世界各国の警察機関によって組織された国際組織「インターポール」は、イタリアマフィアのボスだったエドガルド・グレコ被告が逮捕されたと発表した。ピザ職人として有名になったことで逮捕につながったというのだ。この奇妙なできごとが、「誰か映画化してほしいw」などとネットでも話題となっている。

  • 伊マフィアのボスが16年逃亡の末、ピザ職人として有名になり逮捕 - ネット「映画化してw」「イタリア人w」

    ピザ職人になりすましたマフィアのボス、ピザのおいしさが有名になってしまい約16年の逃亡に終止符が打たれてしまう

当局によれば、エドガルド・グレコ被告は、イタリア・カリブリア州を拠点とするイタリア4大マフィアの一つ「ンドランゲタ('Ndrangheta)」と関係のある犯罪組織のボスだったそう。1991年に起こした2件の殺人や、1件の殺人未遂などの罪で終身刑を宣告されていた。しかし、2006年に警察の留置場から逃亡している。

逃亡したグレコ被告は、イタリアからフランスへ渡り、パオロ・ディミトリという偽名を使い、フランスのリヨン近郊の町で、シェフとして働き始めたのだそう。その数年後には、リヨンの南西に位置するサン=テティエンヌに移住し、イタリアンレストラン「Caffe Rossini Ristorante」で、本場イタリアのピザを焼く職人として働いていたというのだ。

「パオロ・ディミトリ」はピザ職人としての腕前が優れていたようで、現地フランスではとても人気があったのだとか。地元新聞からの取材を受け、同店の本格的なイタリア料理の宣伝などをしていたという。取材記事では、ラビオリやリゾットなど、自分のレストランの「地方料理と自家製レシピ」を誇り、「私は地方の、家庭的なレシピだけを提供したい」と語っていたという。

それらの記事に映る顔写真がインターポールの捜査官の目に留まり、その後DNA鑑定の結果、パオロ・ディミトリがエドガルド・グレコ本人であると確認され、逮捕されたとのこと。

インターポールのユルゲン・ストック事務局長は声明で、「逃亡者がいくら海外で平穏な生活を送ろうとしても、永遠に司法から逃れられない」とコメントし「世界中の献身的な警官が、常に司法が果たされることを保証する」と述べた。

ネット上では「イタリア人らしいと言えばらしい結末ねw」「ウカツ!」「顔がすっかり普通の人に。店自体は本当に真面目にやっていたんだろう」「逆エクストリームジョブじゃん」「誰か映画化してほしいww」「パディントン2みたいにマズい刑務所メシの代わりにおいしいピザを作ってヒーローになってほしい」などの声が寄せられた。