ソリダイムから今年秋に投入されたM.2 NVMe SSD「P44 Pro」。クライアント向け製品としてはフラッグシップに位置づけられており、512GB・1TB・2TBモデルをラインナップしています。今回サンプルを借り受けることができたので、性能についてかんたんに調べてみました。

  • ソリダイム「P44 Pro」レビュー PCIe 4.0インタフェースの限界へ、ランダム性能が速い

1TBモデルでも片面実装、ヒートシンクは非搭載

さっそく外観から見ていきましょう。パッケージにはコーポレートカラーの濃い青があしらわれており、製品本体は簡素なブリスターパックに収められていました。

  • パッケージと内容物。梱包はとてもシンプル

  • 手に持ってみたところ。M.2 2280規格に準拠した一般的なサイズ

  • 裏面。コントローラーとNANDは表面に集約して搭載されています

ヒートシンクは搭載しておらず、表面のシールにも特別な放熱機構は備えていません。安定した動作を担保するべく、別途ヒートシンクを用意したほうがベターです。

  • CPU直結PCIeレーンが割り当てられているM.2スロットに搭載

性能をチェック、ランダム性能高速さが特徴

テスト環境にIntel Core i5-13600Kを用い、性能をチェックしました。先に結果についてまとめておくと、読み込み・書き込み性能ともにPCIe 4.0 x4インタフェースの限界に迫る極めて高速なスコアを発揮。他メーカーから先行して発売されているモデルよりランダム性能も高速な点が特徴で、実ユースケースでは快適さを実感できそうです。

  • CrystalDiskInfo。NVMe 1.4準拠です

  • CrystalDiskMark。読み込みは7.1GB/s秒、書き込みは6.6GB/秒

  • AS SSD Benchmark。やや厳しめに出るアプリケーションですが、読み出しは5,942Mb/sに迫るスコア

  • HD Tune Pro(Read)。読み込みは1TB連続で行っても性能低下は起こりません

  • HD Tune Pro(Write)。1TB連続で書き込んだ様子についてわかります

HD Tune ProのFile Benchmarkはエラーで実施できませんでしたが、1TBを連続で書き込むWriteモードの挙動については要チェック。TLC NANDをSLC NANDとして活用して大容量データの高速書き込みを維持するモードが搭載されているようで、完全な空き状態では450GB前後がSLCキャッシュとして利用できるようです。

なお、高速なデータ転送に伴って発熱もそれなりにありました。ヒートシンク無しではサーマルスロットリングが発生していたので、ぜひマザーボードの付属品などを組み合わせて使いたいところ。PlayStation 5への増設では、別途ヒートシンクを購入しておいたほうがベターです。

  • とはいえ、このサイズのヒートシンクで抑え込めるレベル

充実した速度性能を実現したP44 Pro

PCIe 4.0対応SSD製品が投入されてからしばらく時間が経ったこともあり、競合含めて多種多様な製品を選べるようになった2022年。最後発としてソリダイムが展開する「P44 Pro」は、並み居るライバルに性能でしっかり差別化を図った強力な製品に仕上げられているように感じました。

  • Solidigm P44 Pro