新しいことをはじめたくなる春。楽器を弾いてみてはいかがでしょう。これから楽器を始める人にぴったりな電子楽器がアイワから登場しました。コードやタブ譜を読めなくても、ギターを演奏できる「aiwa play RX01」です。

  • aiwa play RX01

5分くらい練習すれば、すぐに弾き語りができちゃいます。メディア向けセミナーに参加したので紹介します。

「aiwa play RX01」の外観チェック。どうやって演奏する?

「aiwa play RX01」は、簡単に言うとボタンを押して音色を変え、パッドをたたいたりはじいたりすると音が出る電子楽器です。コードを番号に置き換えて演奏します。発売は3月15日、直販サイト「aiwaダイレクト」では37,800円で販売しています。

本体サイズは約420×210×50mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約660g。スピーカーを内蔵し、3.5mmステレオミニのイヤホン端子やUSB Type-C端子を備えています。充電時間は約8時間で、動作時間は約10時間です。

  • ギターのような厚さはなく、薄めなので持つときに最初安定せず戸惑いました

  • 付属のストラップ。これを使うと持ちやすくなりそうです

  • イヤホン端子が本体側面にあるので、自宅で気兼ねなく練習できそうです

  • アンプにも接続できるので、人前で演奏する時には大きな音が出せます

見た目からギターのようなスタイルで演奏しようと思ったのですが、ディスプレイが上からだと見にくいので、テーブルの上に置いて演奏してみました。

本機を演奏するときは、コードを番号に置き換えた楽譜を使います。「楽器.me」や「U-フレット」などのコード譜サイトで楽譜を探して、ブラウザ拡張機能の「KANTANコード」を使ってコードを数字に置き換えれば簡単に手に入ります。

  • コードを番号におきかえた楽譜を使います

ディスプレイの左側にあるボタンが楽譜と対応するので、押すと音が変わります。

  • 左側のボタンを押すと音が変わります

ディスプレイの右側に6本の黒いパッドがあり、これをはじいたり、たたいたりすると演奏ができます。ギターの弦をかき鳴らすように動かすと、「ポロン♪」と音が出ますし、1本1本はじくと1音ずつ音が鳴るのでアルペジオ演奏ができます。キーを変えたい時は、フラットとシャープのボタンで合わせます。

  • どのボタンにどのコードを割り振っているかは、ディスプレイで確認できます。ちなみにこの写真はカリンバの音に設定したもの。1番はD、2番はEmです

  • 1番右側の十字キーで、キーの調節や音色の選択ができます。プリセットされている音色は23種類です

いざ演奏の練習。かき鳴らしてカッティングも

メディア向け発表会では、ビートルズ、あいみょん、スピッツなどの曲を練習してみました。

ギターで初心者には難しいと言われている「F」や「Gadd9」のコードだって、ボタンを押すだけで良いので簡単です。筆者の場合は手が小さめなので、押さえるのが難しいと思っていたコードも、本機なら簡単に、しかもキレイな音で出せてうれしくなりました。数字の横のキーを使うとさらに複雑なコードも演奏できます。「C/E」のようなオンコードのほか「ノンダイアトニックコードも弾けます」とのことで、ジャズなども含めた結構幅広い楽曲を演奏できるのではないでしょうか。ちなみに、できる演奏コードはmaj、m、7, m7、M7、mM7、6、m6、add9、madd9、sus4、dim7、aug、m7-5です。

音色をいろいろ変えられるのも楽しいです。ウクレレやカリンバはかわいらしい音色で癒やされます。ベースとギターを組み合わせた音もあります。このモードだと、ベース音は数字キーを押すだけなのでゲーム感覚で演奏できます。ギターでも複数用意し、カッティングなどができるモードもあります。

また、移調の作業は、コードや楽譜を読む知識がないと難しいものですが、本機の場合キーの変更をボタンで簡単にできるのでカラオケ感覚。原曲で演奏するほか、自分が歌いやすいキーに変更できるのはうれしいですね。

手軽さと奥深さが面白い。“兄弟モデル”も併売

本機の製造を手がけるJENESISは、中国・深センに工場を持っています。アイワから「aiwa」ブランドのデジタル分野における商標使用権を取得し、「aiwaデジタルビジネス」として展開。これまでにタブレット、パソコン、スマホなどを発売しています。aiwaブランドの電子楽器は今回が初めてです。

新製品の「aiwa play」のほか、上位モデルの「InstaChord IC31」の製造も行なっています。上位モデルは音色が128種類、Bluetooth LE MIDI対応などの違いがあります。価格は42,900円。こちらはInstaChord(インスタコード)が継続して販売します。

  • 発表会で使い方を教えてくれた、InstaChordの開発者である永田雄一さん。演奏を披露してくれましたが「ギターは弾けません」とのこと。驚きました

「aiwa play」は、事前に「簡単にできる楽器」と聞いたので、演奏の幅は狭いのでは? と思っていたのですが、触ってみるといろいろな音が楽しめて、あっという間に発表会が終わりの時間に。これはやりこんで遊べそうですね。初心者向きの手軽さだけでなく、奥深さも併せ持つところがおもしろいです。

イヤホンが使えるので自宅でも練習できるほか、スピーカー内蔵なので事前の準備もいらないため、いつでも気軽に演奏できます。これならせっかく買ったけど挫折して仕舞いっぱなし……ということもなさそう。充電式なので屋外で演奏したり、友達とセッションもできますね。

いつでも気軽に触れる、しかもコードなどの知識がなくても演奏したい曲にトライできる「aiwa play」は、「初めての楽器」、「音楽再入門」としてぴったりではないでしょうか。