五藤光学研究所は12月14日、LEDドームを自社で開発し、同日から販売を開始したと発表。プラネタリウムのほか、博物館や美術館、テーマパーク、商業施設といった、LEDドームを活用できるさまざまな施設に対して販売を行っていく。顧客の要望に合わせて解像度(ピッチ幅)や各種性能なども変更できるとのこと。
五藤光学では、長年培ってきたプラネタリウムやドーム映像のノウハウを元に、国内のLEDビジョンメーカーの協力の下、デモンストレーション用LEDドーム(直径5m)を東京・府中市の本社工場内に設置。3D CGをリアルタイムにドーム全天に投映できる自社開発の全天周デジタル映像システム「バーチャリウムX」を用いて、ドットバイドットで文字や映像を表示でき、きめ細やかな映像表現を可能にしたという。
プラネタリウム向けのフルドーム映像などを手がけるライブの上坂浩光監督(『HAYABUSA』三部作など)は、「圧倒的な輝度とダイナミックレンジが描き出すLEDドームのパワーは、これからのフルドーム映像のあり方を変えてしまうかもしれない」とコメント。上坂氏は、五藤光学研究所も制作に関わっているドーム映像の新作『まだ見ぬ宇宙へ』において監督を務めている。
LEDドームはLED素子を利用した映像システムで、曲面に色鮮やかな映像を映せるだけでなく、高輝度、高色域といった特徴を活かし、明るい環境下でも映像を視認可能。
従来のドーム映像はビデオプロジェクターを用いて投映していたため、室内環境を暗くする必要があったが、LEDドームは自発光なので明るい環境下でも使える。施設のロビーやエントランス、多目的ホールの天井などに導入することで、従来とは異なる空間創造が可能になる。
五藤光学のLEDドームでは、映像の制御に自社製の描画エンジン「バーチャリウムX」の技術を用いており、ドーム曲面に配置された無数のLED一つ一つに対して、バーチャリウムXからドット・バイ・ドットで映像を送出。プロジェクターによる投映映像と比べて「はるかに鮮明で美しい映像を表示できる」とする。
本社工場内に設置したデモ用のLEDドームの性能は以下の通り。納入仕様とは異なり、顧客の要望に合わせてカスタマイズできるとのこと。
- ドーム径:5m
- ピッチ幅:2mm
- 円弧ピクセル数:3,925pix
- 最大輝度:800nit
- 色深度:RGB8bit(10bit対応可能)
- 階調:16bit
- リフレッシュレート:3,840Hz
- フレームレート:60/120fps
【お詫びと訂正】初出時、記事タイトルにおいて、社名を誤って記載しておりました。お詫びして訂正します(12月16日 15:45) |