NVIDIAが2022年9月20日に発表したゲーミング向けGPUの新モデル「GeForce RTX 4000」シリーズ。新アーキテクチャ「Ada Lovelace」を採用し、レイトレーシング用のRTコアや深層学習用のTensorコアも新世代に刷新、フレーム生成技術の追加でよりフレームレートを高められるようになったアップスケーラー「DLSS 3」に対応など、数多くの注目点がある。

詳しくは別記事の「NVIDIA、「GeForce RTX 4090」と「RTX 4080」を発表 - アーキテクチャは“Ada Lovelace”」や「「NVIDIA DLSS 3」発表! “力ずく(brute-force)”のレンダリングより約4倍速い」で確認していただきたい。

仕様は以下の表の通りだ。

■GeForce RTX 4000シリーズのスペック
GPU名 RTX 4090 RTX 4080(16GB) RTX 4080(12GB)
CUDAコア数 16,384 9,728 7,680
ベースクロック 2230MHz 2210MHz 2310MHz
ブーストクロック 2520MHz 2510MHz 2610MHz
メモリサイズ GDDR6X 24GB GDDR6X 16GB GDDR6X 12GB
メモリバス幅 384bit 256bit 192bit
RTコア 第3世代 第3世代 第3世代
Tensorコア 第4世代 第4世代 第4世代
アーキテクチャ Ada Lovelace Ada Lovelace Ada Lovelace
DLSS 3 3 3
NVENC 第8世代×2 第8世代×2 第8世代×2
カード電力 (W) 450 320 285
システム電力要件 (W) 850 750 700
電源コネクタ 8ピン×3または450W以上の12VHPWR×1 8ピン×3または450W以上の12VHPWR×1 8ピン×2または300W以上の12VHPWR×1

今回、「GeForce RTX 4090 Founders Edition」を入手することができたので、さっそく開封していきたい。NVIDIAによると今回開封するものが、そのまま製品パッケージとして出荷されるとのこと。ただし、これまでのFounders Editionと同様に日本での発売は予定されていない。残念なところだ。

  • GeForce RTX 4090 Founders Edition。価格の目安は29万8,000円から

    GeForce RTX 4090 Founders Edition。価格の目安は29万8,000円から

GeForce RTX 4090 Founders Editionのパッケージはほぼ真っ黒の渋いデザインだ。側面を見ると、段ボールが何層にも重なった作りなのが分かる。価格の目安はドルで1,599ドルより、日本円では29万8,000円となっており、箱を持ち上げるだけでもちょっとドキドキする。

  • 側面を見ると段ボールが層になっているのが分かる

  • 背面を見るとスペックや各言語の保証、サポートサイトへの案内が書かれている。日本語もあるが、Founders Editionの日本での販売予定はない

まずは両側面にある「TEAR」と書かれたシールを剥がす。するとフタが持ち上がるようになる。フタを背面まで回すとちょうどGeForce RTX 4090 Founders Editionとご対面! パッケージは三角形になり、ちょうどディスプレイ台のような形になる。カードが収納されている部分の周囲には集中線が描かれており、「ドーン!」という効果音を入れたくなる雰囲気だ。SNS映えを意識しているのだろうか。

  • まずは側面にある「TEAR」というシールを剥がす

  • フタを持ち上げると開く仕組み

  • フタを背面まで回すとディスプレイ台のようになる。「ドーン!」と言いたくなるような集中線がカードを引き立てる

カードを箱から出すと、その裏に小さな箱が収納されているのが分かる。この箱には簡単な説明書と最大600Wを供給できる次世代ビデオカード向け電源コネクタ「12VHPWR」を従来のPCI Express 8ピン(6ピン+2ピン)×4基に変換するためのケーブルが入っている。GeForce RTX 4090 Founders Editionの補助電源コネクタは「12VHPWR」が採用されており、12VHPWR電源ケーブルを備えていない従来の電源ユニット用に変換ケーブルが付属している、というわけだ。ちなみに、NVIDIAによると、「電源側の仕様にもよりますが、極力分岐していないPCI Express電源ケーブルで接続してください」とのこと。PCI Express 8ピン電源ケーブルは8ピン×2の二股になっているものが多いが、極力片方だけを使えということだ。PCI Express 8ピン電源ケーブルを4系統持っている電源ユニットは大出力の一部だけに、なかなかハードルが高い条件と言える。

  • カードを取り外すと、収納されている小さな箱を引っ張り出すためのツマミが見える

  • 箱には説明書と12VHPWRをPCI Express 8ピン×4基に変換するケーブルが入っている

ここからは、GeForce RTX 4090 Founders Edition本体を見ていこう。デザインはGeForce RTX 3090 Founders Editionと似ている。カード長は筆者の実測で314mm、高さはカードだけだと124mm、カードを固定するための金具まで含めると152mmに達する。厚みは3スロット分あり、エアフローを考えると実質4スロット分必要と考えたほうがよさそうだ。ファンは表に吸気、背面に排気ファンを1基ずつ備えている。このあたりの構造もGeForce RTX 3090 Founders Editionと同様だ。

  • 取り出したGeForce RTX 4090 Founders Edition。かっこいいぜ

  • 厚みは3スロット分ある。カードが隣接するとエアフローが厳しくなるだけに、実質4スロット分必要そうだ

  • 正面側。実測で口径115mの吸気ファンが取り付けられている

  • 背面側。同サイズの排気ファンがあり、空気が抜けやすくなってる。RTX 4090のロゴもある

  • 映像出力はDisplayPort×3、HDMI×1だ。ここにも排気用のスペースが設けられている

  • カードの中央付近に12VHPWRコネクタを備える。対応電源ユニットになれば、電源の接続はかなりラクになる

  • 12VHPWRを8ピン×4基に変換するケーブルを接続したところ。従来の電源が使えるのはメリットだがケーブル配線はちょっと面倒になりそうだ

  • 後部にはマグネットで固定されている小さなカバーがあり、外すとネジ穴が登場。カードを支えるステイなどを取り付けるために用意されているのだろうか

と、ここまでがGeForce RTX 4090 Founders Editionの開封だ。パフォーマンス検証については近日中にお届けできるだろう。RTX 3090 Tiから最大4倍という性能がどれほどのものかテストするのが楽しみだ。