Streacomは、完全ファンレスを実現するというゲーミングケース「SG10」を展示していた。製品を見てまず目をひくのは、上にズドンと乗った巨大なヒートシンク。これでCPUもGPUもファンレスで冷却し、非常に静音性の高いハイエンドのゲーミングPCを実現できる。今年Q4の発売予定で、価格は1,000ドル程度になる見込みだ。
上部にあるヒートシンクはアルミ製で、内部に銅製のヒートパイプが通っているという。そのサイズはとにかく巨大で、メジャーで実測してみたところ、厚さはなんと11cm。長さは47cmくらい、幅は25cmくらいあった。ケース内では、マザーボードは左側、グラフィックスカードは右側に格納し、それぞれ斜めに設置される。
この手のファンレスケースだと、ヒートパイプの都合でCPUソケットの位置がほぼ固定されてしまい、マザーボードの互換性に制約のある場合が多かったが、この製品では、フレキシブルなヒートパイプを採用。CPUブロックの位置をかなり自由に動かすことができるので、ほとんどのマザーボードに対応できるだろう。
この製品が面白いのは、ループヒートパイプの技術を採用していることだ。CPUは液体で冷却し、熱によって気化。気体の状態でヒートシンクに流れ、熱交換によってそこで再び液体となり、CPUの方へ向かう。よく見ると、CPUブロックに繋がる2本のヒートパイプの太さが違う。細い方が液体、太い方が気体というわけだ。
冷却性能は、CPUは250W、GPUは350Wだという。CPUもGPUも同じ冷却方式なのだが、この違いは接触方式によるという。GPUはダイと直接接触しているため、冷却効率が高い。CPUも、ヒートスプレッダを外すと、GPUと同じ350Wになるそうだ。
ブースのデモ機は、CPUがCore i9-13900K、GPUがGeForce RTX 4080というハイエンド構成。ベンチマークソフトがフル稼働していたが、GPU温度は60℃以下を維持していた。CPU温度は100℃くらいとやや高かったが、これは前述の理由によるものだろう。
試しにヒートシンクを触ってみたところ、熱いには熱いが、触れないほどでは無かった。放熱性能的には、まだもう少し余裕がある感じかもしれない。