Fire TV StickはAmazonが開発・販売するストリーミングメディアプレーヤーです。この記事ではFire TV Stickの購入にあたり、ラインナップの中からどの機種を選ぶべきかを解説します。

そもそもFire TV Stickとはどんな機器であるか、その概要を知りたい方は下記の関連記事をご参照ください。

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Fire TV Stickとは? 何が見れて、何ができる?

現在販売されているFire TV Stickの種類

2023年7月時点で、Amazonが販売するFire TV Stickには2種類のモデルがあります。ひとつはAlexa対応音声認識リモコン付きの第3世代「Fire TV Stick」、もうひとつが4K対応の高画質な上位モデル「Fire TV Stick 4K Max」です。

第2世代のFire TV Stickや4K対応の旧モデル「Fire TV Stick 4K」はすでに販売を終了しています。

  • Fire TV Stick 4K Maxと第3世代「Fire TV Stickのパッケージ

    右手前が上位モデルの「Fire TV Stick 4K Max」、左奥は第3世代「Fire TV Stick」のパッケージです

Fire TV Stick 第3世代の特徴

はじめに第3世代のFire TV Stickの特徴を紹介します。Fire TV Stick 第3世代は2020年9月30日に発売されたスタンダードモデル。映像の解像度は最大フルHDに対応します。Amazonでの通常販売価格は4,980円で、Fire TVシリーズではもっとも安価な機種です。

  • 第3世代のFire TV Stick本体とAlexa対応音声認識リモコン

    第3世代のFire TV Stick本体とAlexa対応音声認識リモコン

  • 第3世代Fire TV Stickの同梱物

    パッケージにはFire TV Stick本体とリモコンのほか、USBケーブルと電源アダプタ、HDMI延長ケーブル、リモコンの電池2本が同梱されています

第3世代のFire TV Stickと第2世代機(旧モデル)との大きな違いは三点。一つは、Alexa対応音声認識リモコンが付属したこと。もうひとつは、AmazonプライムビデオやNetflix、DAZN、ABEMA(2022年4月まではAmazon Music)をダイレクトに呼び出せるボタンがリモコンに付いたこと。そして、本体の処理性能が50%向上したことにより動作も速くなりました。

Fire TV Stick 4K Maxの特徴

「Fire TV Stick 4K」の後継モデルとして2021年10月17日に発売された「Fire TV Stick 4K Max」は、名前が示す通り4K高解像度の動画コンテンツ再生に対応する上位モデルです。Amazonでは通常販売価格6,980円で取り扱われています。

  • Fire TV Stick 4K Maxの本体とAlexa対応音声認識リモコン

    Fire TV Stick 4K Maxの本体とAlexa対応音声認識リモコン

  • Fire TV Stick 4K Maxの同梱物

    Fire TV Stick 4K Maxには本体とリモコンのほか、USBケーブルと電源アダプタ、HDMI延長ケーブル、リモコン用の電池2本が同梱されています。Fire TV Stick 第3世代に比べて本体はやや長めですが、HDMI延長ケーブルはスリムです

前機種の「Fire TV Stick 4K」から「Max」になったことで大きく三つの点が変わりました。一つは第3世代Fire TV Stickと同じく、各種動画配信サービスのダイレクト呼び出しボタンを搭載したAlexa対応音声認識リモコンが付属すること。もうひとつは、容量の大きな4K動画コンテンツのストリーミングを安定して再生できるように、無線LANの規格がより新しい「Wi-Fi 6」に対応したこと。三点目として、本体のプロセッサーとメモリを強化して、Fire TV Stick 4Kに比べて最大40%も処理性能を向上させました。

4Kテレビじゃなくても「Fire TV Stick 4K Max」を買う意味はある?

