NTTドコモのモバイル社会研究所は、2021年10月に実施した防災に関する調査から災害用伝言板に関するデータをまとめ、8月29日と9月1日にそのレポートを公開した。調査によれば災害用伝言板の認知率は49%に達する。また、体験版を利用することにより正確に利用できる自信が高まるという。
災害用伝言板は、大地震/台風/集中豪雨などの大規模な風水害が発生した際に開設される、安否確認のための伝言が残せるサービス。NTT東日本/NTT西日本による固定電話向けサービス、NTTドコモ/KDDI/ソフトバンク等による携帯電話向けサービスが提供されており、現在はどのサービスを利用してもすべての災害用伝言板の登録情報を横断検索できるようになっている。
その災害用伝言板の認知率を年代別/都道府県別にまとめたのが次のグラフ。全体としては49%。年代別に見ると10代がもっとも低いが、それでも39%。それ以外は年代ごとのばらつきはそれほどみられない。都道府県別でもそれほど大きな差はなく、最低は沖縄県の39.5%、最高は栃木県の56.5%となっている。
災害用伝言板を知っている人に、利用したことがあるかどうかを尋ねたのが次のグラフ。災害時に利用したことがあるという人は3.7%、体験版で利用したことがあるという人が8.1%。何らかの形で災害用伝言板を利用したことがあるという人は11.8%という結果だった。
災害用伝言板を知っている人に、正確に利用できるかを尋ねた結果が次のグラフ。52%が「あまり自身がない」、23%が「自信がない」で、正確に利用できる自信があるという人は少数派。年代による差はみられなかったとのことだが、男女別では男性のほうが正確に利用できるという自信を持つ人の比率が高い傾向がみられた。
さらに、災害用伝言板の利用経験ごとに正確に利用できる自信の有無を調べたのが次のグラフ。実際に災害の際に災害用伝言板を利用したという人が高い自信をもっているのは当然として、体験版を利用したという人もまったく利用経験がない人にくらべて利用にあたっての自身を持つ人の比率が高まっている。このことから、いざというときに困らないよう、災害発生前に体験版を利用してみることが大事だということがわかる。
NTTドコモでは、以下の日時に災害用伝言板の体験サービスを実施している。他社でも、終了時刻等に多少の違いはあれど、概ね同じタイミングで体験版を利用可能。本記事を執筆している9月1日も防災週間で伝言板体験サービスを実施中となるので、この機会に体験版を利用してみて、家族の安否確認について話し合っておくことをおすすめする。
- 毎月1日/15日(0時00分~23時59分)
- 正月三が日(1月1日12時00分~1月3日23時00分)
- 防災週間(8月30日~9月5日)
- 防災とボランティア週間(1月15日~1月21日)
※実際に災害が発生した場合などには、体験サービスは中止となることもある。