Google Japanから、日本国内でも「Google Play Games」ベータ版の提供を開始する旨の発表があった。Android向けのゲームをWindows 11上で動かすというものだ。2022年の米国本社発表は何となく目にしていたはずだが、いかんせんスマホゲームにはそれほど関心を持たず、そのまま見過ごしていた。

一方で、WSA(Windows Subsystem for Android)はシステムレベルのエミュレーションということで強い関心がわいてきた。WSL(Windows Subsystem for Linux)に類似した仕組みと独自のサブシステムを用意して、アプリの快適性を高めるアプローチは、CPU頼りの力業で各OSを再現してきたQEMUとは異なる(筆者のQEMU知識はバージョン7.xまでのため、認識不足があれば申し訳ない)。

  • Windows 11 バージョン22H2(ビルド22621)によるWSAの設定アプリ

WSA自身と周辺環境が劇的に進化しなくても、Microsoftらしく着々と改良を重ね、ビジネス的に優位性があると判断すれば、開発は継続されるはずだ。周りも牽引されるように、Android向けのゲームやアプリがWindows上で動作することも期待できるだろう。

ただ、MicrosoftとGoogleではプラットフォームが大きく異なる。Windowsのアプリストア(Amazon Appstore)とGoogle Play Gamesからアクセス可能なアプリストアを並べてみると、スマホゲームの数は段違いである。

  • Google Play Gamesのアプリストアは、画面右端のスクロールバーが示すとおり選択肢が多い

WSAのアプリストアが参照するAmazon Appstoreは、Google Playの代替的存在(だと筆者は認識している)。AndroidベースのGoogle Playから取捨選択しつつ、開発者に独自契約を求めているらしい。

一方のGoogle Playは、Androidベースのアプリストアとして存在感を示していることは改めて述べるまでもない。今回のGoogle Play GamesはGoogle Playで人気かつWindows 11でも問題なく動作するスマホゲームを選択しているようだが、地力の違いだろうか。前述のようにタイトル数の差が生じている。

  • ベータ版だからか、Google Play Gamesのタイトルに関するアンケート回答もうながされる

WindowsのPCゲーム環境は昔からひとクセあり、当時の筆者はMS-DOS環境でPCゲームを楽しんでから、config.sysとautoexec.batを切り替える設定でWindows 3.1を起動していたものだ。そのうちWinGと呼ばれるゲームライブラリーが登場し、後のDirectXに続くのだが、スムーズにPCゲームを楽しめるようになったのはDirect3Dが安定してきたWindows 98以降だろうか。

本来であれば、強固なアプリおよびPCゲームのプラットフォームに成長する可能性を持っていたMicrosoft Storeも、かなり厳しい。アプリは各個にサブスクリプションシステムを導入し、PCゲームはSteamの独占状態。そこで今回のGoogle Play Gamesを考えてみると、Googleが市場拡大を目指し、Microsoftが別プラットフォームの取り込みを目指すのは当然の流れだ。

  • ゲームタイトルプレイ中のプロセス動向。システム負荷から考えると「コンソールウィンドウ」と呼ばれるcrosvm.exe上で動作しているようだ

日ごろAndroidデバイスを使っているユーザーなら、Windows 11で動作するGoogle Play Gamesは気になる存在になるだろう。ぜひ一度は試してほしい。

筆者も使用頻度は低いもののAndroidユーザーなので(メインはiPhoneだ)、Windows 11環境にGoogle Play Gamesベータ版をインストールしてみた。Google Play Gamesの終了時もService.exeと呼ばれる本体がシステムに常駐するの点は気になったが、しばらく様子を見ることにした。

ここからは「おっさんのたわ言」と聞き流していただくとして、新作ゲームへの嗅覚と関心も衰え、オールドゲームをプレイできれば十分と思い始めた筆者にとって、WSA経由のAmazon AppstoreもGoogle Play Gamesのアプリストアも魅力的に映らない。スマホ向けのゲームをPCのディスプレイでプレイすると画面が大きく見やすかったり、またiPhoneしか持たないユーザーでもAndroid向けゲームを楽しめたり、といったメリットはわかるのだが……。