京都大学らの研究グループは、仏教とメタバース技術を融合させた仏教仮想世界「テラバース」の開発を開始したことを9月7日に発表(pdfが開きます)した。仮想空間で自社仏閣を建築・維持したり、遠隔地からの訪問に困難を抱える自社などの地理的ハンディを克服するなどの様々な可能性があるという。

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    京都大学が「テラバース」の開発をスタート

研究グループは、コロナ禍の影響などで現実世界に窮屈さを感じている人が増えていることや、訪問者が減り、収入が減少したことで寺院の維持管理が困難になっていることを背景に、物理的制約のない仮想空間の可能性があるとして「テラバース」の開発を開始したという。

「テラバース」の端緒として、AR(拡張現実)やAI(人工知能)などの最新技術を用いて、現実空間上に仏教対話AI「ブッダボット」のアバターを召喚し、ブッダと直接対話できるというプラットフォーム「テラ・プラットフォーム AR Ver1.0」を開発。同プラットフォームでは、スマホ画面に召喚した「ブッダボット」に質問をすると、仏教教典に基づいた回答をしてくれるようだ。「ブッダボット」には、最古の経典「スッタニパータ」や、代表的な原始仏教経典の1つ「ダンマパダ」を学習させているという。

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研究グループによれば、今回のプラットフォームは、学術利用およびモニター利用のみとして、不特定多数への一般公開はしない予定だそう。理由は仮想空間は自由が故に、悪用の可能性があるからとのこと。

また「テラバース」という言葉には、「一兆(テラ)の宇宙(バース)」という意味が込められているという。また「テラ」(寺院)という裏の意味も含んでいるそうのだとか。シャレも効いていて、新しい宗教の形が期待できる。

ネット上では「デジタルで使われるテラと寺がかかってて、シャレも効いてる。」「こんなのもあるんだな~」「おもしろい試みだね」「テラバース、ブッタボットはパワーワード過ぎない!?」などの声が寄せられた。