4K表示に対応していないテレビであっても、Fire TV Stick 4K Maxを組み合わせるメリットはあると筆者は考えます。Fire TV Stick 4K Maxは接続したテレビが対応する最大解像度に合わせて映像を出力してくれるので、フルHD画質のテレビやPCモニターに接続した場合でも心配は無用です。

そして、Fire TV Stick 4K Maxはシリーズ最高速度の操作レスポンスを実現しているところが、なんと言っても大きな魅力です。例えるならば、スマホを操作するような感覚でサクサクと動きます。第3世代のFire TV Stickとの価格差は2,000円ありますが、それを十分に埋める満足度が得られると思います。後述するAmazonのセールを狙えば価格差は1,000円に縮むことも覚えておきましょう。

とはいえ、購入後に使う頻度があまり多くなさそうであれば、2,000円ほど節約できる第3世代のFire TV Stickを選ぶのもよいでしょう。

Fire TV Stick 第3世代とFire TV Stick 4K Maxを比較

続いて、「Fire TV Stick 第3世代」と「Fire TV Stick 4K Max」を機能、価格、スペックの順に比較します。

Fire TV Stick 第3世代と4K Max、機能の違いと共通点

映像の最大解像度は4K対応(3840×2160)の4K Maxに対して、第3世代のFire TV StickはフルHD(1920×1080)までとなります。無線LANは最新の規格であるWi-Fi 6に対応する4K Maxのほうが、同じWi-Fi 6に対応する無線LANルーターと組み合わせた時に通信が安定します。

Fire TV Stick 第3世代 Fire TV Stick 4K Max
出力解像度 フルHD (1920 x 1080) 4K (3840 x 2160)
無線LAN Wi-Fi 5 Wi-Fi 6
ビデオ(HDR等) HDR10、HDR10+、HLG対応 HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Vision、AV1対応
オーディオ Dolby Atmos対応 Dolby Atmos対応

Fire TV Stick 第3世代、4K Maxとも、広範囲な輝度(明暗差)を表現できる高画質技術「HDR(ハイダイナミックレンジ)」や、迫力のある立体音響を楽しめる「Dolby Atmos」に対応しています。HDRやDolby Atmos対応の映像コンテンツは、AmazonプライムビデオやNetflixにも多くそろっています。

4K Maxは最新4Kテレビの多くがサポートするDolby Vision対応のコンテンツも再生できます。Dolby Vision対応のコンテンツも徐々に数が増えています。

  • Fire TV Stick 第3世代と4K Maxのリモコン

    「Fire TV Stick 第3世代」「4K Max」とも付属するAlexa対応音声認識リモコンに違いはありません

Fire TV Stick 第3世代と4K Max、価格の違い

Fire TV Stick 第3世代と4K Maxの価格差は通常販売時に2,000円の開きがあります。Amazonでは季節ごとの大型セールや日々のタイムセールを開催しています。お得なセール期間を狙えば、Fire TV Stickシリーズをとても安く買えます。直近のプライムデー(プライム会員限定セール)では、第3世代のFire TV Stickと4K Maxの価格差は1,000円にまで近付いています。

Fire TV Stick 第3世代 Fire TV Stick 4K Max 価格差
通常価格 4,980円 6,980円 2,000円
2022年7月 プライムデー 1,980円 3,480円 1,500円
2023年2月 新生活セール 2,980円 3,980円 1,000円
2023年7月 プライムデー 2,980円 ※ 3,980円 ※ 1,000円

※プライム会員限定セールの価格

Amazonセールの開催スケジュールについては下記の関連記事をご参照ください。

【関連記事】
Amazonのセールはいつ開催? 2023年のスケジュール予想

Fire TV Stick 第3世代と4K Max、スペックの違い

スペックの比較については、4K Maxがプロセッサーとメモリを大きく強化した点に注目です。4K Maxは付属のリモコンによる操作がとても快適です。実際にFire TV Stick 第3世代と4K Maxをそれぞれ使用して比べてみると、アプリを選択したり開く操作は4K Maxのレスポンスがより速くてスムーズなことがわかります。

