2019年10月の無料サポータープログラム開始から、形を変えながら「月額0円」で利用できるプランを提供し続けてきた楽天モバイルですが、新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」への移行に伴い、いよいよ9月1日から完全有料化となります。

月間20GB以上のデータ通信を行う方にとっては今後も安価な料金プランではありますが、無料ならとお試しでサブ回線として契約してみた方など「0円終了」を機に解約やMNP転出をするつもりの人も少なくないでしょう。あらためて、新プランへの移行スケジュールを整理しておきます。

  • 楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」

    楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」

6月30日までに契約した人には経過措置がある

5月13日に発表された新プランのRakuten UN-LIMIT VIIは、月間データ通信量3GBまでは1,078円、3GB~20GBは2,178円、20GB以上は3,278円という3段階定額となっています。旧プランの「Rakuten-UN-LIMIT VI」には、新プランと同内容の3段階に加え、1GBまでなら基本料0円という4段階目がありました。

これまでのプラン改定時と同様に、楽天モバイルでは既存ユーザーもすべて新プランに自動で移行させています。Rakuten-UN-LIMIT VIからRakuten-UN-LIMIT VIIへの自動移行は7月1日に完了しました。しかし、「月額0円」目当てのユーザーにとってはインパクトのある改定ということもあり、10月末までの4カ月間は経過措置が適用されています。

以下で説明する内容は、6月30日までに旧プラン(Rakuten-UN-LIMIT VI)を契約済のユーザーが対象です。7月1日以降の契約分には以下の割引やポイント還元は行われません。

  • 既存ユーザーも新プランに自動で移行される。10月までは経過措置がある

    既存ユーザーも新プランに自動で移行される。10月までは経過措置がある

8/31まで:新プランに移行済でも「月額0円」延長中

新プラン発表の際、既存ユーザーへの対応を説明したスライドには「最大4カ月Rakuten UN-LIMIT VIの料金のままご利用いただけます」という文言がありました。これは部分的には事実ですが、やや不正確な表現でもあります。

新プラン移行後に0円ユーザーに与えられた猶予期間は4カ月間ですが、前半(7月~8月)と後半(9月~10月)では補填方法が異なります。

8月利用分までは従来通り、月間データ通信量が1GB以内に収まっていれば自動的に料金が0円になります。楽天ポイントを貯めていない、モバイル以外の楽天経済圏のサービスをあまり使っていないという方なら、余計な費用のかからないタイムリミットは8月31日です。なお、解約手続きは「my 楽天モバイル」からオンラインで済みます。

9/1~10/31:いったん料金を払って全額ポイント還元

では、8月までに解約せず9月・10月も継続利用する場合はどうなるのかというと、月間データ通信量が1GB以内なら、いったん通常料金を支払った上で後日楽天ポイントとして全額返ってくるという措置に変わります。

9月分は1,081円相当(プラン料金+ユニバーサルサービス料+隔月請求の電話リレーサービス料)、10月分は1080円相当(プラン料金+ユニバーサルサービス料)が翌々月末ごろにポイントとして付与される予定です。楽天ポイントを使うあてがあるのであれば、10月利用分までは引き続き実質無料といえます。11月以降は旧プランからのユーザーに対する優遇は終わり、Rakuten UN-LIMIT VIIの通常料金となります。

  • 6月末時点の回線契約数は23万減、一見傷は浅いようにも見えるが……?

    6月末時点の回線契約数は23万減、一見傷は浅いようにも見えるが……?

6月末時点では23万回線減、影響が本格化するのはこれからか

8月10日に開催された楽天グループの2022年度第2四半期決算説明会では、2022年4月時点と6月末時点の比較で、新プラン開始に伴って回線契約数は約23万件の純減(期間中の新規契約数-解約数がマイナスの状態)に転じたことが公表されました。

「0円終了」が大きな話題となった割にはユーザーの離脱を抑えられたとも思える発表でしたが、6月末時点ではまだ0円終了の発表という最初の山を越えた段階に過ぎません。今回解説したように、少しでも得をしたい既存ユーザーが選ぶ解約タイミングは6月末ではなく、8月末と10月末にも契約数への影響が本格的に現れるであろう山場が控えています。契約数や割引施策も含め、今後の動向に注目したいところです。