アイワから「aiwa」ブランドのデジタル分野における商標使用権を取得したJENESISは、「aiwaデジタル」シリーズ第1弾製品として、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチ計6製品を発表。6.5型Androidスマートフォンが9月7日発売で、直販特価は16,800円。

  • 6.5型Androidスマートフォン「SMP0601」を掲げる、JENESIS代表取締役社長(兼JNS ホールディングス 代表取締役副社長)の藤岡淳一氏。腕にはめているのはスマートウォッチ「SNW0001」

【更新・追記】8月24日開催の発表会のレポート内容を追記しました(8月24日 20:20)

ラインナップと直販特価、発売時期は以下の通り。なお、価格はすべて発売記念特価だが期間限定というわけではなく、終了期間は特に定めていないとのこと。

  • 6.5型Androidスマートフォン「SMP0601」:16,800円 / 9月7日
  • 10.3型Androidタブレット「TBA1001」:39,800円 / 9月7日
  • スマートウォッチ「SNW0001」:5,800円 / 9月7日
  • 10.1型Androidタブレット「TBA1002」:19,800円 / 9月下旬
  • 8型Androidタブレット「TBA0801」:16,800円 / 9月下旬
  • 10.5型 2in1 Windows 11 Proタブレット「TBW1001」:49,800円 / 10月中旬
  • 6.5型Androidスマートフォン「SMP0601」

  • 背面カメラ部にaiwaロゴ

  • 10.3型Androidタブレット「TBA1001」

  • スマートウォッチ「SNW0001」

  • 交換用バンドのカラーバリエーションも用意

  • 10.1型Androidタブレット「TBA1002」

  • 8型Androidタブレット「TBA0801」

  • 10.5型 2in1 Windows 11 Proタブレット「TBW1001」

  • 「TBW1001」のキーボードを取り外したところ

2022年6月に、JNSホールディングスの子会社であるJENESISが、アイワからaiwaブランドのデジタル分野における商標使用権を取得。JENESISは「(中国)深圳自社工場で長年培ってきた部品一つひとつの品質へのこだわりや、日本国内の保守・サポート拠点を中心としたエンドユーザーに寄り添ったサポートおよびサービスを通じて、DX時代におけるビジネスや生活のシーンに溶け込むような製品とサービスを展開する」とコメントしていた。

今回、その第1弾製品の実機を初披露。発売日や直販サイト「aiwaデジタルダイレクト」での販売価格、詳細仕様等が明らかになった。

“コスパ追求”の6製品を一挙紹介

Androidスマートフォン「SMP0601」は、小メモリデバイス用にチューニングしたローエンド向けのAndroid 12(Go edition)を採用。デュアルSIM(nanoSIM×2)を備え、NTTドコモとソフトバンクのVoLTEに対応している。

カメラはリアが有効1,300万画素、フロントが800万画素。パノラマやマクロ撮影、フルHD/30fps動画撮影に対応する。6.5型/720×1,600ドットのIPS液晶パネルを備え、T310クアッドコアCPU(A75 2GHz×1、A55 1.8GHz×3)、2GBメモリを搭載。ストレージ容量は32GB。

10.3型Androidタブレット「TBA1001」は、Gorillaガラスを採用した2,000×1,200ドットのIPS液晶パネルを備え、MediatekのオクタコアCPU「MT8183」、4GBメモリを搭載。ストレージ容量は64GB。OSはAndroid 12。フロント/リアカメラも装備する。本体はIP65防水防塵仕様。

スマートウォッチ「SMW0001」はIP67防水防塵仕様。心拍数に加えて、血中酸素濃度も測定できるセンサーを搭載している。24種類以上のスポーツモードや、睡眠管理機能を装備。スマホと連携しての通知受信や音声通話にも対応する。

10.1型Androidタブレット「TBA1002」は、基本機能は備えつつも上記の「TBA1001」より買いやすい価格に設定したエントリーモデル。1,280×800ドットの液晶パネルを備え、MediatekのオクタコアCPU「MT8168」、4GBメモリを搭載。ストレージ容量は32GB。OSはAndroid 12。フロント/リアカメラも装備する。

8型Androidタブレット「TBA0801」は幅12.4cmのアルミ製スリムボディで持ちやすく、電子書籍や動画を楽しむパーソナルユースのほか、ビジネス向け端末としての活用も見込む。1,280×800ドットの液晶パネルを備え、MediatekのオクタコアCPU「MT8168」、2GBメモリを搭載。ストレージ容量は32GB。OSはAndroid 12(Go edition)。フロント/リアカメラも装備する。

Windowsタブレット「TBW1001」は、OSにWindows 11 Proを採用し、付属の専用キーボードを組み合わせて2in1デバイスとして使える。アスペクト比3:2の10.5型/1,920×1,280ドットIPS液晶パネルを装備。CPUはIntel Celeron N4020デュアルコアで、4GBメモリ、64GBストレージを搭載。USB-C×2、micro HDMIも装備する。

なお、スマホ/タブレットのいずれもmicroSDカードスロットを備え、microSDXCカードが利用可能。また10.3型タブレットとスマートウォッチ以外はすべて3.5mmイヤホンジャックを備えている。

「アイワを再び世界のブランドに」

発表会には、JENESIS代表取締役社長(兼JNS ホールディングス 代表取締役副社長)の藤岡淳一氏が登壇。aiwa製品への憧れを熱く語りつつ、JENESISがODMメーカーとしてこれまでに500製品以上(累計出荷300万台)の開発や製造受託を手がけてきた企業であることを改めて紹介した。

