海外メーカーのハイエンドスマートフォンのカメラ性能は世界各国で高い評価を受けています。しかしシャープが発表した「AQUOS R8 pro」は日本国内で最高クラスのカメラを搭載しているだけではなく、その性能は海外メーカーの上位モデルと互角に戦える高い性能を誇ります。シャオミやOPPOなど海外で上位を争うカメラフォンにも負けない、日本の誇るスマートフォンと呼べそうです。

  • シャープのAQUOS R8 pro

AQUOS R8 proの基本スペックはチップセットがSnapdragon 8 Gen 2、ディスプレイは6.6インチ、2,730×1,260ピクセルの高解像度で10億色の表示に対応します。リフレッシュレートは240Hzと高速で、表示内容によって1Hzからの可変が可能。ブルーライトカット性能も強化されており目にやさしい表示が可能です。バッテリーは5,000mAhと標準的な容量です。

  • 基本性能は十分高い

海外で販売されているハイクラスなカメラフォンは日本にはなかなか投入されていません。海外、特に中国メーカーの製品を見ると、シャオミの「Xiaomi 13 Ultra」、OPPOの「Find X6 pro」、vivoの「X90 pro+」、HONORの「HONOR Magic5 pro」、ファーウェイ「P60 pro」などカメラを強化したモデルが多数販売されています。カメラ性能をスコア化しているDXOmarkによると、世界のスマートフォンのカメラ性能は1位がP60 pro、2位Find X6 pro、3位HONOR Magic5 proの順。iPhone 14 pro Maxが7位ですから、中国メーカーのカメラ性能は非常に高いのです。しかしAQUOS R8 proはそれら海外メーカーの上位モデルに負けない性能を持っていると感じます。

  • カメラ性能は海外メーカーの上位モデルに負けない

AQUOS R8 proのカメラは前モデルのAQUOS R7と同じ1インチのセンサーを採用、f/1.9と明るく19mmという超広角のSUMMICRONレンズを搭載しています。1インチセンサーは前述したシャオミやOPPO、vivoなどが採用しており、今やハイエンドカメラフォンの標準装備ともいえます。AQUOS R8 proはそれに加えて14chスペクトルセンサーを搭載。これは600種類以上の光源を判定するもので、室内から屋外まであらゆるシーンで最適なホワイトバランスを設定してくれます。AIも強化され食事もスイーツをよりおいしそうに撮影できるとのこと。さらにオートフォーカスは犬とネコの瞳も追従するので動きの速いペットもブレずに撮れ、毛並みを美しく撮影するポートレート機能も向上しています。単純にカメラのスペックだけを引き上げるのではなく、実際に被写体を撮影したときの性能を高めているわけです。

  • 1インチセンサーを搭載、様々な撮影シーンでも美しく撮れる

またカメラを使っていると本体の発熱によりカメラアプリが強制的に止まってしまうことがあります。AQUOS R8 proはレンズを本体背面中央に配置しデジタルカメラのようなデザインにしていますが、カメラを囲む円形の台座をデザインとしてだけではなく放熱にも利用できる設計にしているのです。これは他のメーカーにはないシャープならではの設計と言えそうです。

  • カメラ周りのデザインは放熱も考えた設計になっている

AQUOS R8 proの発表会で実際にいくつか写真を撮影してみましたが、被写体に合わせたAI処理は写真の仕上がりが美しく、屋外に出て本格的な作品撮影をしてみたいと感じさせてくれました。チップセットの性能が高いのでカメラを使っていてストレスを感じることもありません。高倍率な望遠はないものの、1インチセンサーで高精細な写真が撮れるため後から写真の一部を拡大して切りとっても十分な画質が得られます。

  • 1インチセンサーとAI処理により撮影シーンを選ばず美しい写真が撮れる

さてAQUOS R8 proの他のスマートフォンには無い機能として、デジタルカメラのようにフィルターなどを取り付けできるサードパーティー製のケースが販売されます。エレコムのカバーには52mmのフィルターを取り付け可能。LooCoのカバーはマグネット式のマウンターを取り付けることで、49mmのフィルターを装着できます。スマートフォンにケンコーやマルミなどカメラ用のフィルターを付けることで、凝った写真撮影も可能になります。

  • エレコムとLooCoのカバー。フィルターを取り付けできる

本体は黒1色のみ。写真を撮り忘れてしまいましたが、本体上部には3.5mmオーディオ端子もあるので市販のヘッドホンが使えるのは便利だと思います。外出先で動画撮影時の音声のモニタリング用にヘッドホンを忘れたときでも、100円ショップで手軽に購入して使うことができるわけです。その他、本体下部にはSIMカードスロットを備え、eSIMにも対応しています。

  • ヘッドホンも使えるのは便利だ

AQUOS R8 proはドコモとソフトバンクから販売されます。日本の消費者にとってはごくごく普通の販売方法でしょうが、これだけ優れたカメラを搭載するモデルだけに、海外でもぜひ販売してほしいと感じられました。カメラ指標を行うDXOmarkにもAQUOS R8 proのカメラを評価してほしいものです。

  • 日本だけで販売するのは勿体ない製品だ

シャープは他にもカメラ性能を引き下げたリーズナブルなカメラモデル「AQUOS R8」、環境に優しいミドルレンジ「AQUOS wish3」も発表しています。明確にターゲットを絞った3つの新製品の登場で、AQUOSシリーズは充実したラインナップを揃えることになります。3製品の発売を楽しみに待ちたいものです。

  • AQUOS wish3、AQUOS R8と合わせた3モデルが発表された