ソニーのスマートフォン「Xperia 5 IV」が発表されました。コンパクトなボディに上位モデルに近いスペックを搭載したXperia 5シリーズの最新モデルです。今回、上位のXperia 1シリーズに対する機能の違いが、従来までとは少し異なるものとなっています。

日本を含むグローバルでの発売予定とされていますが、現時点で国内販売に関して詳細の発表はされていません。このXperia 5 IVの試作機に触れる機会がありましたので、インプレッションをお届けします。

  • Xperia 5 IV

    Xperia 5 IV

Xperiaシリーズ最上位モデルのXperia 1とXperia 5は、ディスプレイサイズが異なるというサイズの違いを除けば近しいスペックで、大画面向けのXperia 1とコンパクトさのXperia 5という位置づけでした。

  • 長細いボディ

    Xperia 1シリーズと同様の長細いボディ

今回も従来同様、ディスプレイはXperia 1 IVが6.5型/21:9/4K/120Hz/HDR対応/OLEDを搭載。Xperia 5 IVは、6.1型/21:9/FHD+/120Hz/OLEDとなっており、それに伴って本体サイズもXperia 5 IVの方がコンパクトになっています。

  • スライド:ディスプレイ

    ディスプレイは従来比で輝度が50%向上。リアルタイムHDRドライブで、周囲の照度に応じてコンテンツの明暗を再現してくれます

本体サイズ/重さはXperia 1 IVがH165×W71×D8.2mm/187gで、Xperia 5 IVがW156×W67×D7.2mm/172g。もともと細身のXperia 1/Xperia 5ですが、よりコンパクトで持ちやすいサイズなのがXperia 5 IVです。

  • 手に持ちやすいXperia 5 IV

    細身なので持ちやすく、画面サイズが小さいので片手での操作性も良くなっています

SoCはSnapdragon 8 Gen 1、メモリは8GB、ストレージは128GB/256GB。防水防塵、イヤホン端子装備、5G対応は共通しています。ただし、Xperia 1 IVが対応しているミリ波にはXperia 5 IVは非対応です。その代わり、新たにワイヤレス充電に対応し、この点ではXperia 1 IVに追いつきました。

  • 左側面
  • 右側面

    本体側面。指紋センサー一体型電源ボタンやカメラボタンは変わらず

  • 右側面をXperia 5 IIIと比較
  • 左側面をXperia 5 IIIと比較

    両側面を前モデルXperia 5 IIIと比較(上がXperia 5 IV、下がXperia 5 III)。比べると、Xperia 1 IVと同様にGoogleアシスタントボタンが廃止されているのが分かります。また、Xperia 5 IIIでは左側面にあったSIMトレイが底面に移動されました

  • 上面
  • 底面

    上面と底面。上面のイヤホン端子は健在です。底面の左側にあるのは左側面から移動されたSIMトレイ

  • 上面をXperia 5 IIIと比較
  • 底面をXperia 5 IIIと比較

    上面・底面を前モデルXperia 5 IIIと比較(上がXperia 5 IV、下がXperia 5 III)。SIMカードスロットが底面に移動しています。これはXperia 1 IVと同じ

  • モバイルネットワークへの接続画面

    グローバルモデルはeSIMをサポート。国内モデルもXperia 1 IVと同様に対応が期待されます

  • おすそわけ充電画面

    ワイヤレス充電に対応しており、他の端末にワイヤレス充電をするおすそわけ充電が利用可能

Xperia 1 IVとの大きな違いの1つがカメラです。これまで、Xperia 1とXperia 5はカメラ同等のカメラを搭載していたのですが、Xperia 5 IVではXperia 1 IVが搭載する望遠ズームレンズが省かれ、単焦点の望遠カメラの搭載となりました。センサーは1/3.5型12MPで読み出し速度120fp、レンズの焦点距離は35mm判換算60mm、F値はF2.4となっています。

