マクアケが展開する応援購入サービス「Makuake」で注目を集めている、3つの家電プロジェクト体験会が1月12日に開催されました。
展示されていたのは、チョコレートを飲み物として楽しめる「チョコレートドリンクメーカー」(明治)、仕事とエンタメを1つの画面でまかなう4Kスマートモニター(LGエレクトロニクス・ジャパン)、糖質55%カットの四角い炊飯器「LOCABOV(ロカボファイブ)」(forty-four)の3つのプロジェクト。
いずれもまだ応援購入を受け付けています。先行発売前に、これら3つの製品をマクアケ本社で体験してきました。なお、記事内の情報はすべて1月18日11時時点のものです。
お菓子の明治がカカオを味わうドリンクメーカー開発
最初に紹介するのは、チョコレートをはじめとした数々のお菓子で知られる明治が、新たなチョコレートの味わい方を提案するアイテム「チョコレートドリンクメーカー」。チョコレートと水またはミルクを、最適な温度でかくはんし、飲み物にするキッチン家電です。
Makuakeでは目標金額1,000,000円に対し、2993%となる29,936,986円を達成し、バレンタインデーとなる2月14日まで応援購入を受け付けています(プロジェクトページ)。
「レコルト」ブランドでキッチン家電などを展開する、ウィナーズの「ミルクティーメーカー」をベースに、カカオの風味を活かす最適な温度、かくはんタイミングを追求し、誰もが手軽に、本格的なチョコレートドリンクを楽しめるようになっています。
本体は大きいフタ付きタンブラーのような形。下部に操作用タッチボタンが設けられ、チョコレートドリンクを作れる「Chocoモード」をはじめとした、5つのモードを選べます。
チョコレートドリンク1人前の作り方は、水あるいは牛乳100ccに、好きなチョコレートのかけらを20~35gほど(板チョコにして8枚、1枚2cm×3cmほど)投入。フタをかぶせ、「Chocoモード」を押すと、自動で暖め、かくはんが進みます。完成までは約3分。
筆者も出来立てを試飲しましたが、飲む前にふわっと感じる、ほろ苦いカカオの香りが印象的でした。作ってすぐ注いでも熱すぎず、すぐ飲める温度に仕上がっています。表面は泡立っていて、カカオの香りを楽しむにはこの泡も大事とのこと。飲んでみると、カカオならではなのか、甘みと一緒にコクと苦みも感じられ、甘味を強く感じるココアとは違った味が楽しめました。
開発にあたっては、明治とレコルトの双方で、カカオの風味をしっかり感じられる温度、泡立てすぎないかくはん時間、かくはんするタイミングなどの調整を重ねたといいます。チョコレートドリンクはココアよりもカカオの香りが豊かに感じられ、コクも楽しめるそうです。
しかしなぜ、1906年(創業時の社名は東京菓子株式会社)からお菓子を作り続けてきた明治が、家電に手を広げたのでしょうか。
明治 カカオマーケティング部 明治 ザ・チョコレートブランドマネージャーの須田彩歌氏は「チョコを“飲む”文化を広げていきたい」と、その背景を説明しました。
「カカオには5300年の歴史があるが、固形の板チョコが発明されたのは直近200年ほど。つまり人類は5000年ほどカカオを飲んできたが、日本では飲む楽しみ方はあまり知られていない。カカオの楽しみをもっと広げたい」と須田氏。マーケティングの一環として、チョコレートを“飲む”食べ方を広めたいとしました。
なお、応援購入を検討するユーザーからは、「プロテインは混ぜられるのか」といった声が複数あがったといいます。須田氏が試したところ、加熱せずにかくはんする「Stirモード」でプロテインドリンクも作れたそうで、筋トレのお供など、新しい需要にも期待できそうです。
31.5型でも4K解像度、VODアプリ内蔵のスマートモニター
LGエレクトロニクス・ジャパンの「LG スマートモニター」は、PCディスプレイにwebOSを搭載し、NetflixやYouTube、Amazonプライム・ビデオなどの動画視聴やWebブラウジングが、専用モコンから単体で楽しめるディスプレイです(プロジェクトページ)。プロジェクトは1月22日までの受付。目標金額1,000,000円に対し、41,917,500円の応援購入を達成しています。
LG スマートモニターは一言でいうと、「モニターとテレビのメリットを1つにまとめた」製品。詳しくは別記事「PCモニターとスマートテレビの間のような。必要な機能全部盛りの『LG Smart Monitor』」をぜひご覧ください。
