Googleは、充電スピーカーホルダーと組み合わせて使うAndroidタブレット「Pixel Tablet」を、開発者向けイベント「Google I/O 2023」で正式発表した。日本でも5月11日からGoogleストアやECサイト、量販店などで予約を受け付け、6月20日から販売開始する。

価格は、本体と充電スピーカーホルダーのセットが79,800円(128GBストレージ)または92,800円(256GBストレージ)。充電スピーカーホルダー単体では17,800円で、本体用ケースも12,800円で用意される。

2023年5月11日~6月19日までの期間にPixel TabletをGoogleストアで予約購入すると、次回以降の買い物に使えるGoogleストアクレジット13,000円分をプレゼントする発売キャンペーンも実施する。

  • Pixel Tablet。タブレットと充電スピーカーホルダーが着脱できる

Pixel Tabletは、10.95インチ液晶ディスプレイを搭載した、Google Pixelシリーズ初のAndroidタブレット。2022年5月の「Google I/O 2022」で開発が予告されていた製品で、同年10月に開催された新製品発表イベント「Made by Google '22」でも概要が紹介されていた。

今回正式発表されたPixel Tabletの概要は以下の通り。

  • OS: Android
  • CPU: Google Tensor G2
  • 内蔵メモリ: 8GB
  • ストレージ: 128GB/256GB
  • 外部ストレージ: ―
  • ディスプレイ: 10.95 インチ LCDディスプレイ(2,560×1,600ドット)
  • バッテリ容量: 27Wh(最大12時間の動画ストリーミング)
  • 前面カメラ: 8MP
  • 背面カメラ: 8MP
  • センサー: 周囲光センサー、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、ホールセンサー
  • スピーカー: クアッドスピーカー
  • 通信機能: Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 ※携帯通信はなし
  • 本体サイズ: W258×H169×D8.1mm
  • 重さ: 493g
  • カラー: Porcelain、Hazel
  • 充電スピーカーホルダーと組み合わせたPixel Tablet。カラーはPorcelain

  • こちらはHazelカラー

Pixel TabletはTensor G2搭載、アプリは大画面に最適化

「家で1日使えるタブレット」を目指して開発されており、利用シーンはNest Hubシリーズと近い位置付けだが、マグネットで着脱できる専用の充電スピーカーホルダーと組み合わせて使う点、Nest Hubシリーズより高性能な点が大きな特徴だ。

価格もNest Hubシリーズ(例えばNest Hub Maxは28,050円)より高額となっている。また家での利用が前提のため、Wi-Fiモデルのみ用意される。

  • 家の中で使うことを想定したPixel Tablet

Pixel Tablet本体フレームは、独自のナノセラミックコーティングを施したアルミ製。サイズはW258×H169×D8.1mm、重さは493gで、2,560×1,600ドット解像度の10.95インチ液晶を採用している。アスペクト比は16:10で、輝度は500ニト。画面はUSI 2.0規格のタッチペンに対応する。

プロセッサには、Pixel 7/7 Proと同じGoogle Tensor G2(およびTitan M2セキュリティコプロセッサ)を内蔵。メモリは8GB LPDDR5、ストレージは128GBまたは256GB。認証は、電源ボタン兼用の指紋認証センサーのほか、パターンやPIN、パスワードを利用できる。

OSはスマートフォンなどと同じAndroidだが、Disney+、Spotify、Google TVといった対応アプリを大画面向けに最適化したほか、インタフェースも大画面向けに改善したという。このほか、タブレットとしてChromecastを初めて内蔵し(Chromecast built-in)、スマホからコンテンツのキャストが可能。また、最低5年間のセキュリティアップデートを保証する。

  • 標準のインタフェース。背景画像は多くのバリエーションが用意されている

カメラは前面・背面とも8MP。消しゴムマジックも利用可能

カメラは前面・背面ともに8MP(f/2.0、固定フォーカス、画角84度)で、消しゴムマジックやボケ補正、夜景モードといった撮影機能を用意する。動画は1080p撮影(30fps)をサポート。Pixel 7シリーズにあるマクロフォーカスやシネマティックぼかしといったカメラ機能の一部や、10bit HDR動画などの機能は搭載しない。主なカメラ機能は下記の通り。

  • 消しゴムマジック
  • ボケ補正
  • 長時間露光
  • パノラマ
  • 手動によるホワイトバランス調整
  • ロックされたフォルダ
  • 夜景モード
  • トップショット
  • ポートレートモード(前面カメラのみ)
  • ポートレートライト
  • モーションオートフォーカス
  • よく撮影する人
  • Live HDR+
  • ガイド付き自撮り
  • Google Meetの画面イメージ。被写体が移動しても追いかける機能なども搭載

マイクは通話、録音、Google アシスタント用の3基搭載。明るさの自動調整や、被写体が移動してもフレームインするオートフレーミング機能なども搭載し、ビデオ通話にも適する。本体内蔵のスピーカーはクアッド仕様。

センサーは周囲光センサー、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、ホールセンサーを搭載。GPSは内蔵しない。本体のバッテリー容量は27Whで、最大12時間の動画ストリーミングを再生できる。

搭載ボタンは電源ボタン(指紋センサー兼用)、音量調節ボタンで、有線インタフェースはUSB Type-C 3.2 Gen 1。無線通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5.2に対応。カラーはPorcelainとHazelの2色で、「住宅に馴染む色を意識した」とする。

サウンドを強化する「充電スピーカーホルダー」とは

同梱の充電スピーカーホルダーは、Pixel Tabletの充電器の役割を担うほか、専用のスピーカーとしても利用できる。ただし「あくまで充電器」であり、スピーカー機能はPixel Tabletを接続しているときのみ利用可能(他のタブレットやスマートフォンなどから音を鳴らす事はできない)。

  • 充電スピーカーホルダーも2色を用意し、本体とセットで販売される。磁気式の4ピンコネクタでタブレット本体と接続

Pixel Tabletとの接続は磁気式の4ピンコネクタで、このコネクタで充電や音声出力をまかなう。Pixel Tabletドッキング時の機能としては、Google フォトアプリを使ったデジタルフォトフレームや、対応家電のオンオフといったホームコントロール機能などがある。

搭載スピーカーは43.5mmフルレンジスピーカー。Pixel Tablet単体より4倍大きい低音を楽しめるという。対応オーディオフォーマットはAAC、MP3、FLAC、LDACなど。

最大充電速度は15W。バッテリー寿命に配慮し、標準では100%充電されず、90%上限になっているという(100%充電の設定への変更も可能)。

  • Pixel Tabletの専用ケースは、角度調整やフックへの引掛けが可能。ケースを装着したまま、充電スピーカーホルダーに接続できる