10月1日より、東日本旅客鉄道と、動画配信サービス・Netflixのコラボ車両が運行を開始しているが、ネットでは、少し違った角度からこのコラボが注目を集めているようだ。
本コラボは、鉄道開業150周年を記念した鉄道開業時の1号機関車(150形蒸気機関車)をイメージした「黒い山手線」を、Netflixがジャックするというものになっている。具体的には、Netflixで人気の14作品の世界観を楽しむことができるコラボ車両が、山手線に10月1日から12月31日までの期間限定で登場する。
コラボ車両は、1号機関車をイメージした黒色でフルラッピングされた車体の各部に、Netflixのロゴマークがあしらわれているデザイン。車内には、「今際の国のアリス」や「イカゲーム」などの人気Netflix作品の世界観を楽しめる空間を再現しているそうだ。
しかし、本コラボを知ったネット民の間では、「全面ラッピングは東京都の条例に違反するのでは?」という声が上がっていた。実際「東京都の屋外広告物のしおり」で、「ウ 電車(路面電車を除く)の車体の外面を利用する広告物等 車体の一の外面における各広告物等の表示面積の合計は、当該外面面積の10分の1以下としてください」という記載を確認できる。これを見る限り、今回のコラボ車両は条例違反の状態に見えるのだが、実はこの条例をくぐり抜けるカラクリがあるようなのだ。
そのカラクリとは、車体の「黒いラッピング」は東日本旅客鉄道が150周年を記念して企画したものであり、広告は「Netflixのロゴマークである赤いN」のみ。一見するとネトフリの赤黒デザインにしか見えないのだが、こうすることで、条例違反を回避しているようだ。
ちなみに同様の手法は珍しいものではなく、これまでにも度々用いられているそう。例えば、山手線命名100周年を記念して復刻カラーのチョコレート色でラッピングした車両が登場したことがある。その際は、チョコレートメーカー・明治製菓の商品やロゴを入れて、車体全体が明治製菓のチョコレートのような見た目になっていた。
ネット上では「すごい発想」「リーガルハックだ..」「たしかに、Nだけだと「車体一面の面積×(1/10)以下」の要件を満たす。天才」と、目の付け所に感心する声が多く寄せられた。