アイワは、1966年に日本初の国産コンパクトカセットレコーダーを発売し、「カセットボーイ」をヒットさせたオーディオブランドとして知られているが、2002年にソニーが完全子会社化。コストパフォーマンスを高めたオーディオ製品などを展開していたものの、IT・デジタル化のトレンドの中で2008年にいったんブランドの終息を迎えた。

その後、2017年に十和田オーディオが商標権を取得して“新生”アイワが誕生し、同年にアイワ・ジャパンマーケティング(現アイワジャパン)が設立。2022年に入って、JENESISが「aiwa」ブランドのデジタル分野における商標使用権を取得したことを発表し、今回の第1弾製品発表に至った。ちなみにアイワジャパンは、グローバル展開として台湾にAIWA Electronics Internationalを設立しているが、アメリカで独自にaiwa商標を登録した米AIWA CORPORATIONとは一切関係がないと説明している

今回、aiwaデジタルシリーズを展開していくJENESISが、同ブランドのイメージキャラクターに起用したのが、俳優・ミュージシャンの石橋凌氏。各方面で挑戦を続け、多彩な経歴を持つ同氏とタッグを組むことで、ブランドに込めた「変わり続けるものが本物になる」というコンセプトをより強固なメッセージとして発信。アイワとの親和性の高いミドル世代を中心に各種プロモーションで展開していくという。

藤岡氏は「ミュージシャンや俳優として活動を続けている石橋凌さんの、常に本気で本物を追求しているポリシーが、aiwaデジタルシリーズの取り組みに非常にマッチすると考えて起用した」と説明。第一弾のビジュアルを披露した。

  • aiwaデジタルのブランドイメージキャラクターには石橋凌氏を起用

  • 石橋凌氏からのビデオメッセージも寄せられた

藤岡氏は発表会の中で、アイワブランドの認知度調査の結果も明らかにしている。それによると、40代以上の男性には71%と圧倒的な認知度があるとのこと(30代前半の筆者が初めて触れたラジオカセットもAIWA製だったと記憶している)。これを受けて、藤岡氏は「他のオーディオメーカーと比べても決して劣らない認知度がある。アイワは日本の宝物だ。アイワを私たちが引き継いで、再び世界のブランドにしていきたい」と意気込みを語った。

Dirac HD Sound×熟練エンジニア活用のオーディオ投入

なお、今回発表した製品はスマートフォンやタブレット、スマートウォッチといったガジェットが中心で、aiwaデジタルシリーズに連なるオーディオ製品の姿はなかった。ただし、藤岡氏は大手老舗オーディオメーカーの熟練エンジニアらに声をかけ、オーディオ製品の開発で協力を求めていることも明らかにしている。

一般的なデジタル製品は小型・薄型・密閉が主流のため、「サウンドが犠牲になる」(藤岡氏)ことが多いが、「Dirac HD Soundの実装」、「熟練オーディオ技術者の活用」でこれを打破する考えだという。

Dirac HD Soundは、スウェーデンの音場統合技術専門集団の「Dirac Research」による音響最適化・室内音響補正技術。周波数特性とインパルス応答を同時に補正することで、スピーカー周りの本体構造による音質の乱れを正し、明瞭なサウンドに補正するものだ。藤岡氏はDirac HD Soundを活用し、OS(ドライバ)階層から手を加えて、デジタル製品の内蔵スピーカーや付属イヤホンに合わせたチューニングを行うと説明。今後の製品に順次実装する予定だという。

さらに、「アナログ周辺のノウハウが正直乏しい」(同氏)ことから、熟練オーディオ技術者やエンジニアに設計段階から周波数特性のチューニングなど、アナログオーディオに関する指導・評価を受けることにしており、「オーディオブランドのアイワらしさを私たちのデジタル(製品)でも再現したい」と話した。

楽器や“MAMORIO Inside”の取り組みも

発表会の後半では、法人向けの取り組みや、aiwaデジタルの今後の戦略として音質の追求に加え、「生活空間への融和」、「オープンイノベーション」の3要素を挙げて藤岡氏が説明。

  • 法人向けの取り組みについても言及

アイワデジタルシリーズのブランドディレクターには、プロダクトデザインなどを手がけるデザインオフィス・アエテの代表取締役クリエイティブディレクターである鈴木健氏を起用。鈴木氏は今回の製品には携われていないが、藤岡氏らと協力して、新しいタブレットの開発を進めているとのこと。

また、JENESISとして既に関わりのある企業とのオープンイノベーションの取り組みとして、誰でも弾ける楽器「INSTASCHORD」とコラボレーションし、機能や仕様をさらにシンプルにした量産型モデル「RX-01 Powered by INSTACHORD」の開発表明を行った。

  • 「INSTACHORD」開発者の永田雄一氏が、自身で演奏しながら現行製品の特徴を説明

  • 「楽器が苦手な人でもほぼ練習なしで弾ける」

  • INSTACHORDの機能や仕様をさらにシンプルにした量産型モデル「RX-01 Powered by INSTACHORD」を開発表明

さらに、紛失防止タグとして普及が進む「MAMORIO」の機能を、aiwaデジタルシリーズのスマートフォンなどに組み込む「MAMORIO Inside」も発表。「お忘れスマホ 自動通知サービス」を無料で利用可能にするという。

  • aiwa MAMORIO Inside

aiwaデジタル製品の周辺アクセサリーも用意

  • 6.5型スマホ向けのケース(左端)を別途用意

  • タブレット向けの非光沢画面フィルムをラインナップ

  • タブレット用のペンも用意

  • 肩から掛けられるタブレットケース