筆者の自宅環境で本体を起動して、Amazonプライムビデオのコンテンツを選択し、再生がスタートするまでの時間を計測したところ、所要時間は4K Maxが約13秒、第3世代のFire TV Stickでは約22秒という結果でした。数字で約40%、体感でも4K Maxの動作はかなり高速です。

Fire TV Stick 第3世代 Fire TV Stick 4K Max
OS Fire OS 7 Fire OS 7
プロセッサー(SoC) MT8695D Mediatek MT8696 + MT7921LS
クアッドコア 1.7GHz クアッドコア 1.8GHz
メモリ 1GB DDR4 2GB DDR4
ストレージ 8GB 8GB
無線LAN Wi-Fi 5 Wi-Fi 6
Bluetooth Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.0
サイズ 86 x 30 x 13 mm 99 x 30 x14 mm
重さ 32.0g 48.4g

本体のサイズや重さは4K Maxのほうがやや大きめです。テレビやPCモニターに複数の機器を接続する場合は、HDMI端子の配置間隔が十分に空いていないと4K Maxを直接挿せないことがあります。その時はパッケージに付属するHDMI延長ケーブルを使いましょう。

  • Fire TV StickとFire TV Stick 4K Maxを並べた様子

    左が第3世代のFire TV Stick。右のFire TV Stick 4K Maxは本体が少し大きめです

Fire TV Stick 4K Maxと旧Fire TV Stick 4Kを比較

新旧4K対応のFire TV Stick同士を比べてみても、スペック表ではわずかな違いしかわかりません。しかし、新しい「Max」は価格を据え置きながら、動作レスポンスなど全般の操作性を改善・高速化した点に要注目です。

Fire TV Stick 4K Max Fire TV Stick 4K
発売日 2021年10月17日 2018年12月12日
通常価格 6,980円 6,980円
出力解像度 4K (3840 x 2160) 4K (3840 x 2160)
無線LAN Wi-Fi 6 Wi-Fi 5
ビデオ(HDR等) HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Vision、AV1対応 HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Vision対応
オーディオ Dolby Atmos対応 Dolby Atmos対応
付属リモコン Alexa対応音声認識リモコン (第3世代) Alexa対応音声認識リモコン
OS Fire OS 7 Fire OS 6
プロセッサー(SoC) Mediatek MT8696 + MT7921LS MTK8695+MT7668
クアッドコア 1.8GHz クアッドコア 1.7GHz
メモリ 2GB DDR4 1.5GB DDR4
ストレージ 8GB 8GB
Bluetooth Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.0
サイズ(端子含まず) 99 x 30 x14 mm 99 x 30 x14 mm
重さ 48.4g 53.6g

Fire TV Cubeの特徴

Fire TVシリーズには箱型据え置きタイプの「Fire TV Cube」というモデルがあります。通常販売価格は14,980円。2022年7月に開催されたAmazonプライムデーでは40%オフの8,980円で販売されていました。

  • 4K対応のボックス型ストリーミングメディアプレーヤー「Fire TV Cube」

Fire TV Cubeはテレビサイドに置いて使うストリーミングメディアプレーヤーです。テレビと接続するため別途HDMIケーブルを買い足す必要があるのでご注意を。映像は4K/HDR、音声はDolby Atmosに対応します。

コンパクトな本体には8個のマイクを内蔵。Alexaに話しかけて音声操作ができます。付属するAlexa対応音声認識リモコンでも同じ操作はできますが、音声操作に慣れるとリモコンをいちいち手に取らずに済むメリットが実感されます。この点ではFire TV Cubeもおすすめです。ただ、Fire TV Stickよりも価格が高かったり、テレビサイドに置き場所を取る点については検討が必要です。

Fire TV Stickの選び方や買い方について、よくある質問

Fire TV Stickの選び方や買い方について、よくある質問に答えます。

Fire TV StickはAmazonのセールで買うのが一番安い?

はい。基本的にFire TV Stickは「欲しくなったら買い時」な製品ですが、余裕があればAmazonのセールを待つとより手頃な価格で購入できます。関連記事でAmazonセールが次にいつ開催されるか、2023年のスケジュール予想を公開しているのでご参照ください。

メルカリなどでFire TV Stickの旧モデルを買うのは損?

