パナソニックは1月13日、20代~60代の男女550名を対象に実施した冬の睡眠に関する実態調査の結果、および冬の睡眠時のエアコン活用術を紹介した。

  • 冬の時期(12月~2月)、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じることがありますか?

「冬の時期(12月~2月)、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じることがありますか?」という質問では、約6割が「感じる」または「やや感じる」と回答。

また、「冬の朝は室温が寒く、2度寝や布団から出られないなど、起きにくいと感じることがありますか?」との質問にも、同じく6割が「ある」と回答した。一方で、冬の睡眠時のエアコン使用率は28%と、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じているにも関わらずエアコンを使用していない人が多数いた。

  • 冬の時期(12月~2月)、寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じることがありますか?

快眠のために行っていることを聞くと、1位に「靴下をはいて寝る」(20%)、4位に「直前にお風呂に入る」(17%)、5位に「厚着をする」(15%)、6位に「一晩中湯たんぽを使う」(9%)、7位に「一晩中電気毛布を使う」(8%)、「寝る前にお酒を飲む」(8%)などが挙がったが、実は快眠を妨げる原因になっている場合もあるという。

  • 快眠のために行っていること

パナソニックの睡眠改善インストラクター・菊地真由美氏は、「冬は足が冷えるので靴下を履いて寝ている」のは快眠にとっては間違いだと指摘する。深部体温を下げるには手足の毛細血管からの放熱が重要で、靴下を履くと足からの放熱ができず、深部体温が下がりにくくなり、眠りづらくなるそうだ。

寝るとき足が冷たい・寒い人には放熱に重要な部位である足首を締めつけずに放熱の邪魔をしない、緩めのレッグウォーマーを推奨している。

  • 冬の快眠のOK・NG

そのほか、「入眠の直前にお風呂に入る」、「一晩中湯たんぽを使う」、「一晩中電気毛布を使う」も深部体温を下げる妨げになり、一時的には温かくて快適でも寝入りは悪くなるという。電気毛布や湯たんぽは就寝前に寝具を温めておくために使えば、次第に手足から放熱されるため入眠を邪魔しない。

また、「寝る前にお酒を飲む」についても、寝酒は深い睡眠が得られず眠りの質が悪くなることから、健康な深い睡眠を得るためにはアルコールは避けた方がよいとしている。睡眠時の衣服については、冬の衣類として定番のフリースは通気性が悪いものがあり、そのまま寝間着として使うと寝ている間にかいた汗がこもって不快になるため、綿など通気性の良い素材を推奨している。

また、寝入りを良くしてぐっすり眠るためには、「入眠儀式(ルーティン)が大切で、例えば、部屋着と寝間着が同じでそのままベッドや布団に入る人は、寝間着を別に用意しておくことを勧めている。部屋着から寝間着に着替える儀式によって脳のスイッチを切り替え、脳が「これから寝る」モードに入り、より眠りやすくなるとのこと。

また、在宅勤務の場合、部屋着のまま仕事をしたり部屋で過ごしたりすると脳のスイッチが切り替わらず、いつまでも寝られない原因になるという。在宅勤務になってから寝付きが悪くなったなど、睡眠に関する不調を感じる場合は、この「入眠儀式」を作ってみることを提案している。

理想的な睡眠環境を実現するためには、繊細な温湿度コントロールが必要不可欠。温度は20℃、湿度は50%前後くらいがちょうどよいと言われている。就寝時にエアコンを使うなら、室温は20℃前後、暖かい空気は上に向かうため、風向きは下にして稼働し続ける方が快適だ。

エアコンの空気が苦手・乾燥してしまう人には、就寝の20~30分前に寝具をめくってエアコンをつけておく方法を勧めている。これは、寝具が温まって入った時にヒヤッとすることもなく、温めすぎて深部体温を下げる妨げになることもないため。エアコンの代わりに布団乾燥機で寝具を温めるのも良いそうだ。

また、加湿機能つきの空気清浄機を併用すると、湿度コントロールを行いながら部屋の空気を循環できる。部屋全体の湿度を保つのが難しい場合は、顔周りだけのスポット的な加湿をし、のどの保湿には寝る直前に水を飲んだり、枕元にペットボトルなどを置いて適宜水分補給したりすることでも効果があるという。

なお、睡眠の質を向上する飲料やグッズをさす「スリープテック」についても調査を行ったところ、半数近い46%が「スリープテックに関心がある」と回答したものの、実際にスリープテック製品・サービスの購入経験者はわずか7%という結果になった。パナソニックはその一環として、ベッドサイドセンサーと連携した「快眠環境運転」が行える寝室用エアコン「エオリアスリープ」PXシリーズを展開している。