アップルの新製品発表イベントで、iPhone 14シリーズとともにApple Watchの新製品がお披露目されました。発表されたのは「Apple Watch Ultra」「Apple Watch Series 8」「Apple Watch SE」で、一度に3製品が登場するのは異例。特に、新しいデザインと突出したタフネス性能が目を引くApple Watch Ultraが気になっている人は多いでしょう。発表会場に展示されていた実機をもとに、外観を中心に新Apple Watchシリーズをチェックしたいと思います。

  • 左から「Apple Watch Ultra」「Apple Watch Series 8」「Apple Watch SE」。屈強な新デザインを採用したApple Watch Ultraが、機能面とデザイン面で注目を集めそう

ダイバー必見、都会派も注目の「Apple Watch Ultra」

まったく新しい高性能モデルとして登場したのがApple Watch Ultra。ロッククライミングやダイビングなど、極限のアクティビティでも使えるタフネス性能を備えた異色のモデルですが、チタン製の外装やフラットなパネルなどデザイン的な魅力も高いのがポイント。価格は124,800円からとApple Watchとしては高価ですが、都会派のファンも気になるモデルに仕上がっています。

  • 極限のアクティビティでも使えるタフネス性能が特徴のApple Watch Ultra

ケースのサイズはApple Watch初の49mmで、表示は大きく存在感があります。パネルの解像度が高いこともあり、緯度経度やコンパスなどの情報を常時表示する独自の文字盤を用意しています。さらに、闇夜でもまぶしくなく情報を確認できる赤色の表示も備えます。

  • ケースは49mmと大きいうえ、情報量の多い独自の文字盤を用意

  • まぶしさを感じずに情報を確認できる赤色の表示にもワンタッチで切り替えられる

  • 左側面に新設したアクションボタンを押すと、ワークアウトやダイビングの操作などが呼び出せる

本体は最大100mの防水性能やタフネス性能を備えたこともあって厚みがあり、重さも約61.3gと腕に装着するとズシリとくるほど。側面のデジタルクラウンやボタンは、手袋を装着した状態でも操作できるよう大きくなっていますが、これがデザイン的な魅力にもつながっています。大容量のバッテリーを搭載したことで、駆動時間は最大36時間まで長くなっているのは見逃せません。

  • パネルがフラットな構造になって張り出しがなくなり、耐衝撃性が高まった

  • デジタルクラウンの形状が改良されたほか、ガードも付けられた

  • オレンジ色で目立つアクションボタン。隣の穴は緊急時に大音量で鳴るサイレンだ

  • 背面。バンドは45mmタイプのものが流用できるとみられる

安全なダイビングに欠かせないダイブコンピュータ(ダイコン)の機能を備えるのは、ダイバーにとって注目ポイントとなりそうです。ダイコンとしても十分な機能を持ちながらも、日常生活でも通知や音楽再生などApple Watchの機能がフルに享受できるのは、一般的なダイコンにはないポイント。2種類の腕時計を取っ替え引っ替え使うダイバーの文化が過去のものになるかもしれません。

  • ダイビングに向くオーシャンバンド

  • チタン製のバックルで固定する

  • こちらは薄型化が図られたアルパインループ

シリーズ初の機能追加で熟成した「Apple Watch Series 8」

主力モデルのApple Watch Series 8は、Apple Watch Ultraほどのインパクトはないものの、ユーザーを広げるための着実な改良が施されています。価格は59,800円から。

  • 従来モデルのデザインを継承するApple Watch Series 8

大きな改良点が、新しい温度センサーを追加して体温の変化を細かく計測できるようにし、排卵日の予測や深刻な病気の予測ができるようになったこと。女性向けの機能ですが、これまでApple Watchを使っていなかった人が続々と購入しそうです。

  • 排卵日の予測が可能になり、iPhoneのヘルスケアアプリで詳細が確認できる

万人向けの機能としては、新たに自動車の衝突事故検出機能を搭載したことが注目できます。Apple Watchのセンサーや気圧計、マイクなどを利用して衝突事故を検出し、装着車の反応がない場合は自動的に緊急通報してくれる機能。万が一の事故に遭遇しても生還できる可能性が高まります。

常時表示ディスプレイなどの機能を一括してオフにし、バッテリー駆動時間を延ばす低電力モードの追加など、地味ながら有用な機能も追加しています。血中酸素計測や心電図計測などの基本機能も継承しており、スタンダードモデルとしてコンスタントに売れる機種となりそうです。

  • 低電力モードを有効にすると、ワンタッチでバッテリー駆動時間が伸ばせる

Series 3に代わる新たなエントリー「Apple Watch SE」

エントリーモデルのApple Watch SEも、2年ぶりにモデルチェンジしました。37,800円と手ごろな価格ながら、Apple Watch Series 8と同じチップを搭載し、レスポンスを高めています。衝突事故検出機能も搭載しています。ロングセラーになったApple Watch Series 3がついに販売終了となったため、子どもに持たせるエントリーモデルとして注目されそうです。

  • 新たな低価格モデルとして基本性能を高めたApple Watch SE