ファーウェイは7月26日、左右独立型完全ワイヤレスイヤホンの新製品(2モデル)を発表しました。アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載する上位モデル「FreeBuds Pro 2」は26,800円、ANC非搭載のエントリーモデル「FreeBuds SE」は4,980円、どちらも7月28日の発売です。各新製品の特徴とファーストインプレッションをお届けします。

レアな高音質ハイブリッドドライバーを搭載した「FreeBuds Pro 2」

FreeBuds Pro 2、FreeBuds SEはともにスティックデザインを採用。シリコン製のイヤーピースを耳に入れ、スティック状の本体を外耳のくぼみに添えると耳にしっかりフィットします。

  • アクティブノイズキャンセリング機能を搭載するフラグシップモデルの「FreeBuds Pro 2」(写真のカラーはシルバーブルー)

FreeBuds Pro 2は、2020年に発売となったノイズキャンセリング機能を搭載するワイヤレスイヤホン「FreeBuds Pro」の後継機。イヤホン本体をより軽く、コンパクトにしています。カラーバリエーションは、セラミックホワイト、シルバーフロスト、シルバーブルーの3色です。

  • カラーバリエーションは3色で展開

最大の特徴は、サウンドの心臓部であるドライバーの設計でしょう。11mm口径の大きなダイナミックドライバーと、平面駆動ドライバーを1基ずつ搭載するハイブリッド方式となっています。

平面駆動型は、どちらかと言えば高級ヘッドホンに採用されることが多く、イヤホンでは珍しいドライバーの方式です。平面形状の振動板による滑らかでつながりの良いサウンドを特徴としていますが、イヤホンのように小さなデバイスに搭載する振動板は製造が困難であり、音の練り上げにも高い技術が必要とされてきました。ここ数年間で各社の技術が磨かれ、平面駆動ドライバーを搭載するイヤホンも徐々に増えていますが、ファーウェイのFreeBuds Pro 2は手ごろな価格のワイヤレスイヤホンに、これを搭載したことに大きな意義があると考えます。

  • 中低音域用として11mm口径の大型ダイナミックドライバーを搭載

  • 平面駆動型のドライバーは高音域用です

大型のダイナミックドライバーが中低音域を、平面駆動ドライバーが繊細な高音域を担当することによって、FreeBuds Pro 2はバランスが整う情報量の豊かなサウンドを再現します。短い時間でしたが筆者もFreeBuds Pro 2を試聴してみました。きめ細かなボーカル、スムーズな低音と立体的に広がる音場の描写力がとても高いワイヤレスイヤホンです。

FreeBuds Pro 2は、基本のサウンドチューニングをフランスのハイエンドオーディオブランドであるDevialet(デビアレ)が担当したコラボレーションモデルです。ナチュラルでリアリティに富んだサウンドにフラグシップモデルの貫禄を感じました。

また、ソニーのハイレゾワイヤレス対応のBluetoothオーディオコーデックであるLDACに対応しています。同じLDACに対応するスマートフォン、ポータブルオーディオプレーヤーに接続してハイレゾ再生が楽しめます。

  • Bluetoothオーディオコーデックはハイレゾ対応のLDACをサポート

  • イヤホン本体をケースに収めるとこんな感じ

  • シルバーフロスト

  • セラミックホワイト

自然で疲労感のないノイキャン効果

もうひとつ、FreeBuds Pro 2の大きな特徴がアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能です。こちらも実機で簡単に試してみたところ、前機種のFreeBuds Proと比べてANCオンのとき耳にかかるプレッシャーが少なく、自然な消音感でした。

独自機能の「ダイナミックANCモード」は、ユーザーがイヤホンをさまざまな環境で使うことを想定して、3つのモードから最適な消音効果を自動的に選んでくれるというもの。各モードは、静かな場所に最適化した「くつろぎ」、電車の中も含む一般的な屋外環境を想定した「標準」、さらにノイズの多い飛行機の中でも使いやすい「ウルトラ」という3種類です。

  • ノイズキャンセリング機能はシーンを自動判別。オートで切り換えます

オンラインミーティングなどでも便利に使えるように、通話音声の高音質化にも力を入れています。イヤホン本体に搭載する高性能なトリプルマイクと骨伝導センサーがクリアに音声を拾い、さらに機械学習によってマイクが集めた音から「話し声」だけを抽出。不要なノイズを消すアルゴリズムを掛けあわせます。この機能については実機で試していませんが、機会を見つけて使ってみたいところ。快適なハンズフリー通話を期待です。

  • 通話音声をクリアにする技術を搭載

イヤホン本体のスティック部分にはリモコンを搭載しています。スティックを「つまむ」操作で音楽の再生と一時停止、曲送りになり、上下に「スワイプ」すると音量が変わります。「長押し」でノイズキャンセリング機能と外音取り込みの切り換えも行えます。

  • スティック部分にリモコンを搭載。ピンチ・スワイプ操作に対応しています

内蔵バッテリーによる連続駆動は、イヤホン単体でノイズキャンセリング機能をオフに設定すると約6.5時間、ケースによる充電を繰り返せば約30時間使えます。ノイズキャンセリング機能をオンにすると、イヤホン単体で約4時間、ケースによる充電追加で約18時間となります。

イヤホン本体はIP54等級の防塵・防水設計。独自ハイブリッド方式のドライバーによるきめ細かくリッチなサウンドを楽しみたいユーザーに、ぴったりなハイエンドクラスの完全ワイヤレスイヤホンです。

カジュアルに楽しみたいエントリーモデル「FreeBuds SE」

一方のFreeBuds SEは、セミオープン型のハウジングを採用する完全ワイヤレスイヤホンです。シリコン製のイヤーピースを装着して耳の穴をふさいでも、切れ味に富んだ抜け感の良いサウンドが楽しめるところがセミオープン型の特徴です。

  • セミオープン型のハウジングを採用する入門機「FreeBuds SE」

カラーバリエーションは天然石のアマゾナイトを模したという淡いブルーと、ホワイトの2色展開です。FreeBuds SEはノイズキャンセリング機能を持っていません。

  • カラバリは2色展開

イヤホンは小さな本体の中に10mm口径の大きなドライバーを搭載しています。実機を試聴してみましたが、ボーカルのエネルギー感を活き活きと引き出し、楽器の演奏も躍動感に富む“元気なサウンド”が印象的でした。

イヤホン本体は各5.1gという軽量設計を重視したことと、セミオープン型のため装着時の圧迫感も減らせることから、耳への負担が少ないことも特徴です。デュアルマイクが通話音声もクリアにピックアップしてくれるので、オンラインミーティング用のワイヤレスイヤホンとしても重宝しそうです。

イヤホンの内蔵バッテリーによる音楽再生は約6時間、通話は約4時間の連続使用に対応。充電ケースによるチャージを含めれば、最大24時間使えるスタミナを実現しています。

FreeBuds Pro 2とFreeBuds SEは、ともにファーウェイのモバイルアプリである「AI Life」に対応しています。イヤホンの接続や設定が手軽に行えるアプリとして、一緒に活用することをおすすめします。