今月、英国の新首相に就任したのはリズ・トラス氏だったわけだが、実は「ダウニング街10番地」(英国首相官邸)にて2011年から「ネズミ捕獲長」を務める猫のラリーが、英国の次期首相候補になっていたと、ネットで話題になっている。一体どういうことだろうか。

英国の首相官邸ネズミ捕獲長(Chief Mouser to the Cabinet Office)とは、1924年から続く、ダウニング街10番地(英国首相官邸)の公式な飼い猫に与えられる役職だ。官邸に出没するネズミ捕りを主に担っており、飼い猫と言っても、公務員として正式に雇用される立場となるので、給与や福利厚生も受け取っている。

もともと迷い猫だったラリーは、ダウニング街のスタッフにスカウトされ、2011年2月15日より英国首相官邸「ネズミ捕獲長」に就任。当時の英首相だったキャメロン氏のペットになる予定だったそうだが、ネズミ捕り能力と狩猟本能の高さから、ラリーは公務員としてその職に就くことになった。2016年に英国の欧州連合(EU)離脱是非を問う国民投票の結果を受けキャメロン氏が首相を辞任、テリーザ・メイ氏が新首相に就任した際も、2019年にメイ氏からボリス・ジョンソン氏へと首相が引き継がれた際も、ラリーは首相官邸の真の主が自分であるとを証明するかのように、「ネズミ捕獲長」に留任となっていた。

今回話題になったのは、ボリス・ジョンソン氏が首相と与党保守党党首の座を辞任すると表明したことで、後任選びが本格化したこと最中、「もしチャンスがあったら、誰に投票する?」とのメッセージが付けられたポスターだ。英国は議院内閣制で、与党党首が首相に任命されるのだが、選挙で投票できるのであれば、誰を首相にしたいのか、という内容になっている。ポスターでは与党党首選の有力候補だったリズ・トラス氏やリシ・スナック氏と並んで、ラリーが候補に挙げられていた。しかもポスターには「LARRY FOR LEADER」とも書かれていて、そもそもラリーを次期首相に推している。

  • 英国「ネズミ捕獲長」猫のラリー、次期首相候補だった? ネット「選挙したら勝つ」

    クスッとする内容のニャーフェストも掲げられた

このポスター、実は広告制作会社のDon't Panicが行った政治キャンペーンでつくられたもの。キャンペーンサイトも作成されている。Twitterでは「ラリーをリーダーに(Larry4Leader)」や「Yes We Cat」などのハッシュタグが拡散され、賑わいを見せたが、9月5日には英国の新首相としてトラス氏が就任。ラリーは惜しくも敗れたかっこうだが、たぶん本人は立候補する気すらなかったのではという疑問も残る。

ちなみにキャンペーンでは、ポスター以外にも、細かいところまで選挙っぽくこだわっており、マニュフェストならぬ、ニャーフェストまで掲げていた。具体的には「すべての子供に食事、すべての子猫にウェットフードを」や「快適なクッションの上でない限り、10番地で横になることはない」などを訴えていた。

ネット上では「実際にこの三人で国民選挙したらラリーが勝つやろw」「猫の国を実現させよう!!」「イエス・ウィー・キャットは草生える」などの声が寄せられた。