんでした。
キーピッチは19mmで、キーの中央が凹んだような形状になっており、指を乗せた時にスッと定位置に馴染む感覚があります。キーのどの辺りを叩いているのかが指先から伝わりやすく、使い始めてすぐに、指を滑らせるような入力で軽快にタッチタイピングができました。
同じくパンタグラフ方式のキーボードをお使いの人や、ノートPCのキーボードをメインに使っている人であれば、なおのことスムーズに入力することができるでしょう。ちなみに筆者自身は普段からキートップの高いキーボードを愛用しているのですが、本製品は打鍵のフィーリングが柔らかすぎずに好印象でした。
自然な傾斜で腕が疲れない。おなじみEasy-Switchも
本体を裏返すと上部が膨らんだような形状になっており、これによってキーボード全体に傾斜が付いていて入力しやすくなっています。
個人的には傾斜の角度を切り替える脚などが搭載されていたら嬉しいなと思いつつも、そもそもの角度が本体の薄さに合わせた自然な傾斜になっているため、特に入力しづらいと感じることはありませんでした。
本製品は手前側がかなり薄くなっていて、パームレストなどを用意しなくても腕が疲れにくく、それこそノートPCで直接入力しているような感覚です。なお、ロジクール公式では「MXパームレスト」もラインナップされていますので、お好みに応じて選んでみるのもよいかもしれません。
ファンクションキーの右隣には、Easy-Switch機能用のキーが3つ並んでいて、登録済みの端末をスムーズに切り替えることが可能。特にキーボードはPCだけでなく、タブレットやゲーム機などに接続する人も多いでしょうから、キーボード側から気軽に切り替えができるのは良いポイントですね。
絵文字・ミュート・ディクテーションキーがうれしい
続いて本製品の新要素をチェックしていきます。まず、ファンクションキーの機能が一部変更されました。これはMX KEYS MINIの仕様を一部継承したもので、F5キーに音声入力、F6キーに絵文字、F7キーにマイクミュートがそれぞれ設定されています。
これが筆者にとっては結構ありがたかった! LINEやTwitterなどで絵文字を入力することが多く、Macだと「Control+Command+Space」で絵文字ウィンドウを表示させることができるのですが、これがまた咄嗟に打ちづらいのです……。
マイクミュートも通話アプリによってショートカットキーが異なることが多いため、ワンタッチで一律でミュートできるのもありがたい。
音声入力は他の2つと比べるとあまり使用頻度は高くないものの、音声アシスタントに慣れている人などはよく使われるのではないでしょうか。もしくは、使わないキーだけ機能を変更してしまいたいということであれば、後述する専用ユーティリティソフトが役に立つでしょう。
ほかにも、付属するUSBレシーバーが新たな独自規格「Logi Bolt」に変更されていたり、特殊キーのWindows/Macの表記分けが上下になっていたり(MX KEYS MINIと同じ仕様)と、細かな点も見直されてより使いやすくなっています。
新しいマクロ機能で文字数を調べる設定を作ってみた
そして本製品は、同社のPC向けユーティリティ「Logi Options+」に対応。前モデル同様のカスタマイズ性に加え、バックライトの点灯時間や光量が調整できるようになったほか、新たに追加された自由度の高いマクロ機能「Smart Actions」を設定可能になりました。
さっそく、「文字数カウント」というSmart Actionsを作成してみます。なお、今回は検証にMac版を使用しました。
個人的に使用頻度が低そうな「調べる」キーをトリガーに設定し、「アプリケーションを開く(Safari)」「新しいブラウザタブ」「URLを入力」「Returnキーを入力」するというもの。これにより、どんな状況でも1ボタンで指定したWebサイトを表示させることができます。
今回は、日本で最も文字数をカウントされていると評判のページ「文字数カウント」をチョイス。もちろん、入力するURLを変更すれば好きなWebサイトを設定することも可能です。ブックマークから選ぶよりもスピーディなので、文字入力と相性のよい機能なら作業も効率化しそうです。
(……もっとも、文字数くらいカウントできるテキストエディタを選べという話なのですが……。文字数カウント、文字書きの皆さんなら一度は使ったことがあるのではないでしょうか……。)
それはさておき、Smart Actionsには豊富なプリセットも用意されています。その中から好きなものを保存し、一部だけ作り替えて使うこともできます。たとえば、Spotifyを再生するSmart Actionsを保存し、自分が使っているApple Music用に内容を書き換える、なんて使い方もOKです。
以上、MX KEYS Sのご紹介でした。筆者はハイエンドキーボードといえばやはりメカニカル派(もしくはREALFORCEなどの静電容量無接点方式)なのですが、友人などに話を聞いてみると、「薄型のパンタグラフ方式のほうが使いやすい」という声も意外と多い印象があります。
なお、Logi Options+ではSmart Actions機能だけでなく、シンプルに別の機能を当てはめることも可能。「マクロほど複雑な機能は要らないけど、この機能は使わないから変えたいな」という時にも気軽に編集することができます。
MX KEYS SとLogi Options+を組み合わせると、17個ものキーをカスタマイズできるので、ぜひ自分だけの使いやすい1台を目指してみてください。