ここ数年、「一人用鍋」としても使える電気ケトルが少しずつ増えています。複数のメーカーが発売していますが、最初にこのスタイルを確立したのはシロカが2019年に発売した「おりょうりケトル ちょいなべ」です。そんなシロカが、メディア向けにちょいなべのイベントを開催し、ちょいなべを使った多彩なフォンデュを提案。現在のモデルが2代目となるちょいなべの特徴と、イベントで試食したちょいなべフォンデュを紹介します。

  • シロカが提案する「フォンデュ鍋」としての使い方。イベントでは5種類のフォンデュが提供されました

  • コンパクトな鍋としても、電気ケトルとしても使える「おりょうりケトル ちょいなべ」の最上位モデル(SK-M251

初代ちょいなべからの進化点は?

2019年初頭に発売となった初代ちょいなべ、2020年11月には便利な機能を追加した「SK-M251」へと進化。現在はSK-M251から一部の機能を省いてコストダウンを図ったSK-M153も発売しています。パッ見は同じような形状なので、ちょいなべを購入するときは気を付けてください。

  • 会場には歴代のちょいなべがズラっと。左手前から、初代モデル、SK-M153のホワイトとブラック、SK-M251のホワイトとブラック。一見すると同じ形に見えますが……

新旧モデルの違いはまず「フタ」。旧モデルはフタのハンドル部分にロック機構があり、フタを外すときにロックを解除する必要がありました。新モデルはこのロック機能をなくし、フタの開け閉めを簡単にしています。さらに、フタの注ぎ口に当たる部分に網状のパーツを配置することで、麺の湯切りができるようになりました。

  • 新旧のフタを比較。旧モデル(写真左)のフタは、ハンドル中央にロック機構があります。新モデル(写真右)のフタは、網状の湯切りパーツを設けているのも特徴的ですね

  • 新モデルのフタを鍋にセットすると、注ぎ口が網状のパーツで覆われます。麺の湯切りなどにとっても便利

  • フタの裏側も進化しています。旧モデル(写真左)のフタと比較して、新モデル(写真右)のフタはネジ頭がなくツルンとした形状。フタ裏をお皿として使えるように、汁がこぼれにくい「すり鉢」形状になりました

SK-M251で最大の特徴といえるのは、「ケトル・なべモード」切り替えスイッチの搭載です。旧モデルは、お湯が沸騰した後も継続して鍋を加熱していましたが、新モデルはスイッチを「ケトルモード」にすれば沸騰後に自動的にスイッチをオフ。「なべモード」にすれば、継続して加熱し続けることも可能です。

  • SK-M251の操作部右側に追加された「ケトル・なべモード」切り替えスイッチ。このスイッチ機能を省いて価格を抑えたSK-M153もあります

  • 新旧モデルでは鍋の内側もちょっと違います。旧モデル(写真左)は鍋にフッ素加工をしていましたが、新モデル(写真右)は剥げにくいセラミック加工。新モデルのほうがツヤツヤした表面ですね

食事もスイーツも……フォンデュなら大勢で楽しめる

今回のイベントでは、ちょいなべを使ったフォンデュを体験。フォンデュはフランス語で「溶ける・溶かす」という意味で、鍋の中で溶かしたソースに具を浸して食べる料理です。トロトロのチーズを使った「チーズフォンデュ」が有名ですが、今回はシロカオススメのフォンデュが5種類も用意されました。

ちなみに、ちょいなべの料理でフォンデュがオススメなのは、温度切り替えがあるため。チーズは種類によって融点が異なりますが、多くのチーズは60℃前後、チョコなら30℃強で溶け始めます。ちょいなべの温度設定は40℃/60℃/80℃/100℃ということで、食材が煮詰まらずトロトロに溶ける最適な温度をキープできるのです。

  • たくさんの具から気に入ったものを選んで、合いそうなフォンデュにディップして食べるだけ。具を選ぶところからワクワクします

  • ちょいなべフォンデュに向かうマイナビニュース +Digitalの林編集長。目の前にあるのは、豆乳に味噌とみりんなどで味付けして、片栗粉でとろみをつけた「みそフォンデュ」。和食にフォンデュというのは意外ですが、今回は5種類のなかでこの味噌フォンデュが一番人気でした

実際にフォンデュを体験してみると、ちょいなべが「フォンデュ向き」ということがよくわかります。まず、鍋の口が広いので具をディップしやすく、さらに浅型なのでソースが少なくてもしっかりと具全体にからめられます。

フォンデュはチーズやチョコなどさまざまなタイプがありますが、自宅で作る場合はソースが余るともったいないため少量で作りたいというニーズはあるはず。ソースが少ししか残っていない場合でも、ちょいなべは具を浸しやすい形状なのです。

  • 砕いたナッツを入れたチョコフォンデュ。写真ではチョコがたっぷりあるように見えますが、実際の1cmほどの深さ

  • バームクーヘンと団子、マシュマロを串刺しにしたものをディップしてみたところ、鍋口が広いので串を寝かせて全体にチョコを纏(まと)えました

会場ではこのほか、欧風カレーにとろけるチーズを混ぜて作った「チーズカレーフォンデュ」、トマトソースにコチュジャンやニンニクなどを牛乳でのばした「韓国風ロゼクリームフォンデュ」、抹茶とホワイトチョコで作った「抹茶ホワイトチョコフォンデュ」など、バリエーション豊かなフォンデュを用意。ひとくちに「フォンデュ」といっても、いろいろな味を楽しめますね。

  • 安定度抜群のカレー。想像通りの味ですが、パンでも野菜でも好相性で美味しく食べられます

  • 抹茶ホワイトチョコは鮮やかな緑色が目を引きます。抹茶スイーツが好きなら一度は試して欲しい味

  • ガツンとした味の韓国風ロゼクリームフォンデュは、お肉にピッタリの味。辛い系が好きな人は唐辛子をプラスしてもよさそう。味変を楽しめるのもフォンデュの面白さです

ちょいなべというと「一人鍋を楽しむ」「袋麺を作って鍋のまま食べられる」など、一人暮らし向きの家電というイメージでした。ですがフォンデュにすれば、複数人でも1台のちょいなべを囲んでワイワイと楽しめそうです(量的には最大で4人~6人でしょうか)。

今回、筆者は1時間半ほどイベントを楽しんだのですが、低温で加熱しているからか後半になってもソースが煮詰まっていないの点も好印象でした。ラーメンや鍋など一人の食事用にちょいなべを検討している人、またはすでに愛用している人も、ちょいなべフォンデュを知ると使いこなしの幅が広がりますよ。