2023年2月1日にサムスンがサンフランシスコで発表した「Galaxy S23」シリーズ3機種のうち、小型ボディーの高性能モデル「Galaxy S23」を発表会で触ってきました。
Galaxy S23は6.1インチ2,400×1,080ピクセル、120Hzの高速駆動ディスプレイを搭載します。チップセットは「業界最速」といわれるSnapdragon 8 Gen 2 Mbile Platform for Galaxyを採用。カメラは5,000万画素の広角と1200万画素の超広角、1,000万画素の3倍望遠を装備します。本体カラーは自然を意識させる淡い色合いで、ラベンダー、クリーム、グリーン、ファントムブラックの4色を用意しています。
ディスプレイサイズやカメラスペックなどは「iPhone 14 Pro」に類似していますが、本体サイズは若干小さめ。またバッテリーサイズは小型モデルながら3,900mAhと比較的大容量。フロントカメラは1,200万画素です。
背面の仕上げはシンプルそのもので、カメラ部分はレンズを縦に3つ並べています。最近のスマートフォンはカメラ部分の存在感が目立ちすぎる傾向にありますが、Galaxy S23はそれらとは逆の方向を向いており、スマートフォンを持っていることを意識させないデザインになっていると感じます。
実際に使ってみると146.3×70.9×7.6mm、168gの本体は小さく軽量で持ちやすく、それでいて本体は高性能なので操作にストレスを感じることも一切ありません。ディスプレイ埋め込み型の指紋認証センサーも感度は良好です。またディスプレイの画面書き換え速度(リフレッシュレート)は最大120Hzに対推しており、SNSのタイムラインのスクロールの動きもスムーズ。ゲームも動きは滑らかです。
ナチュラルカラーとでも呼べそうな本体の淡い色合いは上品な印象を受けます。Galaxy S23は本体の一部にリサイクル素材も使った環境配慮の製品でもあり、たとえば金属フレームにはリサイクルアルミニウム、背面にはリサイクルPETを一部含有させています。地球環境を考えたモノづくりはスマートフォンの世界シェア1位メーカーとして責務でもあるのでしょう。
スマートフォンの画面サイズは大きい方が映画や写真の再生をより楽しめると思います。その一方で手ぶらで出かけるときなどは、持ち物は少しでも身軽なものにしたいでしょう。Galaxy S23の168gという重さはポケットやかばんの中に入れていても存在を忘れてしまうくらい軽量だと感じます。長時間の通話をしていても苦にならないでしょう。
さてメインカメラは5,000万画素と高画質。超広角は1200万画素、望遠は1,000万画素を搭載します。望遠カメラは光学3倍に対応、デジタルズームでは最大30倍まで拡大できます。普段使いなら10倍程度までが実用的と思いますが、ちょっと遠くにある被写体を気軽に記録に残せる点も便利ですね。また本体が小さいので片手でもカメラ操作を楽に行えます。
なお写真は5,000万画素の高画質で撮影するモードと、センサー上の画素のピクセル4つを1つにまとめて疑似的に1ピクセルにする「ピクセルビニング」による撮影にも対応。ピクセルビニングでは1,200万画素撮影となりますが、1ピクセル上により多くの光を取り込めるので明かりの少ない夜間撮影に強みを発揮します。夜間撮影「Nightograpy」はGalaxy S23が強化しているポイントで、暗いレストランの中でもフロントカメラを使った自撮りも明るく撮影できるとのこと。
動画撮影も高い性能を誇ります。OIS(光学手ぶれ補正)は性能を2倍に向上させたので、街歩きのVlog撮影やTikTokなどの縦動画撮影を手持ちで行うときに、ぶれの少ない滑らかな撮影が可能になりました。また動画の画質は最大で8Kの30fpsに対応。前モデルまでは8Kで24fpsまでしか対応しませんでしたから大きな進化です。8Kはまだ再生できるビデオは少ないものの、これからの動画を8Kで残しておけば、8K TVが普及した将来も高画質な動画を振り返りながら思い出話も盛り上がるでしょう。
ところでサムスンは今回紹介したGalaxy S23に加え、画面サイズの大きいGalaxy S23+も発表しています。Galaxy S23+はGalaxy S23の画面を6.7インチに大型化し、バッテリーも4,700mAhにしている点が大きな違い。その他のスペックは変わりません。こちらのモデルも魅力的ですが、日本ではこれまでハイエンドモデル「Ultra」と小型モデルの2製品が販売されてきたことから、恐らくこのGalaxy S23+の日本発売は無さそう。むしろGalaxy S23は日本人の好みにぴったりあった製品でしょうから、日本での発売の正式なアナウンスを待ちたいところです。