ワイヤレスでファイルやデータをやり取りする「AirDrop(エアドロップ)」は、iPhone同士で写真やビデオを受け渡しするときに重宝する機能です。近くにいる相手の検出にはBluetooth LEを利用するから常時オンでも消費電力はわずか、ファイル本体のやり取りはWi-Fiを使うから容量が大きいビデオも短時間で転送できることがメリットです。

しかし、AirDropでやり取りする相手は、原則として「送信側のApple ID(メールアドレスまたは携帯電話番号)が受信側の連絡先アプリに登録されていること」が求められます。登録がない場合、送信先候補に相手のアイコンが現れず、それ以上作業を進めることができません。

初対面の人とAirDropするときには、AirDropの検出範囲を「すべての人」に変更します。『設定』→「一般」→「AirDrop」の順に画面を開くか、コントロールセンター左上を長押しすると現れるAirDropボタンから、「すべての人」を選べばOKです。

セキュリティも考慮されています。従来は平常時(連絡先のみ)に戻すことを忘れると、近くにいる見ず知らずの人からAirDrop送信先候補として見えてしまう、という状態になってしまいましたが、iOS 16.2では「すべての人」に10分の時間制限がくわわりました。変更後10分が経過すると、自動的に元の設定(連絡先のみ)に復帰するので、通りすがりに不穏な写真を送りつけられるようなリスクは大幅に低下しています。

だから安心して「すべての人(10分間のみ)」を選択してかまわない...と言いたいところですが、10分といえど迷惑行為のターゲットに選ばれる時間としては長いかもしれません。10分の時間制限は一種の保険、初対面の人とAirDropするときには用が済み次第、元の設定に戻すことを心がけましょう。

  • iOS 16.2ではAirDrop送信先の「すべての人」に10分の時間制限がくわわりました