前回の記事で2023年春ごろと予想したが、ここまで早く姿を現すとは思わなかった。Microsoftは米国時間2023年2月28日(日本時間3月1日)、KB5022913をプレビュー版としてリリースした。いわゆる次期Windows 11だ。2本のRelease Previewで十分という判断を下したのだろう。
Microsoftの公式ブログでは、AIを活用した「新しいMicrosoft Bing(以下、新Bing)」の有用性とWindows 11の検索ボックスをアピールしている。ただ、手元の環境はデモンストレーションの動画と異なり、入力内容の末尾にBingアイコンは現れない。
リリースノートでは検索結果が「検索フライアウトボックスに表示されるようになった」と説明があるのだが、検索キーワード提案や検索プレビューが現れるのは以前のWindows 11と同じ。前述した動画も、新BingとのチャットはMicrosoft Edgeで行っているため、もう少し動作検証を重ねてから改めて取り上げたい。
NPU(ニューラル処理ユニット)搭載デバイスにおいては、ビデオ通話時に話者の背景をぼかす背景効果や、話者移動時にズームとトリミング処理を行う自動フレーミング機能を提供するWindows Studio Effectsの拡充も、ARM64デバイスのユーザーには関心あるポイントだろう。
多くのユーザーは、日常的にデスクトップやアプリの画面を撮影するSnipping Toolや、タブに対応したメモ帳といったツール群が気になるのではないだろうか。Windows 11 Insider PreviewのSnipping Toolは録画後にエラーが発生するなど不安定な部分も見受けられたが、バージョン11.2302.4.0を試した範囲では、スクリーンショットは「スクリーンショット」フォルダーに格納される。
通常なら「%USERPROFILE%\Pictures\Screenshots」フォルダーとなるが、OneDriveのバックアップ機能を使っているときは変化することが多い。その場合はSnipping Toolの「…」アイコン→「スクリーンショットフォルダーを開く」から確認するとよい。
肝心の動画撮影を実行すると、録画エリアを選択して「スタート」をクリックする仕組み。録画後の自動保存機能は備わっておらず、「ビデオ」フォルダーに「レコーディング(実行日時).mp4」として保存する。Windows 11やアプリの操作手順を説明する簡易な動画作成には便利そうだが、「Win」+「Shift」+「S」キーで呼び出した場合、録画機能は呼び出せず、現時点ではSnipping Tool経由でなければ実行できないようだ。メモ帳は以前のレポート記事でも述べたので割愛するが、新たなSnipping Tool、メモ帳はMicrosoft Storeでパッケージを更新してから試してほしい。
加えて、システムトレイ(旧通知領域)に並んだアイコン間隔を広げるなど、各所に細やかな変更が加わっている。これらを改善と認識するとしたら、KB5022913プレビューはWindows 11ユーザーにとって有益な更新プログラムだ。更新を慌てないなら、1カ月ほど待つことをおすすめしたい。筆者の環境では、2023年以降は安定動作していたエクスプローラーの不安定化が再発しているからだ。
特定環境の現象なので参考程度にとどめてほしいが、エクスプローラーで「PC」を別タブで開くと、HDDを選択できないケースが多発している。HDDのスリープ解除(?)を待てば次の操作に移れるものの、この間に別のアプリを操作すると「応答なし」となり、エクスプローラーの応答を待つか再起動するほかない。KB5022913プレビューを適用する前は遭遇しなかった現象なので、KB5022913プレビューが何らかの影響をおよぼしているのだろうと推測している。