スマートフォン(携帯電話)の平均的な買い替えスパン(平均使用年数)は4.4年で、買い替え理由は「上位機種への移行」といった積極的な理由が減り、「故障したから」という消極的な理由が最多になった――。このような消費動向調査を内閣府が発表しました。

  • スマホが故障していなくても機能やデザインで魅力を感じる新機種が出たから買い替えたい、という人がじわじわ減りつつある。スマホの高性能化が進んだことや、値引き制限の導入が要因とみられる

内閣府が月次で発表している消費動向調査。最新の2023年3月分調査で主要耐久消費財の買い替え状況(2名以上の世帯)を見ると、携帯電話の平均使用年数は4.4年となっていました。肌感覚で「3~4年で買い替えるかな」と感じている人が多いと思いますが、平均するともう少し長い実態が分かりました。

過去の統計を見ると、20年前(2003年3月)の平均使用年数は2.2年でした。しかし、年を追うごとに長期化が進み、2009年には3年を超え、2017年には4年を超えました。2019年に施行された改正電気通信事業法で、端末と回線契約をセットにした端末値引きの上限が2万円に制限されたことを受け、翌2020年3月には4.9年まで達しました。この2~3年、一部の販売店で「一括1円」などの販売が実施されて購入意欲を刺激したことを受けてか、いくぶん短縮化されました。

買い替えの理由については、かつては「上位機種への移行」が「故障」を上回ることが多かったものの、今回の調査では故障を理由にした買い替えが増加。「故障はしていないが、性能のよいスマホが欲しかったから買い替えた」という人は着実に減っているようです。