  • Xperia 1 IVとXperia 5 IVのカメラ部

    Xperia 1 IV(下)とXperia 5 IV(上)のカメラ部。特に最下段の望遠カメラのサイズが異なっているのが分かります

  • スライド:カメラについて

    カメラの構成。センサーは全てExmor RS for mobile

Xperia 1 IVの望遠ズームは、ペリスコープ型で正面レンズから横方向に屈曲して端末中央に向かって部材が配置されています。かなりスペースを取る仕組みで、コンパクトなXperia 5では搭載を避け、その代わりにバッテリー容量を前モデルの4,500mAhから5,000mAhに大型化させ、ワイヤレス充電も搭載するようになったのでしょう。

  • スライド:バッテリについて

    コンパクトながらバッテリー容量は500mAh大型化し、5,000mAhになりました

カメラとしては、メインカメラに1/1.7型12MPセンサーを搭載。読み出し速度120fpsの高速センサーで、ピクセルピッチは1.8μm、レンズの焦点距離は24mm、F値はF1.7。超広角は1/2.5型12MPセンサーで、120fps読み出し、レンズ焦点距離16mm、F値F2.2というスペックで、望遠カメラ以外のスペックはXperia 1 IVと同等です。

  • スライド:リアルタイムトラッキングについて

    AIを活用したリアルタイムトラッキングを搭載。被写体までの距離をAIが解析し、複数の被写体がいても追尾し続けてくれるそうです

  • スライド:HDR連写について

    AF/AE追従の20コマ連写にHDR機能も備えています

フロントカメラも前モデルの1/4型8MPセンサーに対して、1/2.9型12MPセンサーと大型化。より明るくノイズの少ない自撮りが可能になったとしています。

  • スライド:インカメラについて

    Exmor RS for mobileになり、センサーサイズも大型化したインカメラ

  • カメラのUI

    カメラのUIは継続

  • ズーム倍率の切り替え式UI

    望遠ズームではないので、カメラアプリのUIではレンズの3段階の切り替えになっています

全カメラで120fpsの高速センサーを搭載するため、Xperia 1 IVで実現していたリアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングを同様に全てサポート。HDR対応の20コマ連写も全レンズで利用可能です。

  • スライド:ライブストリーム機能について

    スマートフォン単体でのライブストリーミングだけでなく、カメラに接続してのライブストリーミングも可能

  • Videography Proアプリからのストリーミング

    Videography Proアプリからストリーミングが可能

  • シューティンググリップの利用

    シューティンググリップ「GP-VPT2BT」との連携も可能です

音響性能も向上。スピーカーユニットに専用エンクロージャーを搭載したことで、最大音圧が約30%向上し、100~200Hzの低音域の音圧はさらに20~50%向上したとしています。実際に試聴してみると筐体の振動が抑えられ、クリアな音質になるとともに、より小さい音量でもきちんと聞き取れるようになっています。

  • スライド:スピーカーについて

    スピーカーユニットが刷新され、専用エンクロージャーを搭載しました

  • スライド:オーディオ機能

    スピーカーだけでなく、有線/無線のイヤホンを使ったリスニングでも高音質

  • スライド:Music Proアプリ

    Music Proアプリも搭載

ちなみに、Xperia 1 IIIと比べると音質はXperia 5 IVの方が上という位置づけとのことです。Bluetooth LE Audioのサポートも予定されており、ソフトウェアアップデートで対応するそうです。

イヤホンを使えばいいのですが、若者を中心にスマートフォンのスピーカーで映画などを視聴する例も増えているとのことで、スピーカーの高音質化を重視したとしています。

カメラ機能において最上位モデルと少し差が付いたXperia 5 IV。それでもセンサー性能に基づくカメラ機能は共通しており、ボディサイズを考えれば許容できるレベルでしょう。ワイヤレス充電やバッテリー容量の向上は、個人的には嬉しい機能追加と感じました。

  • 側面のアップ
  • スライド:側面デザインについて

    細かな違いでいえば、側面のデザインが曲面を生かしたラウンドフォルムからよりフラットなデザインに変更されています

  • スライド:ゲームエンハンサーのライブストリーミング機能
  • スライド:ゲームエンハンサーのチャット機能/レイアウトカスタマイズ

    ゲーム向けの機能としてはゲームエンハンサーの機能が向上し、ストリーミング機能が強化されています