最新のFire TV Stickは画質の向上やAlexa対応リモコンの同梱など、様々な進化を遂げています。繰り返しになりますが、特に上位モデルの「4K Max」が実現した小気味よい操作性からは、スペック表では伝わらない価値を感じられるでしょう。

メルカリやヤフオクなどのフリマサービスに最新のFire TV Stickが出品されていて、安く買えそうであればチャンスですが、それ以外の場合は安いからと言って旧モデルに手を出すのは賢明ではありません。

  • メルカリでFire TV Stick 4K Maxを検索

    メルカリにはFire TV Stickシリーズも多数出品されています。最新モデルが安く手に入るようであれば狙い目です

Amazon以外の家電量販店でもFire TV Stickを購入できる?

はい。筆者の自宅近所にある家電量販店ではコジマとノジマの店舗にFire TV Stickシリーズが置かれていました。そのほか、ビックカメラやヤマダデンキ、ドン・キホーテでもFire TV Stickシリーズを販売しています。

ポイントを使えばAmazonのセールよりもお得に買える点は魅力ですが、時期によっては在庫を切らしている場合もあるとのことです。事前に電話などで取り扱いと在庫の有無を確かめてから足を運びましょう。

なお、2022年8月下旬時点でヨドバシカメラでは店舗・オンラインともにFire TV Stickが取り扱っていないようです。

  • ヤマダデンキのネットショップでもFire TV Stickを販売

    家電量販店の店頭やネットショップでもFire TV Stickシリーズを取り扱っているところがあります。ポイントサービスなどを使って安く買える場合もあります

Fire TV Stickを使えないテレビとは?

Fire TV StickシリーズはHDMI端子に挿して使うため、テレビ側にHDMI端子が必要です。旅行にFire TV Stickを持参して、宿泊先のホテルにHDMI付きのテレビとWi-Fiがあれば動画に音楽、ゲームなどが楽しめます。ただ筆者が過去に体験した事例では、宿泊したホテルの部屋にテレビはあっても、宿泊客が持ち込んだ機器をHDMI端子に挿せない仕様になっていたこともありました。

  • Fire TV StickをテレビのHDMI端子に接続している様子

    Fire TV Stickを楽しむためには、テレビやPCモニター、プロジェクター等のディスプレイ機器にHDMI端子が搭載されていることが必須条件になります

Fire TV Stickが必要ないテレビとは?

最新の4K対応テレビの多くは、Android TVに代表されるスマートテレビ機能を内蔵しています。こうしたスマートテレビはAmazonプライムビデオやNetflix、YouTubeなどの動画配信サービスをテレビ単体で見られるため、Fire TV Stickは不要かもしれません。

  • Android TVを搭載した製品

    インターネットに接続できる機能と、Android TVなど動画・音楽サービスのアプリを自由に追加できるスマートテレビがあれば、Fire TV Stickシリーズは不要かもしれません

結局、Fire TV Stickはどのモデルを買うのがベストチョイスなの?

最近では、Amazonプライムビデオにも4K対応コンテンツが続々と追加され、最高の画質で楽しめる4K対応テレビや4K対応PCモニターの価格もこなれてきました。動作が高速で操作性にも優れていることから、筆者はプラス2,000円を投じて「Fire TV Stick 4K Max」を選ぶべきだと思います。

一方、家族が集まるリビングのテレビではなく、少しコンパクトなPCモニターやプロジェクターをプライベートルームに置いて、映画やアニメを見てリラックスするひと時が欲しい方には第3世代のFire TV Stickも良い選択肢です。用途に合わせてベストなモデルを選択しましょう。

「Fire TV Stick 4K Max」あるいは「Fire TV Stick 第3世代」を購入した後の接続方法や初期設定方法については、下記の関連記事にて詳しく解説しています。

【関連記事】
Fire TV Stickをテレビに接続して設定する方法