Nextorageは、ソニーストレージメディアソリューションズからフラッシュメモリー製品事業のみで独立したメモリーカードベンダーです。CP+のブースでは、カメラマンの要求に応えるメモリーカードの展示が目立っていました。

  • Nextorageブース。どこかで聞いたことがあるなぁ?と思ったら、東京ゲームショウ2022でPS5用のM.2 SSDを展示していたメーカーでした。CP+は今回が初出展です

高性能のミラーレスカメラは動画撮影に対応した製品も多くなっていますが、そのような製品にはCFexpressカードが使われています。同社の製品は、8K動画にも対応するpSLC製品と、おもに写真撮影に対応するTLC製品を展示。SDカードは2ラインナップを展示し、片方は高速転送のUHS-IIに対応した製品です。

  • 今回の出品は、デジカメ用のメモリーカード3種類

  • CFexpress Type Bカードは、VPG400対応のNX-B1PROとTLCメモリーを使用したNX-B1SEを展示

  • UHS-2 SDカードとして、U3とV90に対応するNX-F2PROと、V60対応のNX-F2SEを展示。UHS-2は通常のSDカードよりも端子数が多く、速い転送速度が特徴です

また、NRS-Hシリーズ、RIGIDの製品は樹脂で一体化しています。SDカードは、メモリー基板の上にプラカバーを付けた作りが一般的ですが、「端子間の仕切りが切れる」「ライトプロテクトノブが欠ける」「曲げて折れてしまう」というトラブルもあります。RIGIDの名のとおり、一体化により本体の全体強度を高めたのが特徴。SD規格の18倍の曲げ強度やIP68の防水性とヘビーデューティーさが売りで、外部ロケでの過酷な扱いに耐えそうな作りのUHS-1規格の製品です。

  • UHS-1 SDカードのNRS-HA。一体モールド化したヘビーデューティーな製品で、曲げ強度はSDカード規格の18倍! 爪先で弾くとカン!と硬さが伝わります

説明してもらったBranding&Promotion課の中野弘一氏によると、同社の隠れポイントは「メモリーコントローラーのファームウェアを日本で作っている」ところ。これによって、連続書き込み中でもカメラの書き込みの波を把握して書き込み性能を落とすことなく消費電力を下げ、結果としてカメラの撮影枚数を増やすことができるとのこと。外でのロケーション撮影では、携行するのはより少ないバッテリー本数にしたいところですが、省電力なメモリーカードを使うことで連続撮影枚数を増やせるのは驚きでした。

  • 製品を紹介してもらった、Nextorage Branding&Promotion課の中野弘一氏

Nextorageからは、外付けのCFexpressメモリーカードリーダーはまだ販売されていませんでしたが、USB3.2(20Gbps)のメモリーカードリーダーとUSB4のM.2メモリーユニットが参考展示されていました。高速なメモリーカードの性能をフルに活用するための作業環境作りのためには、ThunderBoltやUSB4接続のリーダーが必要になりそうです。

なお、自分のカメラで製品を試してみたい人は、ブースにてメモリーカードの貸し出しを受け付けています(要身分証明書)。自慢のカメラでの使い勝手を試すとよいでしょう。

  • Nextorageの外付けソリューションを2つ参考展示。片方はCFexpressのUSB 3.2(20Gbps)リーダー。もう一つはUSB 4接続のM.2 SSD。速度を考えると、USB 4アダプターが早く出てほしいです

  • デジタルカメラを使用した動画撮影環境では、上に専用のアダプターを付ける手法があり、これはAtomX SSDminiに対応したNSP-AS。通常の2.5インチSATA SSDを取り付けると動画記録に飛びが出るのを解決し、サイズもコンパクトにしてスッキリまとまっていました