アドビは4月21日、ジェネレーティブ(生成)AIモデル「Adobe Firefly」ベータ版に、新機能「Recolor Vectors(ベクターアートの再配色)」 を追加した。

  • 「Recolor Vectors(ベクターアートの再配色)」

Fireflyは、2023年3月に発表された、画像生成機能およびテキストエフェクトを中心としたジェネレーティブAIモデル。

将来的にはAdobe Creative Cloudほか各種アプリに統合される予定だが、現在はベータ版として、「文章入力による画像生成」と「テキストエフェクト(文字装飾)の生成」の2つを提供中。今回発表された「ベクターアートの再配色」は発表時にも予告されていた、3つ目の機能といえる。

主に「Adobe Illustrator」で用いられるベクターアートは、拡大縮小しても劣化しないため、ロゴやイラストに用いられる。ベクターアートの再配色では、次のような操作が行える。

  • 詳細なテキストを入力することにより、色やカラーパレットのバリエーションを瞬時に生成
  • 「salmon sushi(サーモンの寿司)」 と文章で指示をすると、サーモンに似たカラーリングを複数提示

  • 生成画像の上にカーソルをあわせると、カラーのシャッフル変更ボタンや、結果に満足しているか不満かをレーティングできるボタン、ダウンロードボタンなどを表示

  • ドロップダウンメニューから、クリエイティブのニーズに合ったさまざまなベクタースタイルを生成
  • 思い描いたイメージを具体化するカラーオプションを瞬時にいくつも生成できるので、クリエイティブのサポートやインスピレーションを得られる

ベクターアートの再配色では、サンプルとなるSVGファイルを選んだあとに文章入力すると、サンプル画像を文章指示にあわせてカラーリング変更したバリエーションを4種類生成。生成した後、ユーザーが一部をより好みのカラーに置き換えたり、生成結果を評価することもできる。

ベクターアートの再配色機能を活用すると、異なるレイアウトのベクター画像やカラーバリエーションの作成が瞬時に行えるため、これまで時間がかかっていた作業をスピードアップできるとしている。

生成AIを搭載した一連のベクター機能は、最終的にIllustratorに統合予定。ユーザーがワークフローの中で使えるようにすることを計画している。

なお、Fireflyベータ版(英語)は登録制。意見交換の場としてDiscord(英語)も用意されている。