シャープのスマートフォン「Sense」シリーズは買いやすい価格が魅力のミドルレンジクラスの製品です。ところが今回発表になった最新モデルの「AQOS Sense7」シリーズは、これまでのSeenseシリーズとは一味も二味も違うカメラや動画性能が大きな特徴となっています。どのように進化したのか、さっそく実機を触ってみました。

  •  シャープのミドルハイレンジモデルAQUOS Sense7シリーズが登場

    シャープのミドルハイレンジモデルAQUOS Sense7シリーズが登場

「AQUOS Sense7」は6.1インチディスプレイの小型モデル。本体の横幅は70mmと片手でも楽に持てます。チップセットはSnapdragon 695 5G、メモリ6GBとストレージ128GBを搭載。バッテリーは4,570mAhです。本体カラーはブラック、ライトカッパー、ブルー。他にドコモオンライン限定のラベンダーがあります。販売キャリアはドコモとauです。

  • 6.1インチ画面の小型ボディー、AQUOS Sense7

上位モデルの「AQUOS Sense7 plus」は6.1インチディスプレイに5,050mAhバッテリーを内蔵。チップセットとメモリ構成はAQUOS Sense7と同等です。AQUOS Sense7 plusはAQUOS Sense7を大型化しただけではなく、ディスプレイの性能そのものも高められています(後程説明します)。本体カラーはブラック、ディープカッパー、シルバー。こちらの販売キャリアはソフトバンクです。

  • ディスプレイとバッテリー性能を高めたAQUOS Sense7 plus

AQUOS Sense7シリーズ共通スペックとして背面のカメラデザインが大きく変わりました。ライカカメラ搭載の上位モデル「R7」同様に、背面中央に大きなメインカメラを配置しているのです。画素数は5,030万画素。また隣に小さく見えるのは800万画素のウルトラワイドカメラです。

  • メインカメラは中央に配置。この位置は使いやすい

AQUOS Sense7シリーズのカメラは画素数が高いだけではなく、センサーサイズも1.55インチと大型のものを搭載しています。同じミドルレンジクラスのスマートフォンでここまで大きいセンサーを搭載しているモデルは多くありません。さらにフラグシップの「AQUOS R7」が搭載する画質エンジン「ProPix4」を採用しており、ハイエンドモデルに肉薄するクオリティで写真撮影が可能とのこと。そして全画素PDAF採用でオートフォーカスの時間も短くなっています。

  • 1.55インチの大型センサーを搭載

センサーサイズが大きくなった一番のメリットは夜景や暗いシーンでの撮影性能の向上です。これはセンサーが大きくなれば集められる光の量が増えるからです。AQUOS Sense7シリーズで夜景を撮ると、ネオンライトなども白飛びせずしっかり撮影できますし、明かりの少ない室内で集合写真を撮っても細かい部分がボケることもありません。ハイエンドスマートフォンでも夜景モードでは撮影時に数秒かかるものがありますが、AQUOS Sense7シリーズでは瞬時に撮影可能。「誰でも簡単に失敗せず夜景が撮れる」のです。

  • 特に夜景や暗いシーンでの撮影性能が大きく高まった

1.55インチの大型センサーはより自然なボケの写真も撮影できます。1インチセンサーのAQUOS R7ほどではないにしろ、AQUOS Sense7シリーズでも背景の手前にピントを合わせるとしっかりボケてくれます。ちょっとしたアーティスティックな写真も撮影できます。

  • ボケのある写真も撮れるなど、カメラを使うのが楽しくなる

ウルトラワイドカメラも搭載しているので撮影の幅も広がります。望遠は搭載していないものの、食事の写真など日常的によく撮影する写真がきれいに撮れるので十分満足できるでしょう。なお望遠カメラは搭載していないものの、デジタルで8倍までの望遠に対応します。

  • ウルトラワイドカメラも搭載しているので撮影の幅が広がる

なおフロントカメラは800万画素ですが美顔モードは豊富なパラメーターの調整が可能。肌の色合いだけではなく顔をスリムにするなど「ぼかし」「美肌」「小顔」「色合い」「明るさ」を微調整できます。

  • フロントカメラは800画素。セルフィーだけではなくビデオ会議にも十分使える

  • フロントカメラでは多彩な美顔モードを選べる

さて、昨今ではマスクをつける生活が当たり前になりました。AQUOS Sense7シリーズはマスクをつけた状態での顔認証にも対応します。最初の顔の登録はマスクをはずした状態で行い、マスクは不要です。そして実際にマスクをつけてAQUOS Sense7の画面を見ると、一瞬でロックが解除されるのです。かなり速いので認証の精度が甘いのではと勘ぐってしまいますが、顔写真での解除はできませんでしたし、寝顔でも認証はできないとのこと。iPhoneもマスク顔認証に対応していますが、ミドルレンジのAQUOS Sense7シリーズでも同等の機能が使えるとは驚きです。

  • 画面を見ると一瞬でロック解除される。マスクしたままQRコードを呼び出すときなど便利だ

2つのモデルのうち、上位モデルのAQUOS Sense7 plusは動画を見るときの体験を向上させています。画面のリフレッシュレートは240Hzに対応、また大口径・大振動スピーカーを搭載し「AQUOS史上最高のサウンド」を実現しています。本体の横幅は76mmで片手での操作も問題ありません。動画中心の利用を考えているならAQUOS Sense7 plusがお勧めと言えるでしょう。

  • 大画面でも使いやすい、動画視聴に最適なAQUOS Sense7 plus

一方のAQUOS Sense7は手のひらの小さい女性などでも十分持てる小さな大きさが魅力。コンパクトサイズながらカメラ性能はAQUOS Sense7 plusと変わりません。小型のカメラフォンとして2台目に使う、というのもありでしょう。

  • 小型のボディーが魅力のAQUOS Sense7

AQUOS Senseシリーズはキャリアで手ごろな価格で販売されていることから「迷った時の1台」と考えて買う人も多いかもしれません。しかしAQUOS Sense7シリーズは上位モデルにも負けないカメラ性能を誇っており、カメラ機能を重視する人にも十分応える製品に仕上がっています。今までのSenseシリーズを大きく超えた新モデル、楽しいカメラ体験を与えてくれるスマートフォンになりそうです。

  • AQUOS Senseシリーズ最高のカメラ性能、どちらを選ぶか悩ましい