各サンプルの菌叢解析の結果、細菌については、皮膚表面と比較してニキビ内部においてアクネ菌「Cutibacterium」の構成比が高くなっていることが確認されたほか、ブドウ球菌「Staphylococcus」などの菌も検出されたという。真菌については、皮膚表面およびニキビ内部ともに、マラセチア「Malassezia」が多く検出されたとする。
菌叢の指標の1つとして、どれくらい多くの種類から構成されているのかといった「多様性」が評価に用いられる。細菌において皮膚表面とニキビ内部の菌叢を比較するため、遺伝的な相違に着目した解析法「Faith’s Phylogenetic Diversity」による多様性比較解析が行われた。
すると、ニキビ内部において、アクネ菌の比率が高いものの、そのほかにも多くの種類の菌が生息しており、皮膚表面よりも多様性が高くなっていることが判明したという。これはニキビ内部の菌叢は、皮膚表面よりもより多くの種類の細菌で構成されているということを意味するという。
またニキビ内部では、個々人でも菌の構成が異なっていることが確認されたともしており、このことから、皮膚の状態に個々人の菌のバランスが大きく関与していることが考えられるという。なお、皮膚表面、ニキビ内部ともに、細菌、真菌の構成比に男女差は認められなかったという。
研究チームでは、今回の結果から、菌のバランスを正常に保つことは、皮膚を健康な状態に保つことにつながることが推測できるとしている。