画面サイズは31.5型。テレビであればフルHD解像度が圧倒的多数のサイズですが、この製品は4K(3,840×2,160ドット)でExcelなど仕事に使いやすい高解像度を採用します。チューナーレスのため地上波テレビ番組は見られませんが、LGのテレビ製品に内蔵しているwebOS 22を載せ、本体に有線LANLANポート/Wi-Fiを搭載することで、VODアプリをテレビ番組のように、専用リモコンから本体単体で操作できます。
インタフェースにはオーディオも連携できるようeARC対応HDMIを装備し、画面は長時間作業に向いたアンチグレア仕様。また、ディスプレイ自体にBluetooth接続機能をもたせ、体験会では机上のスピーカーとディスプレイをPCレスでBluetooth接続させ、本体側の5W+5Wスピーカーと同時出力して迫力ある音を鳴らしていました。
この製品を触ってみると、「チューナーレステレビ」ではないのか? という疑問も湧いてきますが、LG エレクトロニクス・ジャパン Marketing Teamの宋 ボラム氏は、チューナーレステレビでもなく、PCディスプレイでもない、「スマートモニター」という新しいパーソナルデバイスを育てていきたいと強調。
チューナレスというと、テレビからチューナーを引いた“マイナス”のイメージ(LG担当者談)ですが、スマートテレビは、PCモニターにテレビライクな機能を追加した“プラス”の製品であるとアピールしました。
LGの「スマートモニター」は、仕事用だから、あるいはエンタメ用だから――といった用途による使い分けが少なくなっている状況で、ユーザーにディスプレイの選択肢を増やす試みとのこと。
確かに快適に過ごせる部屋を1つ作ってしまえば、そこで仕事とエンタメを全てまかないたい、というのは当然の考えで(筆者も仕事部屋とプライベートな部屋をこれまで分けたことがありません)、部屋の広さ的にも助かりそうです。LGでは今後もスマートモニター製品を強化していく予定だといいます。
白米の糖質を55%カットする「四角い」炊飯器
最後に紹介するのは、最大55%糖質カットできる四角い炊飯器「LOCABOV」(ロカボファイブ)(プロジェクトページ)。forty-fourが手掛ける糖質カット炊飯器LOCABOの2代目製品です。プロジェクト終了日は1月30日。
見た目は小型収納ボックスのような、炊飯器らしからぬ姿ですが、この四角い炊飯器のフタを開けると、見慣れた円形の内釜が登場します。内部は内釜・外釜の二重構造で、一般的な炊飯と比べ3.5倍多く水を使い、60度以上の水温でデンプン(糖質)を溶かして外釜へ排出。溶けたデンプンをお米に吸収させずに炊き上げ、糖質をカットする仕組みです。
2代目となるLOCABOVは、2021年7月にMakuakeで先行販売を開始した初代LOCABOの糖質最大45%カットから、糖質オフ率を上げた最大55%カットを実現。また粒立ちや噛み応えを改善し、食べたときのおいしさにもこだわったといいます。
高い糖質カット率とおいしさを両立させた秘密は、本体の四角い形状。インテリアとしてのデザイン性もさることながら、従来の丸形デザインでは搭載が難しかった「上部ヒーター」を天板下に配置し、底部、側部、上部の全方位からIH加熱できるようにしました。
加えて、内釜の側面にも穴を空けることで、内釜を通過する蒸気量を従来から大幅に増やし、お米をふっくら炊き上げるとともに、水蒸気の滞留を少なくして粒立ちやツヤ、噛み応えを通常炊飯米に近づけました。
LOCABOVで炊いた糖質カットご飯を実際に食べたところ、特にパサパサ感もなく、普通のお米を食べているように美味しいものでした。もちろん、デンプンの一部を落としているので、普段食べている(通常炊飯の)お米と比べると全く同じというわけではありませんでしたが、これで糖質最大55%カットならば、ご飯単体でも問題なく食べ続けられそうです。
LOCABOV(ロカボファイブ)の「V」には、ユーザーの声(Voice)を集めた、という意味が込められています。健康を意識する人が多かった初代購入者から上がった要望は、「容量を増やして欲しい」「調理モードの多機能化」といったものでした。
forty-four 代表取締役の獅子内善雄氏は「ユーザーからの声により、具体的なニーズがわかってよかった。1台の炊飯器で何ができるか、LOCABOVでは機能を詰め込むことにした」と語りました。
これらの声を受け、LOCABOVでは糖質カット炊飯容量を、初代モデルの2合から5合に拡大。また、炊飯だけでなく、低温調理や発酵調理、煮込みモードなども搭載し、調理時間や温度の調整にも対応します。体験会では低温調理モードで作った鶏のネギ塩サラダチキンも試せましたが、しっとり柔らかく調理されていました。