アドビは6月8日、ロンドンで開催されているカンファレンス「Adobe Summit EMEA 2023」において、ジェネレーティブAIを搭載した「Adobe Firefly」を企業向けに提供することを発表した。提供開始は2023年下半期を予定している。

  • 「Adobe Firefly」Webサイト

Adobe Firefly エンタープライズ版は、急増するデジタルコンテンツ需要やその展開規模に企業が対応し、コストを抑えながらコンテンツ制作を簡素化・加速できるように設計。スキルのレベルを問わず、すべての従業員がAdobe Fireflyでブランディングに沿ったコンテンツを生成し、Adobe ExpressやAdobe Creative Cloudで編集できるようになるとのこと。

「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Express」、「Adobe Experience Manager」を使う企業ユーザーが対象。Adobe Express経由で提供されるテンプレート、フォント、ストック画像、動画、音楽などのコレクションからインスピレーションを得ながら、自社ビジネスにあったコンテンツを作成できる。

Adobe Fireflyの初代のモデルは、Adobe Stockの画像やオープンライセンスコンテンツ、その他著作権が失効したパブリックドメインコンテンツでトレーニングしており、他のクリエイターやブランドの知的財産(IP)をもとにしたコンテンツを生成しないことも保証するほか、利用者はアドビから知的財産(IP)の補償を受けられる。また、生成AIが使われた履歴を示す「コンテンツクレデンシャル」タグを自動付与する。こうした背景から、アドビはFireflyを「安全に商業利用できるジェネレーティブAI」としている。

今後、Firefly エンタープライズ版を利用する企業は、自社のブランド資産でAdobe Fireflyをカスタムトレーニングし、自身のエコシステムに組み込むことが可能になる。また、APIを使ってブランド独自のスタイルやブランド言語でコンテンツを生成し、自動化を推進することも可能となる。