ハイビームは10月18日、中国AOKZOEのポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1(エーオーケーゾーイ エーワン)」の日本国内取り扱い開始にあわせて、製品説明会を開催した。説明会ではAOKZOE A1の仕様や特徴の紹介に加え、ハイビームが今後予定しているAOKZOE A1関連事業やハイビーム店舗展開を発表。そして、ハイビームアンバサダーの三田寺理沙さんによるAOKZOE A1のデモプレイが行われた。

  • Ryzen 7 6800Uを搭載したポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1」

AOKZOE A1は、プロセッサにAMDのRyzen 7 6800U(8コア16スレッド、動作クロック2.7GHz/4.7GHz、L3キャッシュ容量16MB)を採用し、OSにWindows 11 Homeを導入したポータブルゲーミングPCだ。上海に拠点を置くAOKZOEがクラウドファンディングで資金を調達して開発・製造を進めており、中国では先行して出荷が始まっている。

日本ではハイビームが国内総代理店を務め、AOKZOE A1を販売する。予約はハイビームWebページにて10月18日から始まっており、製品出荷は11月25日からの予定だ。

製品ラインアップには、バッテリー容量が異なるAOKZOE A1とAOKZOE A1 Liteがあり、それぞれでメモリとストレージ容量が異なるモデルを用意する。価格はAOKZOE A1の32GB・1TBモデルで174,800円、16GB・1TBモデルで149,800円、16GB・512GBモデルで139,800円。

AOKZOE A1 Liteの16GB・512GBモデルで136,800円となる。なお、10月中にハイビームのWebページで予約するかメールマガジンに登録すると、5,000円オフになるクーポンを配布中。詳細は特設ページまで。

  • AOKZOE A1のラインアップと価格

説明会では、AOKZOE A1の特徴として8型IPS液晶ディスプレイで1,920×1,200ドット、画素密度283ppiもの高解像度表示が可能であることがアピールされた。ディスプレイの最大輝度は350nitに達する。本体サイズはW282×H125×D21mmと、競合する7型ポータブルゲーミングデバイス「Steam Deck」よりもコンパクトに収まっており、重さもAOKZOE A1で723g、AOKZOE A1 Liteで668gと軽量だ(Steam Deckの本体重さは669g)。

  • 競合するSTEAM DECKと比べてディスプレイは広いのに本体サイズはコンパクト

グラフィックスには、Ryzen 7 6800Uに統合されているRNDA 2ベースのRadeon 680Mを利用する。ハイビームは主要なゲームタイトルで測定した平均FPSを公開しており、『Cyberpunk 2077』では1,920×1,200ドットで35~38fps、『Farcry 6』で35~48fps、『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』で36~42fpsなどのスコアが紹介された。

  • 主要ゲームタイトルにおけるフレームレート

本体のデザインは、両手でボディを保持しやすいようにスティックやボタンの操作で本体を支えるグリップ部分を136度に、本体重量を支える部分の角度を132度に、そして本体左右両側面を120度にそれぞれ角度をつけている。

内部には3軸ジャイロスコープ搭載し、レーシングゲームではステアリングとして、FPSでは照準合わせとして、直感的なゲーミングデバイスとしても利用できる。また、デュアルリニア振動モーターも組み込んだことで、フォースフィードバックデバイスとしても機能する。

  • 両手で保持しやすいエルゴノミクスデザインを採用した

加えて、ジョイスティックでは自動キャリブレーション機能を実装したほか、本体にはデスクトップ画面とゲーム画面を切り替えるホームボタン、キーボードとポインティングデバイスの切り替えボタン、プロセッサのTDPを28Wと15Wに切り替えて処理能力優先と省電力優先を切り替えるターボオンオフボタンを用意して、それぞれワンアクションで変更できるようにしている。

より詳細な設定をしたいときには、プリインストールされている専用カスタマイズツールを使って、GPUの動作クロックやクーラーファンの回転速度、ディスプレイ輝度、そして、フォースフィードバックの感度と強度まで設定可能だという。

  • 詳細な設定が可能なカスタマイズタブ

インタフェースには、USB4 Type-C×2基とUSB 3.0 Type-A、microSDスロットを搭載。USB4を介して外部ディスプレイの接続に対応し、より大画面でゲームを楽しめることがアピールされた(ただし、一度にUSB4として使えるのは片方のみで、USB4としての使用中はもう片方の帯域が制限される)。

また、Ryzen 7 6800を効率よく冷却して高いパフォーマンスを維持するために、内部にはPC用のファンと、2本の純銅製ヒートパイプを組み込んだクーラーユニットを採用していることも紹介された。

  • 本体上面インタフェース

  • 本体下面インタフェース

  • 背面には自立するためのキックスタンドも備える

ハイビーム代表取締役の山田拓郎氏は、ポータブルゲーミングPCに注力する理由として、ゲーミングPCの売り上げ伸び率がコンソールゲーム機を超え、東京ゲームショウでSteamが大規模なブースを構えるなどPCゲームの勢いが増していると指摘。

この流れに乗るべく、ハイビームでは公式オンラインストアの拡充、11月のハイビーム大阪進出、そしてハイビームが取り扱っている製品のレンタルサービスの開始や、修理窓口をはじめとするポータブルゲーミングPC専用サポートセンターの開設といった新しい取り組みについて紹介した。サポートセンターではゲームコントローラーや内蔵バッテリーの交換に有償で対応するという。

  • ハイビーム代表取締役の山田拓郎氏

また、新たにハイビームで取り扱う周辺機器のラインアップとしてNrealの「Nreal Air」を紹介した。日本Nrealのマーケティングマネージャーの下髙原沙也佳氏は、Nreal Airの特徴として、わずか74gと軽量であること、見ため上のサイズが201インチという従来の2倍相当のスクリーンサイズでコンテンツを楽しめること、そして3段階で角度調節を行えるできるテンプル傾斜角調整システムなどをアピールした。

  • 日本Nrealマーケティングマネージャーの下髙原沙也佳氏

  • Nreal Airはサングラスのようなウェアラブルデバイスで、1,080p/60fpsの画面表示を行える。黒いカバーをかけることでより鮮明な画質を表示可能

説明会では、YouTubeで「みたでらげーむ」チャンネルを運営する三田寺理沙さんが登場。AOKZOE A1を使って『Apex Legends』をプレイする様子を紹介した。三田寺さんはAOKZOE A1によるゲームプレイについて、「普段使っているゲームパッドに近い感覚で使える。それからゲーミングデバイスのように光るのもいい。ボタンも柔らかくて押しやすい。自分が普段使っていて慣れているデバイスに合わせてカスタマイズできるのもいい」とポジティブな感想を述べていた。

  • AOKZOE A1のデモプレイを披露した三田寺理沙さん