アドビは4月19日、「ノイズ除去」や「トーンカーブ」などの新しいAI技術を搭載した「Adobe Lightroom」(デスクトップ版、Classic、モバイル版、Web版)の新バージョンを提供開始した。

  • ワンクリックで画像に含まれるノイズをほぼすべて取り除くことが可能な「ノイズ除去」(左:使用前、右:使用後)

Lightroomに、AIにより画像からディテールを失うことなくデジタルノイズを除去する「ノイズ除去」を搭載。たとえばビーチで夕日の撮影、夜の街でスナップ写真撮影、誕生日パーティーでキャンドルで照らされた人物を撮影するときなど、低照度下で高ISOファイルを扱う場合に特に役立つとしている。現在はRAWファイルでのみ対応し、近日中に他のファイルタイプでも使えるようになる予定だ。

マスクでトーンカーブを使うことで画像のコントラストやトーン、カラーの調整にも対応。画像の特定部分に対して精密な編集が行えるAI搭載の「トーンカーブ」機能も追加された。

  • 選択領域のトーンカーブを調整したり、変更したい部分にのみ重点的にカ ラーエフェクトを適用したりできる

さらに、2022年10月のAdobe MAXで発表されたAIマスク機能「被写体を選択」が進化。今回のアップデートにより、ポートレートにおいて個人またはグループのマスクを自動作成するとき、カテゴリーとして「服」や「ひげ」を指定できるようになった。シャツなどの衣服の領域だけを選択して色味を変更したり、ヒゲの部分を選んで質感を調整したりできる。

  • AI マスク機能「被写体を選択」に新カテゴリー「服」「ひげ」を追加

2022年から提供を開始したアダプティブプリセットに関しては、「ポートレート」アダプティブプリセットを拡充。人物の肌を滑らかにして顔の特徴を洗練させる「洗練されたポートレート」、写真の人物の髭を濃くする「ひげを濃く」、コントラスト、彩度、質感を高め、服のディテールを際立たせる「衣服を強調」のほか、「強調」「グラマー」「歯を白く」「髪の質感」といった新しいアダプティブプリセットが追加された。

  • ワンクリックでポートレート全体を強調したり「洗練されたポートレート」 や「ひげを濃く」などを追加可能(左:適用前、右:適用後)

さらに、2022年にAdobe Lightroomに追加されたビデオ機能では、ワンクリックでビデオを白黒に変換する機能を追加した。

Lightroom デスクトップ版とモバイル版にある「被写体を選択」「空」「背景」の各AIマスク機能が、Web版でも使えるようになった。前述した「歯を白くする」「グラマー」などのアダプティブプリセットもすべてWeb版で利用できる。また、新たに18種類のプレミアム「トラベル」プリセットを収録している。

  • ビデオの白黒化

そのほか、Lightroom Mac/Windows版では編集設定のコピー&ペーストがより簡単に。Lightroom iOS版では、フレームやボーダーを付けて写真を書き出す機能が追加された。

なお、Lightroomデスクトップ版の最新バージョンは4月19日から提供を開始しており、「Adobe Creative Cloud」デスクトップアプリからダウンロードできる。Lightroomモバイル版のアップデートは同日より全世界で順次展開し、Apple App Store、Galaxy Store、Google Play Storeでダウンロードが行える。

 

Lightroom 2023年4月の新機能 紹介動画(英語)(